大文字屋の憲ちゃん (当面は 石巻 地震) 

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20140801 石巻川開き帰省 その3 ―鳴子温泉・姥乃湯に寄る

2014-08-17 17:04:43 | 日記

今回の帰省では、直帰するか寄り道するか決めていなかった。とりあえず温泉宿をとれたらどこかに一泊しようと石巻駅前の喫茶店に入りネットで調べてみる。

仙台近郊は近いが観光化が激しいし、秘湯の峩々温泉(白石蔵王)はちと遠い。鄙びた温泉宿を所望する私にとってやはり石巻からは鳴子温泉が手頃だった。いくつか情報にあたって、駅近のいい湯の宿をピックアップ。宿によっては一人客お断りなんてこともあるので、おそるおそる電話で予約を申し込むと、一軒目でヒットした。当日、一人、食事は贅沢なものはいらない、というと「お一人様だと四畳半の部屋で、8000円程になります。」という。四畳半はさすがにイメージがちがうので、値段が張ってもいいのでもう少し広い部屋を、とあれこれ交渉して、8畳で13000円の部屋に落ち着く。当日予約でよくとれたなあ。

12時50分頃の石巻線で小牛田に出て、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉駅に着いたのが3時半頃。けっこう早く着いたので駅前で足湯をしたり、評判の良い店で山菜きのこそばを食べたりした後、宿へ向かう。

鳴子駅からゆっくり歩いて10分ほど、踏切を過ぎてだらだら坂を下りるなかなか温泉情緒のある道行き。坂を下りた先に宿はあった。

「姥乃湯(うばのゆ)」という。

なんでも義経ゆかりの湯とのことであったが、私としては四種の泉質が楽しめる、とりわけ「白濁」した「硫黄泉」があるということが決め手であった。

比較的早めに着いたので、事前にチェックイン可能かどうかを電話で確認すると快くOK。

建物は昭和の佇まい色濃く、歩くとガタピシいうが、掃除が行き届いて清潔である。敷地自体は結構広く、建物も数棟に分かれている。中規模の温泉旅館というところか。

部屋に入って宿帳に記入すると早速入浴。「亀若の湯(単純泉)」、「こけしの湯(白濁した硫黄泉)」と入り、夕食をはさんで、「啼子の湯(露天、含ぼう硝重曹泉)」、「義経の湯(硫酸塩泉)」と入る。翌朝には硫黄泉と露天をもう一度楽しんだ。

    ←クリックすると拡大できます。

入り方には適切な順番があるそうで、たとえば硫黄泉に入るとどうしても肌がやや荒れるので、その後に肌にいい湯に入ると肌がなめらかになってよいそうだ。

かけ流しの本格的な温泉であるから、温泉成分を洗い流すシャワーは設置されていない。そもそもこの宿は湯治客がメインのようで、風呂は同じなのだが、部屋は旅館部と湯治部(自炊)とに分かれている。風呂場にシャンプーなども置いていない。ネットの旅行口コミサイトによると、シャンプーやボディソープがないなどの客の不満も見られたが、旅館部に泊まった私の場合、部屋に浴衣も所謂アメニティグッズセット(バスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ、髭剃りセット、ハブラシなど)も用意されていた。だから、湯治客用と旅館客では条件にかなりちがいがあるようだ。因みに湯治客は一泊3000円台かららしい。

実は鳴子あたりなら結構涼しいのではないかと暑い石巻を立つ時には期待していたのだが、この日の鳴子はおそらく30度超でかなり暑く、しかも宿の古いセントラル方式のエアコンがほとんど役に立たず、仲居さんがセットして部屋を閉め切りにしていってくれたものの、十分後に仲居さんが再びやってきた時には、「あら、この部屋サウナみたい。廊下の方が涼しい…」などととぼけたことを言ってくれて、結局窓を開けて外気を入れた方が涼しいということになったが、仲居さん、温かいお茶より冷たい飲み物の方がいいでしょ、とそれなりに気を遣ってくれたのである。

あとで布団を敷きに来てくれた時に少し話したのだが、この仲居さん、福島の旅館に勤めていたのだが、震災と原発事故で旅館が経営不振になりこちらに移ってきたとのこと。福島は内陸部でもかなり建物の倒壊被害があったり、原発で避難して来た人たちへの中傷(補償金をもらって遊んで暮らして…みたいな、まあ悪口ですな)が酷かったり、いろいろな問題があったそうです。

こんな施設面ではそれほど良いとは言えない旅館であるが、しかしお湯は最高である。どの湯も入る時は少し熱いと感じるのだが、入ると熱さを感じずにいつまでも入っていたくなる。あまり長く入ると湯当たりするので湯に浸かるのは実質5分程度だが、実にリラックスできる。この時期はオフシーズンであろうから、客も湯治部に少しいる程度のようだったから、ほとんど湯は貸し切り状態であったのもありがたかった。

また食事も贅沢さはないが、地のものを活かしてていねいに作られており、種類豊富で、かなり量もあった。私はかなり量は食べる方だが、それで多いと感じるのだから結構ある。昔サルと一緒に入れる(というかサルが勝手に入ってる)長野の地獄谷温泉の後楽館で(これも安宿だった)、お腹がはちきれるかと思うほど夕食の量が多かったのを思い出した。お米(ひとめぼれ?)もつやつやして美味しかった。料理の数が多いので、ごはんは足りないぐらいだった。

宿は客も少なったせいか静かで、宿の人も至れり尽くせりのサービスというより、ほどよく放っておいてくれるので、私としては気分的にもゆっくりでき、非常によく疲れがとれました。

この宿はお湯がいい。温泉フリークにとってはたまらない駅近の秘湯といってよいでしょう。また来たいと思います。

翌8月3日、8時半の列車に乗って自宅を目指す。

こうして2104年の川開き帰省は終わったのでした。

 

2014 石巻川開き帰省 その3 ―鳴子温泉・姥乃湯に寄る


↓ちょっと懐かしいものたち。

60-70's Ⅱ


付記1 
 新幹線はやぶさは車内がシックですね。座席にはコンセントがついていました。(はやてにはついていません。ただし普通席の話でグリーンはわかりません。)

付記2
 姥乃湯さんでは無線LAN導入検討中のようですが、とりあえずWi-Fiはつながりました。

追記 20140817…姥乃湯さんのHP→姥乃湯

追記 20140817…地獄谷温泉 後楽館のHP→地獄谷温泉 後楽館 20年前にうかがった時は、おばあちゃんの手造り粽(ちまき)を土産に買いましたが、サイト内ブログを見ると現在は若女将ががんばっていらっしゃるようです。猿さんたちもご健在のようす。

 

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