生きていることが情けない

　先日、幼馴染からメールが届きました。
　小学校の担任の先生について書かれた本があるからというものでした。
　６年生の時の担任の先生は、忘れもしない国語の先生。
　アルバムには、先生が私に向かって話しかけている写真が載っています。
　先生が体調の異変に気づいた時、悪性の癌は余命数ヶ月と診断されるまで先生の体を蝕んでいたのです。
　しかし、そう宣告されても、先生の生活には変化が見られませんでした。
　頭が混乱し、無性に抗おうとするのが普通でしょう。
　しかし、先生は奥様に「普通に暮らしたい」と告げられます。
　そして、命尽きるまで「普通に暮らす」ことを心がけられました。
　先生に最期について書かれた文章を何度も読み返しては、
　自分の情けなさに嫌気がさしてきました。
　生きていることが情けない、それでも生きなければならない。
　今はそんな心境です。