ゆるふわ屋。 - 鏃キロク・若林浩太郎のブログ -

シナリオライター若林浩太郎のblogです

様々な規制

2009年07月17日 11時36分31秒 | ゲームの規制問題について
私が、ここ数年利用している「さくらインターネットサービス」の
サービス利用約款が、いつの間にか変更されていました。

サービス約款一覧

自分にとって関係があるのは、この部分。

第16条のvです。

『わいせつ、児童ポルノまたは児童虐待に当たる画像、文書等を送信または掲載する行為』


アダルトゲームのライターとして、
クライアントに実力を判断して貰うための材料として
少しばかり文章を掲載していましたが・・やむなく削除しました。


さくらを選んだ時は、ここは大丈夫ってのを確認してたので
いつ変更されたんだろう・・迂闊でした。


そうでなくても、
ゲーム以外に色々な規制が始まっているようです。

単行本発売の中止、その上で存在も抹消された漫画家


スクウェア・エニックスの出版部門代表「ガンガン」に掲載されていた漫画が
抹消されてしまったそうです。

この方のペンネームと漫画のタイトルで検索すると、
スクエニのサイトやAmazonのリンク先が表示されるのですが・・
クリックしても「Not Found」な有り様です。


幸い、他の出版社さんが「うちから出しませんか」と言ってくださったそうなので
助かったようですが・・なんでしょうね。圧力が掛かったんでしょうか。

一つだけ言える事は、規制したい側からは
「崩すのは容易い」と思われてるってことです。


資源のない小さな島国、
その国の人々の妄想が生んだ特産物。

オタク文化、と一括りにすると語弊があるかもしれませんが、
これは誇るべき文化ではないでしょうか。
その産業を潰してしまうのが、この国にとってどれだけマイナスなのか。

考える時が来ていると、私は思います。

(ゲーム) 海外からのIP遮断について

2009年07月01日 09時18分44秒 | ゲームの規制問題について
ゲームとはいっても、
今のところは分野が限定されています。

そう、最近何かと話題になっているエロゲーについてですね。


このようなニュースが「痛いニュース」に載っていました。

エロゲメーカー「minori」が海外からのアクセスを遮断、英語圏の人間発狂


そして「Game*Spark」では、このように報道されています。

「自国のゲームで遊んでください」日本の18禁ゲームメーカーが海外からのアクセスを制限


どうして、これらの記事を取り上げたのか。
もちろん、一業界人として言いたい事があるからです。


理想論になってしまいますが、
海外の人もお金を出して 買ってくれるなら販売してもいいと思います。
お客様は神様ですからね。それで、問題にならないのであればです。


・海外のエロゲーファンはお金を出してない?

記事を読んだ限りでは、外国の人達の殆どは
商品を購入していないだろう、と指摘されています。

データだけを様々な方法で手に入れて遊んでいる、というわけです。
それが本当なのか、そうでなく購入しているユーザーが要るのかどうか
私には分かりません。


ただ自分も国内販売できなかった、
海外の魅力的なゲームを購入して遊んだ経験があります。

海外の商品を取り扱っているサイトはありますし、
店舗で売っている場合もありますから。
だから「全員が違法なやり方でデータを手に入れてる」とは言い切れないと思います。

まあ、これはどちらかというと「そうであって欲しい」という
私の願望に近いものでしょうかね。


・理屈の通じない相手

話を戻しますと、日本製のエロゲーを海外向けに
公に販売すれば問題視されて、叩かれるのは分かっています。

何故かって。
販売してなかったのに、外国のとある団体に叩かれたのですから。

私が事実関係を把握したソース元はコチラ


・理想論だとしても

ですが、もし海外のファンが日本のエロゲーに対して
「愛」を持ってるならば 一緒に考えて欲しいのです。

どうしたら前へ進めるのか、違う国に住む者だからこそ
違ったやり方で方法を模索できるのではないか・・そう思わずにはいられません。


・海外ファンへのメッセージ

海外IPから遮断され、憤りを感じている皆さんに言いたい。
問題が起こっているのは、ご覧の通り日本国内です。

でも、それが問題であると言い出したのは
紛れもなく国外の方なのです。


日本人だけでなく、お金を払うのであれば、
どのユーザーにだって遊ぶ権利があると私は思っています。
その自由・・権利の裏に、リスクがある事を忘れてはいけません。

対価を払わず、リスクを冒さずして権利のみを主張するならば
何の為の自由でありましょうや。


これまでと同じように、海外ユーザーが権利のみを主張し続けるならば
溝は深まる一方です。

そして、日本が誇るコンテンツも徐々に徐々に、
ですが確実に追い詰められていくでしょう。
それが悔しくてなりません。それが悲しくてならないのです。


・メーカーさんの勇気

そして海外からのIPを遮断したメーカーさん。
正直、勇気が要る決断だったと思います。

やっても何か言われるし、何もしなかったらされるがままだし。
なら、何かしてから後悔した方がいいですよね。


・自分たちの未来を守るために

次の選挙で、どこの誰に票を入れるのも個人の自由です。
(色々な問題があって投票権がないとか、そういうのもあるでしょうけど)

でも住所があって、成人してれば誰もが投票できます。

情報が錯綜していますので、アニメやゲームといった二次元の娯楽を
本気で守ってくれるのは、どの勢力なのか。どの立候補者なのか。
因果関係を把握するのは非常に難しい状態です。

でも、何もしないで後悔するよりは
投票してから後悔した方がいい。私はそう思います。



陵辱ゲームの自主規制について

2009年06月16日 12時22分44秒 | ゲームの規制問題について
何かコメントを出すべきかどうか悩んでいました。

「そもそも、業界の端っこに居る人間が、
ブログに何か書いたところで変わるのだろうか。
何も変わらないなら、コメントせずに居た方が大きい力を持った人達に
睨まれずに済むのでは・・」
そう思っていました。

ですが、問題が広がりそうなので、そろそろ発言すべきかなと思いました。


凌辱に飽き足らず、孕ませも制服も人外もNGになりかねないそうです


主に、こちらのサイトから情報を得ています。
お世話になってます、管理人さん。


自分がこの話を聞いたのは、
実際に規制が決まる6月2日より前です。

いわゆる「とばし報道」で肝を冷やした一人でもあります。
でも、その時はまさか本当に自主規制されるとは思っていなかったわけで・・


何が自分にとって問題なのかと問われれば、
ハッキリ正直に申し上げて「仕事が減ること」です。

これは偽ってもしょうがない。
大義名分を並べても、すぐにバレますからね。
そういう自分の欲の上に立って発言してるというのを、最初に認めておきます。


今回の騒動で、作り手やユーザーさんらが意見を交わし
情報交換しながら、大きな力に対抗しようとしているのを見て
本当に励まされました。

「自分は、こんな熱い人達に支えられていたのか」と。
胸が熱くなりました。


作り手は勿論のこと、反対するユーザーが、なぜ発言するのか。
「これは問題だ」と熱くなるのか。
それは個々人の欲が、そうさせているのに他ならないと私は考えます。


性欲は、人間にとって大切な欲求の一つとして間違いなく数えられるものです。
そして日々の生活の中で、性欲処理は欠かせないものなのです。
だって溜まってたらイライラするし、衝動的に何かしてしまうものじゃないですか。

今は規制が決まった、このジャンルが性欲処理として
欠かせないものになっている以上、ユーザーが怒って当たり前だと思います。
勿論、性欲処理以外の部分でも光るものは一杯あります。
少なくとも今まで自分は、そういう部分を関わった仕事の中に込めてきたつもりです。


上記の通り、規制は広がる可能性を見せ初めています。
「アダルトゲーム好きだけど、自分が好きなジャンルとは嗜好が違うから関係ないや」とか
「ゲームそのものプレイしないし、どうでもいいよ」という人達にも
影響を及ぼす可能性が出てきたのです。


だからこそ、たとえ見ている人が少ないブログでも
自分なりの意見を書いておくべきではないかと思ったのです。

「何を大げさな」と笑われるかもしれませんが、
日本にとってアニメやゲームといった、いわゆるオタク文化に分類されるジャンルは
誇るべき文化の一つだと思っています。

日本は資源の乏しい国ですが、
戦後の復興に尽力された自分達の祖先によって
「先進国」と位置づけられるまで経済水準を高めました。

その中で、オタク文化が大きな役割を果たしたのは確かだと思うのです。


表現の自由を規制された人が向かう先は、どこなのか。
それがリアル・・現実での性犯罪でない事を祈るばかりです。

その時、もし規制問題が原因の一端にあっても
報道されないのではないだろうか、と思うと暗澹たる気持ちになってきます。


私は決して、表現の自由を盾に
何を作ってもいいと思っているわけではありません。

陵辱ゲームが性犯罪を誘発する可能性を秘めている事を、
常に意識して制作に携わってきたつもりです。

このジャンルは当然のことながら18歳未満購入禁止ですが、
現実は違います。インターネット経由で様々な入手方法があり、
それを防ぐ事は現実問題として不可能でしょう。


語弊を招く恐れがありますが、
現実との接点がテレビやモニターに集中している場合、
リアルより先に「ファンタジー」であるアダルトゲームを
基準に考えてしまう場合は無いと言えないのではないか。

小学生の頃より、お世話になっているカウンセラーの先生と
お話した時(その先生は臨床心理士で小学校でも活躍されています)、
そのような意見を伺いました。

そういった可能性がある事を、私は否定しません。


しかし。何故、今「陵辱ゲー」だけが規制されたのでしょう。
もっともっと犯罪を誘発するジャンルは他にもありますし、
何より性犯罪を犯した人間へのケアが充分でないと私は考えています。

非常に再犯率の高いものだからこそ、
力を入れるべきだと思っています。


不思議に感じる点は、他にもあります。
ソフ倫は減益に繋がる自主規制を、なぜ決めたのか。
これによって流通は小売店に販売を自粛するよう求めるでしょう。
誰が一体、得をするというのでしょうか。


まだ、どこからが「陵辱系」に分類されて
どこからは、そうでないのかすら決まっていない段階です。

仕事が減ったですとか、
どういった表現を控えなければいけないのか等は聞いていないため
私にとっても実感に乏しいままです。

ですが、このままで良いわけはない。


私は、日本国内でデジタルコンテンツを、どう扱うのか
国民の立場で考える段階に来たのではないかと考えています。


今はまだ小さな声ですが、
決して屈してはならないと思います。

少数派は淘汰される、のが動物の本質であったとしても
そこを越えようとしているのが人間ではありますまいか。

皆さんは、どうお考えですか。


易々と崩れた自主規制の牙城、
付け込まれる可能性は非常に高いと私は思います。