見出し画像

ケンタシノリのバルコニーから眺めて

勘太と夜中の便所(その3)

 こうして、スイカを残さずに食べ切った勘太はお寺の庭にある井戸へかけ出しました。井戸からくんだ水をおけへうつすと、ふんどし姿になった佐次郎が勘太のそばへやってきました。
「それじゃあいくぞ!」
 2人の男の子は、勘太のかけ声に合わせておけに入った水を体にあびています。暑い夏とあって、勘太も佐次郎も気持ちよさそうにじゃれ合っています。
 お千代は、2人がはしゃいでいる様子をやさしく見つめています。でも、心の中では勘太のことがどうしても気になってしまいます。
「勘太くん、あんなにスイカを食べておしっこのほうは大じょうぶかしら……」
 お千代が気にしていること、それは勘太がこの寺に引き取ってから毎日のようにおねしょをくり返すことです。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「勘太と夜中の便所」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事