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ケンタシノリのバルコニーから眺めて

勘太と夜中の便所(その6)

「お、おしっこがもれそう……」
 腹掛けをおさえながら、勘太は何とか便所へたどり着くことができました。しかし、便所に足をふみ入れたその時のことです。
 便所のかべを見たとたん、ゆうれいらしきものが勘太の目に入ってきました。
「よ~くきたなあ……。おれさまのいる前でちゃんとできるかな……」
 不気味なゆうれいの声に、勘太はあわててお寺の中へもどりました。お千代は、すぐさまふとんの中へ入ろうとする勘太に話しかけました。
「勘太くん、便所でおしっこしたの?」
「ちゃんとしたから!」
 勘太は、お千代にうそを言うとそのままふとんの中へもぐりこみました。ふとんの中でおしっこをガマンしながら、次第にねむりの中へ入っていきました。

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