勘太がふたたび目を覚ますと、暗やみに包まれる中でそっと起き上がりました。他の人に気づかれないように、周りをキョロキョロしています。「も、もうガマンできない……」 お寺から出ると、勘太は腹掛けをおさえながら便所のある場所へ向かおうとしています。勘太は、真夜中で化け物がいつ現れるのか不安でいっぱいです。「父ちゃん、母ちゃん……。本当にこわいよう……」 便所の前に立つと、勘太はもうこの世にいない父母のことをいつも思い出してしまいます。