そんな勘太に、佐次郎はいつものようにからかっています。「へへへ、明日の朝も勘太のおふとんはどうなっているのかな」「お、おねしょなんか……」「そんなこと言ったって信じないぜ。勘太がここにきてから、おねしょをしなかったことは一度もないからなあ」 佐次郎のわらい声に、勘太は言葉を返すことなくだまったままです。 やがて夜がふけると、小さなお寺では子どもたちがおふとんをしいてねるところです。新しい着物を着てねようとする佐次郎とみよのそばでは、勘太が着物をぬいで腹掛け姿になっています。