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ケンタシノリのバルコニーから眺めて

勘太と夜中の便所(その4)

 そんな勘太に、佐次郎はいつものようにからかっています。
「へへへ、明日の朝も勘太のおふとんはどうなっているのかな」
「お、おねしょなんか……」
「そんなこと言ったって信じないぜ。勘太がここにきてから、おねしょをしなかったことは一度もないからなあ」
 佐次郎のわらい声に、勘太は言葉を返すことなくだまったままです。

 やがて夜がふけると、小さなお寺では子どもたちがおふとんをしいてねるところです。新しい着物を着てねようとする佐次郎とみよのそばでは、勘太が着物をぬいで腹掛け姿になっています。

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