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ケンタシノリのバルコニーから眺めて

勘太と夜中の便所(その9)

 それは、勘太がいつもやってしまうあのシミとそっくりです。
「よく気づいたようだな。このシミはだれのものなのか、お前ならすぐ分かるよなあ」
 かべの向こうから聞こえる声に、勘太は足をふるわせながら後ろずさりしようとします。そんな勘太に向かって、おそろしい声がふたたび便所の中にひびきわたりました。

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