KERC活動日誌

柏アーリー・リコーダー・コンソート
古楽リコーダーアンサンブルの日々あれこれ

東京リコーダー音楽祭2009  報告

2009-08-01 22:24:18 | 演奏会の紹介/報告 ~2015
7月25~26日 (東京文化会館 小ホール)

素人に毛が生えた程度の私が書くのもおこがましく、また好みも偏っていたりするかもしれないですが、ごく個人的な感想を書かせてもらいます。

演奏順に、花岡和生、吉沢実、向江昭雅、太田光子、本村睦幸、小池耕平、大竹尚之、山岡重治 の各先生
(ヴィオラ・ダ・ガンバ 平尾雅子、福沢宏、チェンバロ 上尾直毅、岡田龍之介)


花岡和生 先生
 オトテール“ルロマン”:<プレリュードの技法>よりプレリュードニ長調
 ボイスフルート(D管)での演奏。花岡先生の演奏は、このブログでも紹介しましたギースベルトの教本の曲のCDでしょっちゅう聴いていたので、今回の演奏はちょっと短くて、もう少しやってほしいなと思いました。

吉沢実 先生
 ヘンデル:リコーダーソナタ ハ長調 HWV365(ロジェ版による)
 この曲は私もレッスンでやり始めたばかりの曲です。今回の演奏では、ロジェ版というのは4楽章のa Temp di Gavotta がないようですね。実を言うと私は吉沢先生の演奏はNHKテレビとかも含めて、ほんとに初めて聞いたのですが、素直な感じというかてらったところない、たんたんとした演奏で、よかったです。

向江昭雅 先生
 マンチーニ:リコーダーソナタ第1番ニ単調
 からだ全体で表現する演奏。私なんかはあまり体や笛を動かし過ぎないように注意されることがありますが、そのあたりは先生達は承知の上でやっておられるのでしょう。ある意味、こう吹きたいんだというのを、笛だけでなく体でも伝えたいということなんでしょうか。

太田光子 先生
 マルチェッロ:リコーダーソナタ第12番ヘ長調
 夜の演奏会では唯一の女性で、いま日本でテクニック的には一番との評判があるとか知り合いが話してました。
 最終楽章でのテクニックはもちろんすばらしかったのですが、私的には、前半でのたゆたうような感じ、一つ一つの音が同じ長さではない、伸びたり縮んだり、自由自在な動きに魅了されました。それでいてチェンバロ、ガンバとも破綻しない。
全部の演奏が済んで奏者全員が舞台に出られたときに、大手を振って(^_^)先頭に入ってこられた印象とはずいぶん違う、ふっくらした音でした。演奏会があれば聴いてみたいなと思いました。

本村睦幸 先生
 バッハ:ソナタニ単調(オルガンソナタ第3番BWV527による)
 唯一ソプラノでの演奏でした。普段自分がソプラノとアルトを吹いているときには、ソプラノはどうしても甲高い気がして、もひとつ好きではないんですが、やはり先生達は違うんだなぁと感じさせる音でした。

小池耕平 先生
 テレマン:<エッセルチツィ・ムジチ>よりソロ第4番ニ単調TWV41:d4
 背が高くておひげがあって、ぱっと見、リコーダー奏者とは思えず、どちらかといえばジャズとかやりそうな雰囲気の先生ですが、p(ピアノ)をとても小さく丁寧に吹かれていたのが印象的でした。男性に人気のある先生だそうですが、メリハリのある演奏のためでしょうか。
 曲は聴きはじめには、ほんとにテレマン?という感じ。テレマンの印象のころころした明るい感じとは違う曲でした。

大竹尚之 先生
 サンマルティーニ:リコーダーと通奏低音のためのコンチェルトヘ長調
 最年長だそうです。総象牙の白い笛で音が小さいとおっしゃってました。でも、ホールのせいか、他のアルト笛と音量的にはそんなに変わらなかったかな。演奏会では私はよくわからなかったんですが、総象牙の笛というのは芯があるけどやわらかいという音だそうです。

山岡重治 先生
 レイエ・ド・ガン:リコーダーソナタト長調作品1の3
 自作のG管アルトでの演奏でした。文化会館小ホールで一番後ろのほうの席で聴いていて、コンサート全体的に、どの先生でもリコーダー一本では音量的にはやはりちょっときついかなという感じだったのですが、山岡先生の笛はG管ということもあってか(あるいは関係ないかも)、ふわーっと、あるいはすーっと降って来るような音に鳥肌が立つような感じでした。
 以前に聞いた話では、ボイスフルート(D管テナー?)は普通のテナーより一音高いだけだが、音色的にはアルトに近い。G管アルトも普通のアルトよりも一音高いだけだがソプラノの雰囲気を持っているとのことでした。山岡先生の笛はソプラノと思うほどには甲高い感じはありませんでした。

ガンバとチェンバロ
 さて、リコーダーのコンサートなんですが、ガンバとチェンバロを演奏された4人の先生達は、だいたい4曲ずつ演奏されているのですから、実を言えば、リコーダーの先生達よりもたくさんの曲を演奏されていたのです。当たり前といえば当たり前ですが、通奏低音の重要さと、特にガンバの甘い響きが素敵でした。
ガンバやチェンバロ単独の演奏会も聴いてみたいなと思わせていただきました。


 2日間通しの音楽祭、私はその一こまだけしか聴けませんでしたが、ほかにお聞きになった方のお話も伺えたらと思います。
また、これからも音楽祭続くといいですね。

(tomo)
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