「自殺予定日」2019/5/31
秋吉理香子
久々にミステリーを読みました。
といっても、この作品はミステリーに、ファンタジー?とホラー?が混ざっているようなストーリーでした。
主人公は女子高生の瑠璃。大好きだった父が再婚してわずか1年半足らずで急死。
美しい継母が父の残した遺産とビジネスを引き継ぎ、生き生きと活躍する姿に、継母が父を殺したと確信する。
瑠璃は自らの死をもって継母の罪を告発しようと、自殺の名所で有名な山奥で首を吊ろうとしたところ、かつて同じ森で首吊り自殺したという "幽霊"と出会い、裕章と名乗る彼に継母の罪の証拠を一緒に探そうと提案される。
瑠璃が決めた期限以内に見つからなければ、その時死ねばいい…6日後、それが瑠璃の自殺予定日となった。
謎解きをするのがミステリーの醍醐味だと思うのですが、読み進めていくうちに、幽霊の正体に関しては、まあ、そうだろうなぁと…しかし犯人に関しては、そう来たか!って感じで、でもなるほどね…と納得もしました。
アマゾンのカスタマーレビューを読んでいると、本書の評価は真っ二つに分かれていましたが、個人的には、私はこのお話し、好きです。こういう終わり方は、なかなかいいなぁと思いました。
最近の世の中は、なんだか殺伐としていて、だからこそ希望がほしいと思うのです。人生そんなにうまくいくはずないじゃんと、私などはつい皮肉ってしまうことも多いのですが、それでも希望の光が見えた、いい作品だと思いました。あと「六曜」と「風水」についても作中によく出てきますが、信じる信じないは別として、興味深かったです。