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「秘密の花園」フランシス・ホジソン・バーネット

2025年02月24日 | 本 レビュー

「秘密の花園」2016/5/28

フランシス・ホジソン・バーネット

(1911年の作品)

児童文学

物語の舞台は19世紀初めで、イギリス植民地時代のインド。主人公の少女メアリの父親はインド政庁で忙しく働き、母親は娘をほしいなどと思ったことは一度もなく、娘を乳母に預けて、パーティー三昧の日々を送っている。インド人の召使いはメアリの言いなりで、よそのどんな子供よりも暴君じみたわがままな子となっていった。ある暑い朝、コレラが致命的な形で発生し、人々がばたばたと死んでいった。その中にはメアリの両親も含まれていた。ひとりぼっちになったメアリは、イギリスのヨークシャーに住む伯父(メアリの父と伯父の妻はきょうだい)にひきとられることになる。

 

秘密の花園を初めて読んだのは、たぶん小学校の高学年頃だと思います。読んだ感想は、あまりよく覚えていないのですが、ワクワクしたこと、面白かったことだけはなんとなく覚えています。なので、大人になってからも何度か読み返していて、今回読むのは何度目だろう?その都度、感じ方が変わるのが面白いです。

今回読んでみての感想は、メアリという少女の境遇は過酷ではあったものの、この少女はなんて強いのだろうということでした。10歳のメアリが偏屈者だとか、わがままだとか言われていたのも、いちばん愛情を受けなくてはいけない時期にほったらかしにされ、精神的虐待をされていたことではなかったのか?そして、伯父の息子である10歳のコリンもまた、大人たちから病気であると思い込まされ、父親は亡き妻の面影を息子にみるのが怖く、関わらないようにしていた。でもコリンもメアリ同様なんて心の強い子供なのだろうと感じました。そして女中のマーサの弟ディコンはなんと素朴でまっすぐな子供なんでしょう!マーサとディコンの母親の子供を見る目の確かさは、そんじょそこらの医者やカウンセラーより優れているんじゃないかと思いました。

メアリがインドからイギリスにきた当初、顔が黄色く、淡い色の髪の毛はコシがないという外見は、相当健康を害していたのではないかと思うのですが、ムーアの自然が、心身の健康にどれほどよかったかがよくわかります。私の中のイメージではムーアというと「嵐が丘」を思い起こされ、暗いなあと感じるんですが、「秘密の花園」の舞台は、確かに天気が悪い日はきつそうですが、晴れた日は美しい風景が広がるのではないかと感じました。メアリとコリンが秘密の花園で園芸仕事をやりながら、どんどん健康になっていく姿は、すごく楽しくて希望があって素敵な物語だと思います。

読んだ後、私も自分だけの庭が欲しいなと思いました。マンションの上階に住んでいるので、なかなか難しいですが、昔やっていたベランダガーデニングを再開してみようかなと、もうすぐ春だしね🌸🌸🌸

 

物語の中に出てくるスノードロップ

 

この時期は、植物の芽がどんどん出てきて

自然の生命力ってすごい!と感動します。