衣料品販売大手Sの創業者さんが亡くなられたニュースをネットで見ました。
そのニュースについての書き込まれたコメントを見ていると、その方がその会社を大きくして、安くて良い品を買うことができるようになった事に感謝するものが多かったのですが、自分がかつて読んだ「U vs S」(イニシャルにしてます)に、こんなエピソードが載ってました。
Sが全国展開を目指す中、当時社長だった創業者さんは「オレの才能では、この会社を、これ以上大きくできない」と悩んでいたそうです。が、自分の部下である営業本部長なら、きっとこの会社を大きくできると考え、営業本部長を呼んで、
「お前を社長にするから」と言って自分は会長職に退き、新社長に
「ひとつお願いがある。それは、この後は遊ばせてくれ」
と言って事実上の引退をして、世界各国を巡っていて、ほとんど日本にいない。と、その本に書いてありました。
その後、新社長のもと、Sは飛躍的に業績を伸ばし、全国的に知られる存在となったのでした。
亡くなった、Sの創業者さんは、経営者としては、今ひとつだったのかもしれませんが、自分や他人の才覚を見抜く力が凄かったのだと思います。引退後、遊びまくって、98歳の、まさに大往生でしたね。