佐保川小学校で、人権講演会があった。PTA役員を中心に50名強の参加者だった。
臨床心理士の向井佳司先生を迎えて90分間の講演があった。常磐会学園大学教授として教鞭をとる傍、カウンセラーとして多くの親子のカウンセリングをされてきた経験から、親子関係や人間関係について、面白く淀みなく90分間講演された。
ご自分のご経験で、師と仰ぐ河合隼雄先生から「向出君は、僕と話をしていても10の内、9までしゃべっている」(耳はS寸、口はL寸だ!!)とご指摘を受けたと言われていた。人の話を聴くことは、心の声に耳を傾けることであり、人を大切に思うことである。そこから良い人間関係が生まれるとのことだ。次に「観ること」が大事と言われる。ペンを忘れて細かいことは覚えていないが、記憶に残ったのは、1「聴く」2「観る」3「出番」4「誉・叱」5「出逢い人」を手の指の一つ一つに当てはめて、親指に「聴く」を当てはめて、親指だけが後の4つの指を見ることができるとして、まず聴くことの大切さを強調されていた。
そして、大事なことは「出逢い人」だと言われた。指にもそれぞれ違いがあって働きが違うが「ゆびきりは小指でするが、人と人が出会って約束をしていくことで結ばれていくという。など具体的な内容を覚えていないが面白い話だった。
親子の対話の例を出して、
「閉じられた質問」より「開かれた質問」
(1)子供に「としられた質問」をすると「デジタルアンサー」、「開かれた質問」をすると「アナログアンサー」が返ってくる。可能な限り、「開かれた質問」をすることで、子供の感情や意思を多様に聞き取ることができる。
(2)「今日の遠足楽しかった?」という閉じられた質問は「楽しかった」OR「楽しくなかった」の二者択一の限定された答えが返ってくるが、「今日の遠足どうだった?」と開かれた質問は「今日の弁当ね・・・・・そしてバスの中でね・・・・」と多種多代な答えが期待できる。
また、Uターン・クエスチョン効果
(1)子供の質問に、気前良すぎて、また、先回りしすぎて親が次々と答えることが案外多い。それよりも、質問してきたことに対して上手くUターン質問して子供に答えさせることで、子ども自身に主体的姿勢を培うメリットが大きい。
(2)1.こども 「先に遊んできてもいい?」
親 「後で片付けるのよ!」と答えないで
「それなら、あなたはどうしようと思っているの?」
2.こども 「国語のテスト、40点やってん」
親 「今度は頑張るのよ」と答えないで
「なぜ40点だったと思うの」等、親が答えることで、子供が答えるようにする。
そのほか、レジメでは(話はなかったが)
同調効果・体験談効果・太陽(誉める)、北風(叱る)のメリハリ効果・気づかせ会話効果・タイムスリップ会話効果・挨拶効果・「誰もが金メダリスト」効果・ザブトン効果・ブーメラン効果等々面白そうな項目もあったが聞くことはできなかった。
参加者の多くが保護者の女性だったのでみなさん真剣にまた熱心ににメモを取り聞いておられた。
私が関心を持ったもう一つに、「人間力の育み」という話で、「知・情・意」すなわち「知性・感性・行動性」の3つが揃って人間力が育っていく。知識を持って行動することによって経験が生まれ知恵になる。行動すること、人に会うことが重要との話に納得をした。
「人は、出会いの数だけ、人間としての年輪が大きくなる。」と、人との出会いを作ることの重要性を訴えておられるように感じた。
「人生道 よき友と出逢う 旅路かな?」と詠まれていた。
午後は、雑件処理とともに、事務局案の地域自治協議会の中間報告書のまとめの加筆修正をした。検討委員会もボタンのかけ違いでこの1年を十分な効果を発揮することができなかった。