朝から歴史教室の最終回があったが、次回の書こう。
午後から奈良ロイヤルホテルで、2月9日に行った「消防団・DMAT・DPAT合同訓練」に参加した、医師会・消防団・DMAT・DPAT・女性消防団・危機管理課・奈良市消防署・災害時こころの情報支援センターなど検証会が行われた。
過去の記事 NO866 – 市消防団・DPAT・DMATが全国初の合同訓練
会議の冒頭で、当日のビデオが流されたが、映し出される画面を見て当日の緊迫した雰囲気を改めて感じた。
消防団より
家の中にいる痴呆症の主人と奥さんが、消防団に「避難をしないで家にいたい。」と言われてその場を去った例や、避難所で、家に帰りたいという避難者を止めた例を出して、消防団として「痴呆症の人を無理やりでも避難さすべきか?帰りたいという人を止めたりする権限があるのか」との質問が出た。
進行役から「その情報を誰に伝えましたか?」
「消防団にだけです」
「医療班には伝えなかったのですか?」と鋭く突っ込まれていましたが、
「そこまでは考えませんでした」という返事でした。
進行役から、寝たきりの人や、痴呆症の人については、東日本災害でも同じようなことがありましたが、消防団に説得は無理です。
このような人への対応は、地域で行っていただくことになり、自主防災組織に対応をしていただくことが適切です。(自主防災で避難誘導をする)
避難誘導は、我々の自主防災組織で責任持って行わなければいけないということを改めて認識した。
また、消防団の人は、DMAT、DPATの人が来ても気がつかなかったり、リーダーがわからず連携が取れなかった。と反省の弁を述べていた。
医師団からは、
個人で参加したが、医者も団体として地域の民間医を組織化する必要を感じた。
そして、避難所ごとに民間医の情報を提供できる体制作りが必要である。
また、患者のことをカルテで見て判断しているので、(コンピューターばかり見ていると言われるが)患者さんのことを紙面に書き相手に伝えることの重要性を提案されていた。
DMATメンバーからは、発災から1日目は現地に行けない。現在14チームがあるが十分でない。現場に行っても消防団のリーダーがわからずうまく連携が取れなかった。
また、DMATのチーム内では情報の共有はできたが、役割分担ができていなかった。また、医療班との連携が取れていなかった。
そして、被災者に、消防団が事情を聞いて、DMATがまた同じことを聞いて、医療班が到着して同じことを聞いていることがあったが、同じ情報を何度も取っていたことは被災者の負担にも、時間の無駄にもなるので連携をもっと適切に行わないといけない。
DPATメンバーも、現場に入って誰と話せばいいのかわからなかったと話していた。
しかし、今回の訓練を企画した人からは、会場に24名の被災者を仕込んでおいたがそれらの人全員に対応はできていたので素晴らしかったという賛辞もあった。
検証会に参加して、
1、各種団体との連携方法が確立されていなかった。
2、各種団体間で、情報の共有が十分でなかった。特に情報伝達は言葉ではなく書いたものが必要であった。
3、皆さんが、訓練内容を知らされていなかったので戸惑ったこともあったがそれぞれの団体が不十分さ(欠点)を実感した。
私も、感想を述べさせていただいたが、今回は訓練だったので、消防団がいて、DMAT・DPAT・医療班の人たちがいたが、災害が発生して時の避難所にはこれらの人が誰もいないことが想定されるので、自主防災組織としても十分な対策と訓練をしておかなければいけないことを実感した。
また、役割分担や責任者の明確化や、連携の取り方、正確な情報の取り方と伝え方の必要性を考えさせられた。
その中で、参考になったのは、DMATの方が、「アクションカード」を作成して常に持ち歩いているとの話があった。「アクションカード」とは、現場を想定して「何をするのか」「どのようにするのか」などを文章にしてあるもので、誰でもが同じことができるようにしているという話は参考になり取り入れて行きたいと思う。
しかし、本当に災害が起こったときのことを考えるとその対応ができるのか心配になる。
「近代消防」4月号に訓練の様子が掲載されました。