9月も半ばというに暑い風が吹く。
アーティゾン美術館。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃
「ここへきてやむに止まれぬサンサシオン」
会期は9月9日~11月19日。
「汝、経験に依りて過つ」。
階段を上がって入った瞬間に平衡感覚を失い床に転がりそうになる。
斜めの部屋だ。
気持ち悪いよお!!!
目を閉じればいいのだけど。
ヨレヨレと吐き気をこらえながら展示室へ。
写実絵画やアカデミズム絵画に対する反動としての、あるいはその本来製を取り戻すためのものが西洋の〈近代絵画〉であろう。が、写実絵画やアカデミズム絵画の歴史を持たぬ本邦に移入された近代絵画とはなんであろう。
西欧の近代絵画と日本の近代絵画を蔵する石橋財団コレクションを前に山口はそう述べたという。
今回のジャム・セッションは、「近代」、「日本的コード」、「日本の本来性」とは何かと問い、歴史や美術といった個人を圧する制度のただ中にあっても、それらに先立つ欲動を貫かんとする山口晃をみせるという。
なんか御大層なのであるが、山口の「すゞしろ日記」というさりげない日常を綴ったエッセー漫画と緻密で壮大な作品が展開する。
月刊モーニング・ツーの趣都の日本橋編の原画。
石橋財団コレクションの雪舟と。
山口はセザンヌに傾倒しているようだ。
石橋財団コレクションのセザンヌと。
入口は阿鼻叫喚。引きも切れずに叫び声が聞こえてくる。
このまっちろな部屋もヤバいかな。
石橋財団コレクションのたおやかな花を眺めながら、つぶやいてみる。
ここへきてやむに止まれぬサンサシオン。
日本は近代を接続し損なっている、いわんや近代絵画をや。