東京都現代美術館。
TCAA 2022-2024 受賞記念展。
東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペースは、2018年に中堅アーティストの更なる飛躍を促すことを目的に「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」を創設した。
各回の受賞者は2組で、複数年に渡る支援の最終年に東京都現代美術館で受賞記念展を開催する。
第4回の受賞者は、サエボーグと津田道子。
会期は3月30日~7月7日。
津田道子(1980~)は、神奈川県生まれ、石川県在住。
東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程映像メディア学専攻修了。
映像メディアの特性にもとづき、インスタレーションやパフォーマンスなど多彩な形態で制作を行う。
映像装置とシンプルな構造物を配置し、虚実入り混じる作品空間が、鑑賞者の視線や動線を操作し、知覚や身体感覚についての考察へと導く。
「人生はちょっと遅れてくる」。
「生活の条件」。
暗い暗い空間に床に座れるようにビーズクッションが置かれている。
八つの枠が設置されているのだけど、鏡が入っていたりスクリーンになっていたり。
来館者を映しているのか映像の中の俳優さんなのか。
廊下に出れば「振り返る」。
「カメラさん、こんにちは」。
11台並ぶモニターと簡素化したダイニングルームのような仮設の部屋。
それぞれのモニターに映る3人の人物(俳優)は1人ずつ役を入れ替えながら、11画面全てが同じ出来事を演じている。
この映像は、36年前(1988年)に津田の自宅に初めてビデオカメラが来た日に撮影された5分程度の出来事を再演したものという。
何気なく眺めているうちにちょっとドキリとしてくるのであった。
そういえばコロナ離婚とかいうのもあったな・・・
現代を生きる家族は元々それを孕んでいたのかもしれない何かが、コロナ禍で露骨に露呈したとでもいうのだろうか。