6日は岬屋さんで菱葩を受け取って渋谷から帰り道の途中下車。用賀駅から世田谷美術館へと向かった。
「祈り・藤原新也」。
会期は2022年11月26日~2023年1月29日。
1944年に門司に生まれた藤原新也は、東京藝大の絵画の油画に入学したものの、インドへと旅立ちアジア各地をめぐった。
1972年の写真とエッセイによる「インド放浪」を皮切りに様々な作品を発表し、1983年に出版された「東京漂流」は社会に衝撃を与えベストセラーとなった。同じ年に出された「メメント・モリ」は若者のバイブルと称された。
「インド放浪」から歩みをとめることなく続く藤原新也の旅は本質を問いかけ続ける。
神。
東日本大震災。
パンデミック。
かつての旅。
社会問題。
日本の自然。
そして自分。
藤原は2011年に渋谷のスクランブル交差点の上のデジタルサイネージに「死ぬな生きろ」と映し出した。
ヒトの命には80年というタイムリミットが仕掛けられてる。たった一回の短い人生なのだから死んだがごとく生きるなという意を込めたという。
私は違和感を覚えていた。
そんな風に人生を全うできる人なんてほんのわずかなある意味恵まれた人だけだ。大半は気が付いたら生まれていて生殖を終えたらあっという間に死んでいく。おまけに、そのある意味恵まれた人たちだってどれほど大活躍有名高名であろうと本人が死んで縁の人たちも死ねば99・9%はすぐに忘れ去られる。でもそれが生き物本来の姿なんだと。
それから間もなく天変地異。そして予想だにしなかった疫病。そして戦争。
かみさまはいるのかいないのか。
私も問い続ける。