下り坂な空模様。
東京都現代美術館。
MOTアニュアル2023「シナジー、創造と生成のあいだ」。
会期は2023年12月2日~2024年3月3日。
「MOTアニュアル」は1999年に始まり、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズ。
19回目の今回は、アーティストの想像力や手仕事による「創造」と、近年、社会的注目を集めるNFTや人工知能、人工生命、生命科学などのありようを反映するかのように自動的に生まれる「生成」とのあいだを、11組のアーティストによる約50作品を通して考察する。
という。
後藤映則の屋外展示。
美術館広場でクルクルと回る回る。
今回の展示は、通常のご挨拶の他に生成AIによって作成された3通りの挨拶文が展示される。
荒井美波。
荒井美波(1990~)は、デジタル技術の普及にともない「文字を書く」行為が変化したことから、行為の軌跡である直筆原稿に着目し、活字に置き換えられた文学者ら(太宰治、夏目漱石他)の直筆文字を針金で書き順通りに立体化する作品を展開。今回の展示は、荒井自身に内在するデジタルと手わざの往来。
屋外展示の後藤映則。
後藤映則(1984~)は、原初的な映像メディアと現代のテクノロジーを往来し、動きや時間、目に見えない事象やフィジカルとデジタルの関係性に着目した作品群を発表する。3Dプリンタとスリット光源によるオブジェやコロナ禍を経て人々が向かう先を問いかける。
(euglena)。
(euglena)は1993年に中華系タイ人とペルー生まれの日本人の両親のもと日本に生まれ東京で活動する。「無垢に自身を再認識する」をコンセプトに、タンポポの綿毛で構築された、人工的な動力に拠らないインタラクティブ作品を制作し、心理学や身体をテーマとする作品も手掛ける。今回の展示は、種にならなかった綿毛を使用。テクノロジーのサイクルとは違う時間の流れを可視化しようと試みる。
館員さんたちが懐中電灯で照らさなければ目が慣れないうちは暗闇な空間に繊細が上に繊細な作品たちがケースに入って並ぶ。そのデリケートさゆえに会場での撮影は禁止にしているけど、QRコードで導く。
(euglena)のこの方法は大丈夫なんかいな?とも思う。
いままで撮影可能だった美術館やギャラリーが次から次へと撮影禁止、あるいは全体風景以外の作品の個別撮影を禁止するようになってきている。
写す方のモラルが完全に崩壊してしまっているのだ。
盗用剽窃なんて日常茶飯事。
犯罪といっていいことすらある。
それをあえてある意味やりやすい形で公開しているのだ。
ん・・・
なるほどに「創造と生成のあいだ」。
かも。