黄金町界隈には野良猫がたくさんいたのだけど、今は地域猫活動によって、猫たちは去勢手術を受け充分な餌と暖かいねぐらを提供されている。
でも実にドライな猫たちだから餌をくれる人以外には基本的に媚びを売ることはない。私も写真を撮る以上のことを望んだことはない。
移動途中にうっせいババアのカメラに捕まってしばし立ち止まり、また移動していくトラ。
と?
ニャーニャーとちょっと甘えた鳴き声がした。
餌をねだっているのかな。でも餌時間は決まってるからもらえんだろとそっと覗き込んでみたら・・・
へ?
なんと・・・
寝そべっていたミケ、見るからに体調が悪い感じのミケにむかってニャーニャーと鳴いているのだ。
どう見ても、寝込んでしまったミケの体調を心配して見舞いに来たようにしか見えない。
ミケの方も、すまんな、という感じだ。
まさかね。まさか。
私はヒトも含めて動物の行動は餌と繁殖だと思っている。
何とかショーで人間と動物の息が合っているように見えても、必ず人間の手には何かしらの食べ物が握られているものだし、そういうものなのだ。
なのだ。
な、はずなのに、なんだ?この行動?
ん・・・
もしかして、童話とかってこういう時にできるものなのかもしれない。
餌は身過ぎ世過ぎ。
どんな生き物も本質は崇高なものなのかもしれない…
なんぞと、バカバカしくメルヘンチックなことを思ったりもした昼下がり。