雲一つ無い快晴のままに日が暮れた。
夜も暖かい。

今宵の甘味はとらやさんの春の夢。
この薯蕷饅頭は、中国の故事「胡蝶の夢」にちなんで名付けられたようだ。とらやさんの生菓子はそれぞれに初出年代がある。ようだというのは、この春の夢の初出年代が大正7年だから。

今日みたいな夜はカフェインの少ないお茶にしたいのだけど、和菓子はやっぱり煎茶か抹茶が欲しい。
あれだ。茶器の名称がわからない。絞り出し急須の湯呑タイプとでもいうのか、茶こし付き湯呑みとでもいうのか。どこだかで煎茶の飲み比べセットというのをお願いしてみたら、その茶器で出てきた。こんなのあるんだ。面白いなと思ってたら、茶の葉さんのバーゲンで同じタイプの茶器があった。安かったから買っておいた。でも、そういえば茶の葉さんのスタッフ氏とのやり取りでこの茶器の名称は出てこなかったな。もしかしてスタッフ氏もなんと呼んでいいのかわからなかったのかも。
ま。煎茶と湯をいれてそのまま飲む。

口直しに三年熟成番茶。

ふう。
胡蝶の夢か。
春になれば冬は幻。
なれど今年はいささか早すぎるかな。
