3月からいよいよマスクとさよならできそうだけど、観光地はどこも国内外からの観光客でごった返すだろうな。
その前に鎌倉の神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。
そこかしこに梅が咲く。蝋梅が咲く。
若宮大路の桜はまだまだだけど気のせいか枝がピンクに見える。
神奈川県立近代美術館鎌倉別館。
「美しい本ー湯川書房の書物と版画」。
会期は1月21日~4月16日。
湯川書房は、装幀や製本に意匠を凝らした限定本を出版し、2008年に活動を終わらせた。
小川国夫、加藤周一、谷崎潤一郎、辻邦生、車谷長吉などの作品を、版画家の木村茂、岡田露愁、柄澤齊や染色家の望月通陽や画家の戸田勝久など当時の気鋭の美術家の作品とコラボさせた、独創的な限定本を出版した。
展示室の撮影は禁止。
美術館の公式HPから画像をお借りしたが、展示された実物は、経年による色褪せ等があるにもかかわらず、それはそれは美しく、それはそれは魅力的だった。
こんな本が並んでいたら、私はたぶん読むというより眺めて楽しむために買っちゃうんだろうな。
今は本屋さんに入っても、装幀や挿絵や活字そのものに惹かれることはまずない。
美術館のショップで販売してる中にごくたまにあるかないか。
かな。
水仙が咲く。
モグラがあちこちにポコポコと土の小山を作る。
エネルギッシュなモグラの土盛りをぼんやりと眺めていた。
そのうちにもしかして、紙の本は美術品として作られ扱われおいそれとは手が届かない時代になるんだろか、とか、とりとめのないことが浮かんでは消えた。
いつまでたってもどうにも電子書籍に馴染めそうにない自分がそこにいた。