きらくなたてものや

楽しむ、楽しい、いえづくり、まちづくり

材木と緑

2012年03月28日 | 葉山と邸
今日久しぶりに、
所用で葉山と邸に行くと、

ちょうど植木職人が
植木を植えているところでした。

元々想定していた場所に加え、
さらに多くの木を
植えられていたのですが、

やはり緑が多いと
木の家が引き立つな、と
改めて感じました。

私たちは、
木の枝葉を切り落とし、
製材したものを使って
家を建てるわけですが、

削ぎ落とされた木の集積と
元々木にあったはずの緑が
敷地の中で再会することにより、

「木」の要素が
全て一つの絵に納まり、
絵としての構成が
落ち着くのだと思います。



温室のよう

2011年12月13日 | 葉山と邸
今朝所用で、葉山と邸へ。

南面に大きな開口のあるこの家は、
この季節、陽の光をたくさん取り込み、
その熱を土壁が蓄えて、
温室のようにとてもあたたかったです。

朝、コチラは着込んで訪れたのに、
建主さんはTシャツ姿で
お出迎えしてくれたほどです(笑)。

海辺に近い、
葉山ということもありますね。


「温室」と言えば、
湘南に住む人はよく、
温室育ち、と言われますが、

このあたたかさ、

自分はいっこうに、
それでかまいません(笑)。

確かにこのまちは、
おだやかに走る車が
多い感じがします。



クリの床

2011年12月07日 | 葉山と邸
葉山と邸の床板は、
基本的に足触りのよいサワラですが、
書斎のみクリの板にしました。

書斎で使う椅子は、
キャスター付きのものが
多いかと思いますが、

そんな椅子だと、
サワラは傷みやすいのです。

クリでも全く傷まないわけでは
ないんですけどね。

とはいえ少しでも
堅い木のほうがいいということになり、
クリの板を選びました。

ということでこの家は、
柱と梁、そして床板と、
随所にクリの木を
使っています。



引き渡す

2011年12月06日 | 葉山と邸
今朝、完了検査の済証を受け取り、
そのまま現場に直行。

私は建主さんと
引き渡しのための
打ち合わせをしつつ、

所員たちの手で、
「現場」の風情だった建物の中を
「家」に仕立て上げました。

夜8時前には作業が終わり、
初めてゆっくりと
家の中で腰をかけたような
気がします。

しかしそれも束の間、
明日の朝から早速、
ここで新たな生活が始まります。

これまでの8ヵ月のように、
もう勝手に玄関を潜ることは
できません。

そう考えると、
充実感というよりは、
やはり寂しい気持ちで、

物憂げに光る駐車場を
後にしました。



家具二点

2011年12月06日 | 葉山と邸



スギの造作家具を
木組みの中に
嵌め込みました。

割と廉価な家具ですが、
柿渋色を施したので、
スギの‘うるさい’感じが消え、
落ち着いた雰囲気の
家具になりました。







ナラと鉄の食卓。

野趣溢れる形状の
厚いナラの天板に、

至極シンプルな
鉄の四本脚を
付けただけです。

作り方がシンプルですので、
存在感の割に、
製作費はお手頃です。

今日で大工はおしまい

2011年12月05日 | 葉山と邸
今日大工は、
階段の手摺を付けたり、
残りの板を貼ったり、
補修したりと、
細々とした作業で
現場の中を
夜遅くまで奔走、

そしてついに仕事が
一通り終わり、
今日で現場を
離れることとなりました。

まだ若干、
他の工事が残っていますが、
明日いよいよ引き渡し。

充実感と寂しさが
交錯する時です。



新旧‘JAPAN’の木組み

2011年12月04日 | 葉山と邸
家の中に入ると、
一番目立つところに
手のひらを広げた程度の太さの
クリの柱が立っています。

それ以外の柱・梁は、
2本の例外を除き、
ほとんどが柿渋を塗ったスギ。

クリは縄文文化が花咲いていた頃、
落葉広葉樹林で覆われた日本で、
建築用材として最も使われた木、

そして時代が遡り、
農耕文化が始まると、
建築用材の主流はスギへ。

実は例外のうち、
1本はクリの梁なのですが、

この家の木組みは、
縄文のクリと、
弥生以降のスギという、

時代を超えた‘日本代表’の
木によるものです。

ところで、
こうして太古の昔に
思いを馳せてみたものの、
当時はノコギリもなければ、
カンナもない。

基本的には石を道具に
建築を作っていたわけで、
その労力は、
想像を絶するものだったと
推測されます。

だからこそ
一本一本を大事に
使ったのでしょうね。

時代で比較すると、
こうした感謝の気持ちに
気づいたりもします。