チャーハンは、わりと、よく作る。好きだからということもあるが、短時間で作れるから。
外食では、ほとんど食べない。自分で作るチャーハンのほうが、美味しいから。好みの味付けにするから当然だけれど、エビとかカニが入ったチャーハンが嫌いだから。
私が好きなのは、豚肉か鶏肉入り卵チャーハン。具材は玉ねぎやニンジンやピーマンやキャベツのうち、冷蔵庫にある物を2~3種類。豚肉はロース、鶏肉はモモ。あとは、ワカメ・スープ。
先日、生まれて初めて、キムチ・チャーハンを作って食べた。私にとって一大事件と言っていい。キムチ・チャーハンを食べるなんて、私の人生で、あり得ないという思い込みがあったからである。
きっかけは、姉との電話。用件の話を終えた後、テレビのワイドショーの話題、そして最後に、「今夜、何食べるの?」と聞いた。
その質問は、姉からされたことは1度もなく、いつも私のほうからである。何か、参考にしたいという気持ちと、料理を作るモチベーションを得たいため、と言ったら、ちょっとオーバーだけれど。何しろ私は料理教室も料理学校も通ったことはないが、姉は結婚前の若い日、短期間だが料理学校に通ったので、料理も上手でレパートリーも広い。レストランで食事を共にすると、注文料理を見て味わって細かいことをいろいろ言う。
その日の電話で、姉が、
「キムチがあるから、キムチ・チャーハン作るわ」
そう言ったのである。それを聞いた私、
「ええええええっ!! キムチ・チャーハン?!」
と、驚愕の声をあげたのは、それって美味しくなさそう、と思ったからだった。姉は反発。
「ああら、美味しいのよう。食べたことない? キムチ・チャーハン」
「ないわ」
たとえば、連れと一緒にレストランでメニューを広げて、キムチ・チャーハンの文字を眼にしても一瞬だけ。全く食欲をそそられない。
「キムチの他に、何入れるのオ?」
半信半疑の口調で聞く。
「レタスが余ってるから、レタス入れるわ」
またしても、「えええっ!!」である。レタスは、あまり好きではない。嫌いではないから、食べられるけれど。サラダなど生で食べると、レタスのあの何とも中途半端な感触と噛みごたえが、好きになれない。同じ生で食べるなら、キャベツのほうが好き。レタスは1年に1回買うか買わないかという程度だが、キャベツはいろいろな料理に使えるので、週に1回は買う。
それまで私は、レタスは生で食べるもので、炒めるという発想がなかった。
「レタスって炒めて食べたことないけど、ホントに美味しいのオ?」
またしても半信半疑。
「あら、炒めたことないの? 美味しいわよ」
「そう言えばキムチが余ってるから、今度作ってみるわ」
その後、チャーハンを作る時、フライパンに卵を先に入れるか、ごはんを先に入れるかについての話を延々と。
私はごはんを先に入れてから卵を入れて、からめる作り方。姉は卵を先に入れてから、ごはんにからめる作り方。2人とも、長年、その作り方だった。
翌日、スーパーへ行く日だったので、今年初めてレタスを買って来た。
時々、私は『cookpad』のサイトを見て参考にするが、チャーハンの具材にキムチとレタスと豚肉なんて書いてあったら、美味しくなさそうとパスしたと思う。
その翌日、キムチとレタスと豚肉入り卵チャーハンを作ってみた。他に何か余り物を入れてもいいと聞いたが、合いそうな具材がないので、それだけ。ついでに、試すつもりで、卵を入れてから、ごはんを入れてからめる、という姉の作り方をしてみた。すると――。
全く思いがけないことに、美味しいチャーハンができたのである! 炒めたレタスは生で食べるより噛みごたえがあって美味しいし、キムチと卵なんて合うかしらと思っていたら、特に好きというわけでもないキムチが、卵とも豚肉ともレタスともちゃんと合って、本当にまさかの美味しい美味しい卵チャーハンが作れたのである!
(人生って、思い込みを捨てて発想を変えてみると、いいことがあるんだわ)
思い込みが強い性格を自覚しているが、そのことを発見した。人生って、驚きと発見の連続である。
外食では、ほとんど食べない。自分で作るチャーハンのほうが、美味しいから。好みの味付けにするから当然だけれど、エビとかカニが入ったチャーハンが嫌いだから。
私が好きなのは、豚肉か鶏肉入り卵チャーハン。具材は玉ねぎやニンジンやピーマンやキャベツのうち、冷蔵庫にある物を2~3種類。豚肉はロース、鶏肉はモモ。あとは、ワカメ・スープ。
先日、生まれて初めて、キムチ・チャーハンを作って食べた。私にとって一大事件と言っていい。キムチ・チャーハンを食べるなんて、私の人生で、あり得ないという思い込みがあったからである。
きっかけは、姉との電話。用件の話を終えた後、テレビのワイドショーの話題、そして最後に、「今夜、何食べるの?」と聞いた。
その質問は、姉からされたことは1度もなく、いつも私のほうからである。何か、参考にしたいという気持ちと、料理を作るモチベーションを得たいため、と言ったら、ちょっとオーバーだけれど。何しろ私は料理教室も料理学校も通ったことはないが、姉は結婚前の若い日、短期間だが料理学校に通ったので、料理も上手でレパートリーも広い。レストランで食事を共にすると、注文料理を見て味わって細かいことをいろいろ言う。
その日の電話で、姉が、
「キムチがあるから、キムチ・チャーハン作るわ」
そう言ったのである。それを聞いた私、
「ええええええっ!! キムチ・チャーハン?!」
と、驚愕の声をあげたのは、それって美味しくなさそう、と思ったからだった。姉は反発。
「ああら、美味しいのよう。食べたことない? キムチ・チャーハン」
「ないわ」
たとえば、連れと一緒にレストランでメニューを広げて、キムチ・チャーハンの文字を眼にしても一瞬だけ。全く食欲をそそられない。
「キムチの他に、何入れるのオ?」
半信半疑の口調で聞く。
「レタスが余ってるから、レタス入れるわ」
またしても、「えええっ!!」である。レタスは、あまり好きではない。嫌いではないから、食べられるけれど。サラダなど生で食べると、レタスのあの何とも中途半端な感触と噛みごたえが、好きになれない。同じ生で食べるなら、キャベツのほうが好き。レタスは1年に1回買うか買わないかという程度だが、キャベツはいろいろな料理に使えるので、週に1回は買う。
それまで私は、レタスは生で食べるもので、炒めるという発想がなかった。
「レタスって炒めて食べたことないけど、ホントに美味しいのオ?」
またしても半信半疑。
「あら、炒めたことないの? 美味しいわよ」
「そう言えばキムチが余ってるから、今度作ってみるわ」
その後、チャーハンを作る時、フライパンに卵を先に入れるか、ごはんを先に入れるかについての話を延々と。
私はごはんを先に入れてから卵を入れて、からめる作り方。姉は卵を先に入れてから、ごはんにからめる作り方。2人とも、長年、その作り方だった。
翌日、スーパーへ行く日だったので、今年初めてレタスを買って来た。
時々、私は『cookpad』のサイトを見て参考にするが、チャーハンの具材にキムチとレタスと豚肉なんて書いてあったら、美味しくなさそうとパスしたと思う。
その翌日、キムチとレタスと豚肉入り卵チャーハンを作ってみた。他に何か余り物を入れてもいいと聞いたが、合いそうな具材がないので、それだけ。ついでに、試すつもりで、卵を入れてから、ごはんを入れてからめる、という姉の作り方をしてみた。すると――。
全く思いがけないことに、美味しいチャーハンができたのである! 炒めたレタスは生で食べるより噛みごたえがあって美味しいし、キムチと卵なんて合うかしらと思っていたら、特に好きというわけでもないキムチが、卵とも豚肉ともレタスともちゃんと合って、本当にまさかの美味しい美味しい卵チャーハンが作れたのである!
(人生って、思い込みを捨てて発想を変えてみると、いいことがあるんだわ)
思い込みが強い性格を自覚しているが、そのことを発見した。人生って、驚きと発見の連続である。
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