『江戸を歩く会』というサークルに参加した。東京の史蹟を探訪する会で、何十年も続いていて、会員の最高年齢92歳の歴史通の人ばかり。あるパーティで親しい知人から紹介された、その会のリーダー男性Kさんから『江戸を歩く会』のことを聞かされ、興味があったら参加してみないかと誘われた。後日、例会の通知と簡単な資料が郵送されてきたのである。
その日は、根津と谷中周辺を歩いたが、歴史に興味を持ち始めて日の浅い私にも、とても有意義で楽しいひとときだった。
歴史散策の後は、千駄木の居酒屋で飲み会。
6つぐらいあるテーブル席のどこに座ればいいのかと迷う私を、Kさんが手招いた。
そのテーブルを囲む6人の中で、女性は私だけなので、お酌したり、鍋の中の料理を取り分けたりしていたら、
「ここに座ったからといって、そんなにサービスしなくていいんだよ」
Kさんから、そう言われた。
「あら、ここは女1人で紅一点だから、皆さんにサービスしてもらえると思って座ったんですけど」
と、冗談を返したら、皆クスクス笑って、ビールや日本酒を次々と私のグラスや盃に注がれてしまった。
初参加の私も、打ちとけて話が弾み、時々、席を入れ替わった。
ある男性会員が、
「やっぱり、色っぽい女性が隣に座って、お酌してくれると、男は幾つになっても胸がときめくよねえ」
そう言うと、別の男性会員も、
「このトシになって、あっちの行為は卒業しても、男は卒業、ってわけにはいかないんだよねえ」
と、シミジミした口調。セックスと、異性への胸のときめきは別──と、それこそ、男性はロマンティストの証かもしれないと思った。
その日は、根津と谷中周辺を歩いたが、歴史に興味を持ち始めて日の浅い私にも、とても有意義で楽しいひとときだった。
歴史散策の後は、千駄木の居酒屋で飲み会。
6つぐらいあるテーブル席のどこに座ればいいのかと迷う私を、Kさんが手招いた。
そのテーブルを囲む6人の中で、女性は私だけなので、お酌したり、鍋の中の料理を取り分けたりしていたら、
「ここに座ったからといって、そんなにサービスしなくていいんだよ」
Kさんから、そう言われた。
「あら、ここは女1人で紅一点だから、皆さんにサービスしてもらえると思って座ったんですけど」
と、冗談を返したら、皆クスクス笑って、ビールや日本酒を次々と私のグラスや盃に注がれてしまった。
初参加の私も、打ちとけて話が弾み、時々、席を入れ替わった。
ある男性会員が、
「やっぱり、色っぽい女性が隣に座って、お酌してくれると、男は幾つになっても胸がときめくよねえ」
そう言うと、別の男性会員も、
「このトシになって、あっちの行為は卒業しても、男は卒業、ってわけにはいかないんだよねえ」
と、シミジミした口調。セックスと、異性への胸のときめきは別──と、それこそ、男性はロマンティストの証かもしれないと思った。