真面目な男性が好きである。私自身が真面目だからだ。ベッドの中ではエッチしても、行儀のいい男性のほうが好き。私自身が恥ずかしがり屋だからだ。
そう言ったら、女友達が吹き出して、
「ま、自分で自分のことを、どう思おうと勝手だからね」
と、ニヤリとする。
「聞き捨てならないわね。どういう意味?」
ムッとして聞くと、
「真面目な男が好きなのは、不真面目な要素のある女。ベッドで恥ずかしがり屋なのは、実はふしだらな淫乱女の要素の一つ」
彼女は、そう言うのだ。
「し、失礼ねっ、あたしが不真面目で、ふしだらで……い、淫乱だって言うの!?」
怒りで頭に血がのぼった私は、絶交宣言を口にしそうになった。
「そういう要素が秘められてるってこと。確かにあなたは、片っ端から男と寝るような、ふしだら女には見えないけど」
「男性からよく、身持ちの固い女って言われるの、うふ」
アルコールが入った時の男性のセリフだが、本当である。
でもね、と女友達は言葉を続ける。
「身持ちの固い女って、実は逆に、歯止めがきかないくらい淫乱好色女になってしまいそうな自分と、たたかいながら生きてるんじゃないかしら」
私は言葉を返せなかった。ふだんの私は、人と会っている時、
「男性やセックスになんか、ちっとも飢えてないわ」
と、澄ました顔をしながら、帰宅して入浴して、一人で寝るには広過ぎるベッドで、
(もうもう、こんな寂しい夜はイヤッ、明日から生き方変えよう! 男性の知人友人に片っ端から電話して、今夜はあの彼、明日は別の彼と、お酒も食事もベッドも共にして遊びまくってやる!)
と、実現しそうにない願望に、夜ごと悶々として身も心も熱くしているのだから。
そう言ったら、女友達が吹き出して、
「ま、自分で自分のことを、どう思おうと勝手だからね」
と、ニヤリとする。
「聞き捨てならないわね。どういう意味?」
ムッとして聞くと、
「真面目な男が好きなのは、不真面目な要素のある女。ベッドで恥ずかしがり屋なのは、実はふしだらな淫乱女の要素の一つ」
彼女は、そう言うのだ。
「し、失礼ねっ、あたしが不真面目で、ふしだらで……い、淫乱だって言うの!?」
怒りで頭に血がのぼった私は、絶交宣言を口にしそうになった。
「そういう要素が秘められてるってこと。確かにあなたは、片っ端から男と寝るような、ふしだら女には見えないけど」
「男性からよく、身持ちの固い女って言われるの、うふ」
アルコールが入った時の男性のセリフだが、本当である。
でもね、と女友達は言葉を続ける。
「身持ちの固い女って、実は逆に、歯止めがきかないくらい淫乱好色女になってしまいそうな自分と、たたかいながら生きてるんじゃないかしら」
私は言葉を返せなかった。ふだんの私は、人と会っている時、
「男性やセックスになんか、ちっとも飢えてないわ」
と、澄ました顔をしながら、帰宅して入浴して、一人で寝るには広過ぎるベッドで、
(もうもう、こんな寂しい夜はイヤッ、明日から生き方変えよう! 男性の知人友人に片っ端から電話して、今夜はあの彼、明日は別の彼と、お酒も食事もベッドも共にして遊びまくってやる!)
と、実現しそうにない願望に、夜ごと悶々として身も心も熱くしているのだから。