一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

去ってしまった春

2016年05月02日 | 最近のできごと
 今年の春は季節感を楽しめなかった。一年で一番好きな季節なのに、うれしいナうれしいナとピョンピョン飛び跳ねたくなるような喜びに包まれなかった。
 いつの間にか春になり、いつの間にか春が去ってしまった。
 お花見も行かず、近所の公園の満開の桜を、外出時の通りがかりに見て楽しむ気分も味わえなかった。
 いつの間にか桜が咲き、いつの間にか桜は散ってしまった。
 心理的にも行動的にも慌ただしい日々で、ビデオの映画を観ても本を読んでも完全に熱中できなかった。パソコンに向かっても家事をしても入浴しても、絶えず頭の隅に雑念が湧きあがるという状態で、日にちや時間が気になるという制約にとらわれているような生活だった。
 人生で、私が最も嫌いな、制約。制約のある生活、制約のある人生は避けたいと、そう思って生きてきたのに。
 完全にではなくても制約の少ない生活だからこそ、心身共に健康で過ごせる、はずだった。
 幸運なことに、肉体的には健康だった。今年の冬も風邪をひかなかったし、筋肉痛や腹痛もなかったし、花粉症にもならず、食欲は普通、標準体重は維持。寝付きの悪い日はあっても、毎夜、熟睡できた。夜中に目が覚めない体質だから、8時間ぐっすり眠って朝の起床時にはリフレッシュした意欲が湧いた。
 精神的には、その日によって程度の差はあるが、昨秋以降の情緒不安定が続いた。感情に波があり、思い出すと涙があふれ止まらなくなったり、泣き止んで深呼吸し、新たな希望を持ったりの繰り返し。情緒不安定なのに、よく眠れるというのは矛盾しているようだが、その感情の波立ちをかろうじて和らげている要素の1つが、私にとっては睡眠かもしれないと気づいた。それで、睡眠時間の不足がある夜は、翌日の午睡で補った。
 頻繁な外出と電話とメールのやり取り。パソコンに向かうと、ブックマークのネット情報記事を延々と読んだり、文書をまとめたり。その日のいくつもの予定をこなしきれず、原稿の締切と同じくらいか、それ以上の制約と累積ストレスで、よく体調不良にならなかったものだと思う。
(こんな日が永遠に続くわけじゃないわ)
 そう自分に言い聞かせ、この時期のストレス解消法は、モーツァルトを聴きながらスマホ・ゲームを楽しむことだった。長時間向かったパソコンを離れて、または外出前や帰宅後、就寝前など、1日に1時間から2時間ぐらい。脳と精神と心が安まることを自覚した。ゲームしながら聴くモーツァルトのBGMは、最高の癒やし&安らぎ&ストレス解消になった。
 そんな日々にも初めての経験や新鮮な体験もあって、ワクワクさせられるような心弾むひとときもあり、
(人生って、こういうものなのね)
 と、運命にも宿命にも神様にも感謝したくなるような、そんな日々だった。



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