一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

マンション管理組合

2024年04月14日 | 最近のできごと
 転居したばかりのころ、郵便物がドッサリ送られてきた。インターネットを利用するようになって以降、メールの通知がほとんどだから、郵便物は少なくてラクだった。20数年も慣れていたので、小説とメールとネット記事の文章以外は読みたくない私にとって、〈ドッサリ郵便物〉は小さなストレスだった。
 ガス・水道・電気などのライフラインは居住区が変わるとネット上での更新をしなければならず、行政機関や税金も新たに書類で届ける必要があったり、宅配ボックスは新規登録のため、メールと書面の手続きとカード受け取りと代金振込用紙が送られたり、何故かダイレクトメールもよく送られて来た。DMはすべて、開封しないで〈受取拒否〉のメモをセロテープで貼り付け、ポストに投函すれば郵送されなくなる。20年近く、そうしていたので、DMはほとんど来なくなり安心していたのだが、新居の住所を何から知って郵送されるのか不思議だった。リフォーム会社や不動産関連のDMが多く、片っ端から未開封のまま〈受取拒否〉のメモを貼り付けてポストに投函していたし、管理会社・ライフライン関連・税金関連、あちこちへの住所変更届の書面などの郵便物は、数か月でなくなって落ち着いた。住所変更届は住民票添付で返送だから、その都度、区役所の出張所へ取りに行く煩わしさがあった。オンラインでも可能だが、個人情報なので書面の提出を選択した。
 現在でもよく郵送される郵便物に、管理組合からの通知がある。
 マンションの維持と管理を行う組織が、居住者で構成される管理組合で、法律による義務付けがあり、その管理状況はマンションの資産価値に影響する。住み替えの活動は1年2か月かかったが、不動産営業担当者との相談の際の〈希望条件〉で、居住区域やセキュリティや広さや向きなどなど、15項目の中の1つに管理のことも含めていた。管理会社と管理組合の活動状況のことで、内見前に、管理規約と管理組合の活動状況の書類を営業担当者が管理会社から法的定めにより取り寄せて、添付メールしてくれる。それに眼を通すのが大変だった。現在のマンションはその書類の量が、予想以上にというより極端に多く、その理由が住んでから納得した。
 取り出した郵便物を歩きながら1つ1つ、ざっと確認して行くと、
(ま~た、来た)
 と呟き、感心したくなったのが、管理組合理事会報告書。管理会社からは転居後しばらくだけで最近はほとんどないが、管理組合理事会報告書が、何と毎月郵送されるのである。
(理事会を毎月、やっているなんて!)
 3か月か4か月ごとぐらいが一般的だと思うが、毎月とは驚きだった。
 その報告書の枚数が結構多く、毎回、何とA4記録紙10ページぐらいある。
 さらに驚愕したのは、管理組合理事会報告書は、管理会社のフロントマンが作成するのが一般的なのに、理事長が作成しているのである。
(そう言えば内見前に取り寄せた管理規約と管理組合の活動状況の書類が、どっさりとあったわ)
 といっても管理規約は分譲時の管理会社による作成。管理組合の活動状況は大規模修繕その他の記録もあるが、管理組合理事会報告書は含まれていない。
 小説とメールとネット記事の文章以外は読みたくない私だが、もちろん大事な書類だから、毎月郵送される管理組合理事会報告書は眼を通す。
 ――第〇期第〇回理事会報告書 地区の会館会議室 役員名 理事長 副理事長 理事 監事 大規模修繕委員3名 管理会社2名 メーカー担当者1名 オブザーバー3名――
(オブザーバーまでいるなんて)
 と驚かされたが、大規模修繕関連の専門家もいるらしい。出席者が20数名とは、戸数が小規模と中規模の中間のマンションにしては多い人数に感じられた。
 最後に3か月先までの毎月の理事会予定日まで記載されている。
 けれど――。
 最近の報告書に、理事会の役員希望の人は名前を記入して理事長に届けて下さいとあり、
(輪番制じゃないんだわ、良かった~)
(何て理想的! 理事会役員は希望者がなるなんて!)
(そうよ! 輪番制で仕方なく理事になるのではなく、意欲のある人希望する人がなるのが一番いいわ!)
 たいていは理事長は立候補、役員は輪番制である。以前のマンションでは約10年に1回輪番が廻ってきた。1回目の時は監事で、管理費・修繕費の年間入出金明細の書類を20㎝ぐらいの厚さで理事長から渡され、
「えええええっ、これ全部ううう~!?」
 思わず驚愕の声を上げてしまった。数字の羅列に弱いというか見るのが嫌いで不得意な私。イチジュウヒャクセンマンと呟かなくては桁数の金額の把握もできない。当然、渡されてすぐになどできるはずもなく、キッチンのカウンターの上に乗せたままにしておいたら、遊びに来た友人が、何これと呟くので、「監事だからこれ見て確認するんだって、数字の羅列って嫌いなのに、嫌だわ、どうしようどうしよう」と半泣き口調で言ったら、「見てあげる」と言い、帰り際に書類を持って行ってくれたので助かった。
 2回目は監事ではなく理事。10数名が集まってさまざまな議案の相談をするが、大半のマンションのように、会の進行は管理会社のフロントマン、理事会報告書もフロントマン作成だった。
 その以前のマンションは管理組合はなく、すべて管理会社に委託だった。
 マンションによって管理会社も管理組合もそれぞれである。
(あの理事長さんが頑張ってくれているのね)
 初印象はとても良かった。初めて会ったのは引っ越し当日。タクシーで新居のマンションに到着した時、何とエントランスに立っていた男性が歩み寄って来て、「理事長の〇〇です」と声をかけて来たので、私も名乗って丁寧な挨拶。内心、
(理事長さんのお出迎え!)
 と感激してしまった。時刻は夜の7時台。夕食後くつろぐ時刻に、わざわざ私のためにと思いがけなかったのだった。
 エントランスは比較的広い。外に到着したばかりの引っ越し業者が他のスタッフと電話連絡を取ったり何かしている間、理事長さんと少し世間話をした。
(感じのいい人)
 穏やかで、にこやかで、人柄が良さそうという印象。
 ところが、引っ越し業者のリーダーの人がエントランス内に入って来た時、理事長さんが、
「台車は使わないで下さい。床が傷(いた)むから。弁償して貰うことになるから」
 と、やや厳しい口調で言った時は驚かされた。 
(私の出迎えじゃなかった! 引っ越し業者に注意する目的があったのだわ)
 そう気づいた。断捨離し尽くしても、ダンボールは200コ以上。特に本と衣類が多かった。搬出は4人、搬入は6人のスタッフ。引っ越し業者のスタッフさんたちは全員、体格が良く、親切でやさしくて感じのいい人ばかりだったが、台車の使用を禁じられ、ダンボールを腕や肩の上に抱えての搬入作業は大変だったと思う。
(温厚そうだけれど厳しそうな人)
 と、理事長さんの口調にそう感じたが、その後、道路で出会って少し話した時も、感じの良い人という印象は変わらず、
(管理組合は理事長さんが頑張ってくれているのね)
 と、つくづく安堵している。

 
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