案内を送ったら、ここ2、3年取引の途切れていた取引先からも連絡があって、その得意先向け在庫品を全部引き取りたいと申し出があった。買い手が減ってる今、工場を閉める会社も多々あり、時機を逸してズルズルと3年間事業を引き伸ばしてきたがいよいよ限界まで来た。東日本の震災で大打撃を受け、それでも規模を縮小して続けてきたが、このコロナ感染症でモノが動かなくなり、薄利多売の工場を持つ大卸商としては、絶えず商品の在庫を抱えなければならず、ごっそり在庫品が山になって残ってる。
工場が廃業していくので今までなら多少とも動いたのだが、コロナ感染症は飲食だけでなく、外出規制や密などで工場の作業の手も止めて仕舞ったので今回の決心に至ったのである。
特殊商品が多く一般には手に入らないので、製造できる工場も元々少ない。工員さんもHASSANと同年代か数年先輩の高齢者が多く、跡継ぎがほとんど居ないので減っていく一方なのだ。
とにかく在庫数を調べて担当者に返事することになった。工場を調べると加工したままで商品化していない半製品が200kgほどあった。担当者に連絡してから商品にするか廃棄処分するか決める。特殊モノを扱う大卸商が無くなると問屋、強いては需用家が困ると思うがのだが、もう少し早くに買ってもらってたら仕事は続けていたと思う。続けてももう2、3年だと思うが。。。。
自社で製造できない商品は[見本]を持って工場を訪ね歩くのだ。数量が小ロットで硬い材料の特殊な製品等は小ロットでも材料を引いてくれる工場を見つけてから、加工工場を訪ね歩くしかないのだから手間が掛かる。一概に「工場を紹介して」と言われるのだが、継続注文するなら兎も角も数年毎に最小ロットの注文なので、実際のところ「無い」としか答えようが無い。
事業から撤退する以上電話も廃止する。「今止められたら困る」と言う会社がすでに数社あり、担当者には新しい連絡先(自宅電話番号)を渡した。動ける間の2年間はボケ防止のためにも製造工場を探す約束もした。
数年毎に最小ロットの注文では申し訳ないと思うので、紹介したからにはその工場とだけ繋がっていて欲しいと思い、現在の取引工場を紹介するか、数年後になってHASSANが製造工場を探すか、どちらかを選択して欲しいと連絡した。
特殊商品は11月中なら引受けるが、通常の在庫品は完売したら追加製造はしないと決めた。造った商品がスクラップとして廃棄するのは見るに忍びない。