<前回から続く>
さて油壺マリンパークと三崎エリアの日帰りおでかけ。
三崎口駅に戻ってきて後は帰るだけ。
今回は残りの部分と、油壺マリンパークの閉館発表と京急の神奈川新町事故について雑感を記します
さて三崎口駅18時25分発の電車で帰るとします。
2つドアで2人掛けシートが並ぶ2100形が三崎口発着の快速特急に使われるのは平日は概ね日中時間帯のみなのでフルに三崎エリアで楽しもうと思うと行きも帰りも乗れませんね
ホームに立つマリンパークPRの立て看板。今風のデザインですね。
三崎口駅から40分ほど乗って上大岡駅に。まぐろきっぷは途中下車自由なのでせっかくなので上大岡に寄っていくことに。
京急百貨店のガチャコーナーの奥に電車の運転台を模したモッグアップのようなものが・・
そういえば三浦海岸駅にも似たようなものがあったような(これは三浦海岸駅)
今はお店は20時閉店なのであまりゆっくり見ている暇もなく・・上大岡で降りたのもあまり意味がなかった状態。
上大岡から横浜までは都営浅草線の新型車(5500形)の羽田空港行きの急行に乗車。これに乗ったのは初めてのような・・というか在来車の5300形は気がつけば残り僅かなような
車体に堂々と「ASAKUSA LINE」と入ってますがここは京急線。特に南行列車など浅草線に行かない列車にこれは誤乗の原因でよくないような・・。
銀座線のように同じ路線を行き来してるだけの車両ならともかく、広範に直通する車両でこういうデザインはちょっとどうなのかと思います。
ということで20時ぐらい横浜に戻ってきて本日は終了です。
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さて今回紹介した油壺マリンパークですが私が訪問した2日前、5月12日付で9月30日での閉館が発表されました。
発表では施設建物の老朽化によるもの。また跡地では2025年開業を目指しリゾートホテル建設など城ヶ島など周辺エリアを含めた大規模な開発計画があるとのことです。
今時期の施設閉館はまず新型コロナウィルスの影響が浮かびますが、そうではなくコロナ後のインバウンド復活も見据えた大規模リゾート開発の為の閉館とみる方がよさそうです。
今回油壺マリンパークを訪問した印象として施設の老朽化ぶりはいがめないのは事実かなと思います。
昭和の時代の施設は日々運営していくことは出来ても経営環境上、大規模改修が出来ず日々老朽化が進み致命的な設備故障・破損や耐震問題などが命取りになりかねないのは全国的な問題といえます。
ライバル施設の台頭の中で以前のように派手なショーもなく、回遊水槽による大型・希少なサメの展示やペットと一緒に入館出来る点などで集客を図っている印象があります。サメ目当てで訪問した私にはむしろ嬉しいですが、台所事情が伺えるのも事実。
一方で油壺マリンパークでは2019年にイルカ追い込み漁の是非に関連して、イルカショーを中長期的に実施する為にも追い込み漁によるイルカの入手が必要。としてJAZA(日本動物園水族館協会)を退会しています。
カナコロ(神奈川新聞)
このニュースからに2019年時点では今後も運営する計画であったと考えられること。またTwitterでは油壺マリンパークのリニューアル計画立案に携わっていたという人の証言など、リニューアル計画の青写真が出来ていたことを示唆する投稿もありました。
これらの情報からに油壷マリンパークの閉館は前々から考えられていたというよりも、ここ最近になってそれまでの方針を覆して閉館が決定されたという印象です。
前回記事の写真の再掲。マリンパーク前のバス停の案内。
この掲示では2022年1月の日付が含まれていることからにやはり4月時点では9月末での閉館が決定していなかったことが示唆される
なぜそれまでの方針を覆しての21年9月末閉館となったのでしょうか。
ここで昨今の京急本体の抱える問題である神奈川新町事故とそれを契機に明らかになった労務問題に触れておきます。
2019年9月5日11時43分に京急線神奈川新町駅の横浜側の踏切にて大型トラックと120km/hで走行中の快速特急列車が衝突。乗客500名のうち75名が負傷(うち15名が重症)、運転士・車掌も負傷、トラック運転手が死亡という事故が発生。事故現場を含む京急川崎~横浜間で約50時間運転見合わせと大きな輸送障害となりました。
道を誤った大型トラックによる踏切事故とのことでトラックを主犯、京急は巻き込まれた被害者とするかのようなミスリード記事も出ましたが、その後の報道や国交省の事故報告書などから、踏切での異常が感知され踏切支障報知装置が作動していたにも関わらず止まれるべき列車が止まれずに衝突した京急側の責任や法令違反が明らかになりました。
またこの件を契機に「退職者続出で乗務員の定員の1割近くが欠員」「13日連続勤務」「20代車掌月27日勤務して手取り20万円強」など過酷かつ低賃金の労働実態が告発されました。これは新型コロナウィルスの影響とは関係ない事象です
これを受けてかそうでないのか、系列の京急バスでは新型コロナの影響の名目で2021年3月に運休中であった長距離夜行高速バス路線を廃止(一部は休止)し撤退。空港連絡バスでも一部路線から撤退、市街路線バスではみなとみらい地区を運行する141系統路線を廃止など大ナタを振るいました。
名目的には新型コロナウィルスの影響による乗客減としていますが、路線バスでは手続き上廃止と休止では大きく異なり、休止ではなく廃止としたことで今後の情勢変化でも運行復活は行わない意思の表れととれます。
路線バス業界では近年労務環境面から乗務員(運転手)不足が叫ばれています。1人の乗務員が1往復で3日間拘束される夜行高速バスは不効率という背景が見え隠れします。
今回の油壺マリンパーク閉鎖はこの大ナタに続いた形となります。
いいように深読みすれば安全性や動物・魚類の飼育環境などの面から、またインバウンド頼みの観光開発を行う中で欧米基準の動物福祉に適合させるために老朽施設を無理して維持することを止めたと推測することも出来ます。
(京急油壷マリンパーク公式Webサイトから抜粋)
発表によればマリンパークで飼育されている動物類は他の施設への受け入れを協議し閉館後も飼育管理を体制を維持しすべての動物の移譲を完了するまで責任を持って対応します。とあります。
(余談:鉄ヲタ的なリリース読解を行うと「すべての動物の移譲」→魚類については触れていない→この内容は動物だけで魚類は含まれない→魚類はどうなる??)
一方で閉館の確定が公式発表と同時期であると考えれば、公式発表前の他施設への水面下での打診などもまだ行われていなかったとも推測されます。
閉館までの4か月でイルカや大型のサメ、アシカから小さな魚類まですべて他の施設に移譲交渉に目途をつけることが出来るのでしょうか??
閉館した油壺マリンパーク完全な撤退が遅れれば遅れるほど、営業終了した施設の維持管理コストがかさむのみならず2025年開業予定とする後継のリゾート施設の建築工事や開業も遅れます。
維持管理コストが圧迫するという理由や後継施設の開業に影響するという理由ですべての動物・魚類がぞんざいに扱われないように注意深く監視する必要があると思います。
京急は本体の鉄道業で鉄道事業者としてあってはならない乗客の負傷事故を発生させています。京急線では事故現場となった神奈川新町駅以外にも列車が高速通過する踏切は多数存在しますが、十分な再発防止策が取られたのか明確な発表はありません。さらに労務面では離職者多数、定員の大幅欠員というアキレス腱を抱えている状況です。
果たしてこれらの問題に対して安全安定輸送第一に変革し生まれ変わろうとしているのか、それとも素知らぬ顔をしてやり過ごそうとしているのか?残念ながら後者であることを伺えるような話も小耳に流れてきます。
油壺マリンパークの撤収の実際がどうなるのか??京急の企業としての姿勢や体質の一端、変革しようとしているのかどうかを伺うことが出来るものとなるのではないでしょうか。
神奈川新町事故や労務問題に関してダイヤモンドオンラインの記事
3件とも鉄道ライターの枝久保氏によるもの
「京急線の踏切事故」はなぜ起きた?ブレーキ遅れの深刻な原因とは
「京急踏切事故」の裏にある、元乗務員たちが語る驚きの問題とは
「京急」社員たちが悲痛告白、低賃金と重労働の驚きの実態とは
国土交通省による報告書
RA2021-1 鉄道事故調査報告書 - 国土交通省
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2021/5/25 10:32(JST)