<前回から続く>
さて14時28分に白川口駅に到着。
ここで折返して14時56分発の上りのひだ12号で戻る計画です。
白川口駅は飛騨川の渓谷沿いの谷ある国鉄型2面3線の駅で折返し列車もあるようです。基本的には駅舎側の1番線が岐阜方面、対面の2番線が高山方面なものの一部の列車は3番線も使用するよう。
所在地としては岐阜県加茂郡白川町。有名な白川郷の白川とは別ですね。
Nゲージ模型のジオラマのようないい雰囲気のローカル駅です。
しかしながらこの駅もバリアフリーの「バ」の字もないようなローカル駅。
地方ローカル線は交通弱者の最後の足のように語られますが、エレベーターもエスカレーターもなくひたすら階段を上り下りしなければならない構造は健脚な人向け。本数がある路線だと構内踏切は難しいにしても、相対式ホームの駅でも旧改札口を経由しないと駅に出入りできない構造は考え物のような・・。
駅前には路線バスは待機中。掲示している路線図を見ると、美濃太田や下呂など高山線と並行する方向の路線ではなく周辺の集落や公共施設などを結んでいるようです。
白川口の駅前。駅前の道路(国道41号)の横はすぐに飛騨川の渓谷。駅前にお店や民家は殆どないようです。
この白川口駅前は昭和43年8月に起きた飛騨川バス転落事故(観光バス15台のツアーのうち2台が集中豪雨の土石流に巻き込まれ飛騨川の激流に転落し104人が犠牲)の舞台の一つ。
事故経緯を読むと、乗鞍岳に向かう一団が白川口駅の先で土砂崩れの通行止めで行程を断念。名古屋方面に戻る際にこの白川口駅を通過。先頭グループはそのまま進み結果、その先の麻生ダム方面の渓谷区間で土石流に巻き込まれ、後続グループは白川口駅前で待機し助かる。とのことですが、この白川口駅前、多数のバスや車が待機できるほどの広さもない、本当に山間の小さな駅前です。
ツアーの目的地の乗鞍岳は高山の更に先で白川口駅から約140km先。一方で美濃太田は30㎞、鵜沼はせいぜい40㎞。あと20㎞も戻れば渓谷区間も抜けるとなれば、白川口駅の辺りはまだ序の口。豪雨の中、安全なはずの出発地にさっさと帰りたいと思う心理は分かるような気もします。
白川口駅は無人駅扱いですが、町に委託されて窓口ではマルスで乗車券や特急券を販売、小さい売店もあってお土産屋や飲料なども販売していました。駅前に他にお店も見当たらず売店があってよかったです。
町内には文化財の白川橋という橋があるので気になりますが・・、後で確認したらなんと橋は駅から徒歩3~4分の場所。売店で聞けばよかった・・
といっても外にいるだけで暑い猛暑の中、聞くという発想がなかったです。
発車時刻も近づいてきたので、窓口で美濃太田までの特急券と乗車券を購入します。白川口から美濃太田までは運賃510円に自由席特急料金が330円の合計840円。特急料金が330円で乗れるのはありがたいですね。
白川口に止まるひだ号は下りは概ね午後~夜、上りは朝~昼過ぎという岐阜・名古屋方面へのアクセスを見込んだような設定。
帰りは駅舎側のホームから乗車。14時56分発のひだ12号。これに乗る為に白川口まできたようなもの。
2022年7月にデビューしたHC85系ですが乗るのははじめて。その前の型のキハ85も万博の頃に岐阜→美濃太田で乗っただけでした。キハ85も良かったのですが気がつけば全部HC85系に置き換わってしまいました。
(この写真は美濃太田駅)
ひだ12号は通常4両のようですがこの日は増結されて6両。ただ自由席は4号車の1両だけ。空席があるのか心配ですが、渓谷側と反対側、進行右側に2つ空いてる席を発見して座れました。
HC85系の製造は2022~2023年度(先行試験車のみ2019年)。車内にはまだまだ新車の匂いが残っています。
着席してすぐ駅構内を抜けてないんぐらいのところで車掌が検札に回ってきます。
Hさんは「おいちゃんもこういう仕事したいのう~」と・・
駅長ことHさんは車掌だった頃、ドア扱いに車内放送に加えて駅間では車内を回り沢山のお客さんに乗車券の発券や検札に忙しく回っていた姿を見たのと較べると、少なくても高山線や御殿場線の車掌は余裕がありそうに見えますね。最近は御殿場線も車掌が回ってこないし・・。
客室内の表示機ではエンジンやバッテリーの状態を表示。ハイブリッドをアピールしていますね。旧のキハ85に較べてHC85は加速はいいものの高速域の伸びが悪いとか・・
ここでようやく岐阜で買ったおにぎりを食べます。富山まで繋がる高山線にちなんでますの寿司のおにぎり。
やっぱり特急でしかも新型車は快適。Hさんと「やっぱり課金すると快適だね~」と言い合います。ちなみにHさんはキハ85の乗り納め&HC85の試し乗りで既に乗っているそうで・・。
岐阜まで乗っていきたくなりますが、白川口~美濃太田の約26kmをわずか22分で美濃太田に到着。行きの普通列車は32分でした。
ちなみに距離としては新松田~本厚木と同じぐらい。新松田~本厚木はロマンスカーで22分程度、普通列車(各停や急行)で28~30分ぐらいなので意外に高山線普通も健闘しています。
名残惜しいながら美濃太田駅で下車。後続の美濃太田発岐阜行に乗換えます。
1本前の高山線の美濃太田行の普通列車で着いた人でホームはかなり混雑。
岐阜行はキハ75が来るといいんだけど・・・Hさんと話していたら、313系のような車両が入線してくるのが見えます。
「嫌な予感がしますね」とHさんに言ったら
「嫌な予感どころじゃないよ」と・・
しかしやってきた車両は転換クロスシートの0番台車でお互いホッとします。
流石に疲れが出て来て少し寝たりで岐阜まで乗車。
岐阜駅に戻ってきました。乗ってきた車両は折り返して16時15分発の猪谷行になりました。高山線のキハ25、0番台車と1000番台車で運用が分かれているという話もあるようで・・。
0番台ならこれで富山まで行くのも・・と思いきや、この列車、終点猪谷で富山行の接続がなく1時間待ちで富山着は23時。せいぜい19時44分着の高山ぐらいまでなら・・ですかね
<次回に続く>
2024/10/9 15:13(JST)