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この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
近づいていく2人の距離~その5
〈譲二〉
仕事が忙しくてアリサのことはあまり相手できずにいた。
俺が部屋で仕事をしているとノックの音がしてアリサがココアを持って来てくれた。
前に教えた通りのやり方でココアをいれてくれたのだという。
砂糖は控えめで、ラムを少し多めに入れて、俺好みにしてくれていた。
それがあまりに嬉しくて、去ろうとした彼女を呼び止めて、しばらく抱きしめていた。
アリサを抱きしめることで元気をもらう…。
それは昔、美緒によくしていたことだ。
アリサの温もりが俺を元気づけ…同時にこれは美緒じゃないというのが切なかった。
アリサにはどんなに優しくしてもらっても、お金での打算がついてまわる。
客を取るのを止めて以来、アリサにとっては俺の手当だけが唯一の収入なのだから…。
それは承知しているはずなのに、俺はアリサの心まで求めそうになる。
これ以上、アリサのことを好きになっちゃダメだ…。
お互い苦しむだけなのに…。
それはココアに入ったラムの苦みのように心の奥へと広がった。
☆☆☆☆☆
〈アリサ〉
その日は忙しかった仕事も片付いて、そろそろゆっくり出来るということだった。
しかし、夕方、ジョージとの夕食の支度をしていると、メールが届いた。
『ごめん
今日は早く帰れると思ったんだけど、どうしても付き合いで飲みに行かないといけなくなった。
本当にごめんね。明日は休みが取れるから1日二人でゆっくりしよう。
遅くなると思うから、しっかり戸締まりして先に休んでいてね。
ジョージ』
がっかりだ…。
せっかくジョージを喜ばせようとジョージの好きなメニューにしたのに…。
でも、下ごしらえしたものは冷蔵庫で寝かせて、明日作ることにしよう。
一晩寝かせた方が味もしみ込むだろうし…。
サラダもラップして…朝食にでも食べてもらおう。
あたしも今晩は、サラダとお茶漬けにでもしようかな…。
急に作る気が失せた…。
その6へつづく