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この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
近づいていく2人の距離~その9
〈アリサ〉
譲二「美緒は俺の元恋人だって前に話したよね?」
アリサ「うん」
譲二「彼女は俺を捨てて、好きな男のもとへ出て行った…」
アリサ「ひどい…」
譲二「いや…。ひどくはないんだ…」
アリサ「どういうこと?」
譲二「ひどいのは俺の方なんだ」
そう言って、ジョージは微笑んだ。
その笑顔はとても辛そうだった。
ジョージはどう話そうか迷うようにしばらく黙り込んだ。
譲二「俺は…美緒が別な男のことを好きだと知ってて…。身体を奪い、無理やり自分の恋人にした…」
アリサ「え?」
譲二「俺は彼女と三年間付き合ったけど、その間も美緒はその男のことを好きだった」
譲二「俺は彼女と結婚したいと思ってた…。でも、その前に美緒はその男と再会し…俺は捨てられたって訳さ」
ジョージはおどけて笑ってみせた。
あたしは言葉が出なかった。
譲二「軽蔑するだろ? 俺は最低の男だ…」
あたしはジョージを慰めたくて抱きしめた。
アリサ「ジョージはその人のことをすごく好きだったの?」
譲二「ああ…。美緒は…俺より10歳下でね。美緒が子供の時から俺は知ってた。その頃はとても懐いてくれてて…。
10年くらい離れて過ごしたんだけど…。送られてくる写真を見てるうちにだんだん彼女のことが好きになって…。再会した時には自分を抑えられない位好きになってた…」
アリサ「ジョージ…。あたしじゃその人の代わりになれないよね?」
ジョージは悲しそうに微笑んだ。
譲二「ちゃんとなってるよ…」
アリサ「うそ!」
譲二「嘘じゃない。俺が落ち込んだ時、何度もアリサに慰めてもらったよ。
俺の心は壊れかけてて…。
気を抜くとすぐ空中分解しそうになるけど…、今までなんとか踏ん張って来たのはアリサのお陰さ…」
あたしたちは抱きしめ合った。
譲二「今度はアリサのことを教えて…」
あたしはジョージに質問されるまま、どんな家庭に育ったのか、なぜ娼婦をしていたのかを話した。
アリサ「軽蔑する?」
譲二「いや…。軽蔑するくらいなら、最初から付き合ってないさ」
あたしたちは抱きしめ合い、キスを重ね、身体を何度も重ねた。
アリサ「大丈夫? まだ気分が悪い?」
譲二「少しね…。でも、アリサのことはもっと抱きたい…」
あたしたちは前よりももっと仲良くなった。
『近づいていく2人の距離』おわり