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頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
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譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その1
百花ちゃんが一護と付き合い出してから1ヶ月が経った。
百花ちゃんは毎日学校から帰って来ると、いそいそと佐東洋菓子店の手伝いに出かける。
いや、別に不満があるわけじゃないよ。
百花ちゃんはとっても楽しそうだし、夜にはクロフネに帰って来るんだし…。
時々一護んちで夕食を食べて帰るからといって…、別にかまわない。
百花ちゃんも食べるかな~と思って少し多めに用意した夕食が余って、翌日の弁当に入ったっていいんだし。
俺一人の夕食は…寂しいといえば寂しいが、百花ちゃんが下宿する前と同じと思えば…そう思えば…何の事はない。
☆☆☆☆☆
今日も一人で夕食かな~と思っていたら、思いのほか百花ちゃんは早く帰って来た。
ちょっと興奮気味に俺に話しかける。
百花「マスター! 今度のお祭りでいっちゃんがお御輿を担ぐんです!」
少し上気した頬が紅く染まって、いつにも増して可愛らしい。
譲二「一護が? そっか、もう高校生だものな。一人前の男だよな」
百花「そうなんです。倫護おじさんがお祭りのはっぴを出してきて、いっちゃんに『今年はお前が御輿を担げ』って言ってくれたんです。『少しは、まともなケーキも焼けるようになった』からって」
譲二「一護もおやじさんに認められて喜んでたろ?」
百花ちゃんは何か思い出したのかクスクスと笑った。
百花「それが…。はっぴがダサいとか、おじさんが歳だからお御輿担ぐのがキツイんだろとか、祭りの集会が水戸黄門の時間と被ってるからだろうとか」
俺もつられて笑った。
譲二「素直じゃないのが一護らしいな。でも、そんなこと言いながら、うれしそうだったんだろ?」
百花「はい! それで、倫護おじさんのはっぴを羽織ったいっちゃん、とってもかっこよかったです」
こうやって、百花ちゃんののろけ話を聞かされるのはそう嫌じゃない。
だって、一護の話をする百花ちゃんはとても輝いてて可愛らしいからなぁ。
そんな百花ちゃんが大好きだ…って、これは変な意味じゃないからね。
百花ちゃんを預かっている以上、百花ちゃんが楽しく暮らせるように心を砕いているだけなんだから。
その2へつづく
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エピローグはどれも楽しい話ばかりだけど、このいっちゃんのエピローグは特に大好き。
お祭りの準備やお祭りの楽しさが伝わってくるし、はっぴ姿のいっちゃんはとってもかっこいい。
2人の間がギクシャクするのはいつものことだけど、その仲を取り持つアイデアを譲二さんが出してくるところも好き。