番外編『ひとつ屋根の下ストーリー』で思いついた譲二さんの危ないストーリー。
>>お母さんが10何歳下の男性と再婚して、その義父が譲二さんとか。
これを『ひとつ屋根の下・母の夫』・『ひとつ屋根の下・妻の娘』として妄想したんですが、その続きのストーリーも思いついたので、よろしければお付き合いを…。
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俺:茶倉譲二
妻:茶倉宏子…16歳年上
その娘:森田友梨花…10歳下
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ひとつ屋根の下・金木犀~その1
〈譲二〉
二人だけの夜には友梨花ちゃんと添い寝するようになって…。
だんだんキスだけでは満足できなくなって来た。
これ以上はだめだという理性の囁きともっと彼女にふれたいという心の叫び。
そのせめぎ合いに俺は苦しんでいた。
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秋めいた陽気が続き、窓を開けると心地よい風が吹いてくる。
キンモクセイの甘い香りがその風にのって漂っている。
今日、ロコは職場の研修旅行で出かけている。
ロコを送り出してから、二人きりでのんびり過ごしている。
どこかに出かけてデートしてもいいのだが、誰かに目撃されてそれがロコの耳に入ったら…と思うと、どこにも出かけられずにいる。
まあ、俺は友梨花ちゃんと二人で過ごせるだけで嬉しいけど。
友梨花ちゃんが庭で切ったキンモクセイの花を花瓶に飾っている。
部屋の中が甘い香りで満たされた。
俺の視線に気づいたのだろう。友梨花ちゃんがこっちを見て微笑んでくれた。
友梨花「譲二さん、どうしたの?」
譲二「ん? 可愛いなって思って…」
友梨花ちゃんが頬を染める。
友梨花「…そんなに見つめられたら、恥ずかしいです」
そんな彼女がいじらしくて、俺は彼女を抱き寄せた。
キンモクセイの香りの中での甘い甘い口づけ。
…それはその後に起こったことの記憶と結びついて、キンモクセイの香りを嗅ぐ度にこの日の事を思い出すようになった。
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譲二「そろそろお昼だね。
パンは朝で食べちゃったし、ご飯も炊かないといけないけど、何か食べたいものはある?」
友梨花「うーん。それなら久しぶりにパスタが食べたいかも」
譲二「パスタかあ…。今あるもので作れそうなのはっと…。
この間、友梨花ちゃんに教えてもらったカルボナーラにしようか?」
友梨花「いいけど、教えてあげたというほどのものじゃないですよ。
お母さんが帰ってくるのがいつも遅かったから、冷蔵庫の中のもので工夫して作っただけだから…」
譲二「そうだったね」
前の夫を無くしたロコは必死で働いていたから、友梨花ちゃんは一人でなんでもする癖がついていたんだよな。
もっとも、お母さんが帰るのが遅い原因の何割かは俺のせいだったわけだけど。
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二人で作ったカルボナーラを昼食に食べた。
譲二「レシピもそうだけど、友梨花ちゃんは料理の手際もいいね。
いいお嫁さんになれそうだな」
何気無く言った言葉だった。
友梨花「それは…誰のお嫁さんになるの?」
真剣に俺を見つめる目に俺は動揺した。
まさか『俺の嫁さん』…なんてことは間違っても言えないしな。
譲二「え?そこ、こだわるとこ?」
なんとかかわそうとしたが、許してくれそうにない。
俺は視線を反らせた。
譲二「いつか…友梨花ちゃんのことが誰よりも大好きで…大切だって男が現れて、
友梨花ちゃんもそいつのことが好きになったら…、
きっとその男のお嫁さんになりたくなるよ」
友梨花ちゃんの目から涙が溢れている。
譲二「ちょっ、友梨花ちゃん。泣かないで…」
友梨花「どうして…、そんなこというの?
私の気持ち、分かってるくせに」
彼女を慰めたくて抱きしめた。
譲二「ごめん…。
俺には友梨花ちゃんを幸せにする資格はないから」
友梨花「譲二さんは結婚してくれなくても、ずっと側にいてくれるだけで私は幸せなのに」
譲二「ありがとう…。そんな風に言ってくれて…」
俺は大きくため息をついた。
譲二「でも、それももう限界だ」
友梨花「どういうこと?」
譲二「もう、これ以上友梨花ちゃんに手を出さずに一緒にいることはできそうにない。
このままだと友梨花ちゃんを傷つけてしまうことになりそうだ」
『だから、しばらく離れて冷却期間を持とう』と言いかけて、友梨花ちゃんの真剣な目に捉えられた。
友梨花「そんなことで私は傷つかないよ」
譲二「え?」
友梨花「譲二さんが我慢出来ないのなら…、私はかまわないよ」
譲二「そんなこと言っても、女の子は…」
友梨花「私はもう22歳の大人の女だよ。
自分の好きな人とは最後までいっても後悔しない」
彼女を抱きしめる手に力がこもる。
譲二「本当にいいの?」
友梨花「うん」
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ひとつ屋根の下・金木犀~その2
〈譲二〉
キンモクセイの甘い香りの中、友梨花ちゃんと裸で抱き合っている。
譲二「怖い?」
友梨花「ううん。譲二さんとなら怖くない」
譲二「でも…胸がこんなにドキドキしてる…」
友梨花「譲二さんだって、ドキドキしてるよ」
俺は苦笑した。
譲二「そうだね。俺さ…。
ロコ以外の女性とするのは初めてなんだ」
友梨花「そうなんだ」
譲二「だから、…その…、バージンの子とするのも初めてだから、優しくできなくて、友梨花ちゃんを苦しくさせてしまうかもしれない。
だから、少し緊張してる」
友梨花「いいよ、苦しくても…。譲二さんが相手なら」
なんでこんなに可愛いことを言ってくれるんだろう、この子は…。
彼女の白い乳房にそっとキスをした。
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〈友梨花〉
譲二さんは何度も何度も「愛してる」とつぶやいてくれた。
譲二さんの汗が滴り落ちて、私の身体を濡らした。
譲二さんが唇にそっとキスをしてくれる。
私は彼を抱きしめた。
友梨花「嬉しい…」
譲二「俺も…嬉しい…。だけど…、ごめんね。
友梨花ちゃんのバージン奪っちゃった…」
友梨花「ううん…。私は初めては譲二さんと…って、ずっと思ってたから…」
譲二「またそんな可愛いこと言う。…もう、絶対他の男には渡さない」
譲二さんは私に頬ずりしてくれた。
譲二「あ…そうだった」
譲二さんは私から離れるとティッシュにくるんだ何かを捨てた。
譲二「友梨花ちゃんを妊娠させるわけにはいかないから…」
友梨花「私たち、子供は持てないよね…」
譲二「今はね」
友梨花「今は?」
譲二「ああ。こうなった以上、きちんとケジメをつけるようにする」
友梨花「でも…それだとお母さんが…」
譲二「ロコには済まないと思ってる…。
だけど、もう自分の気持ちを誤魔化すことはできない。
俺には友梨花ちゃんが必要だから」
譲二さんは私をしっかり抱きしめてくれた。
譲二「少しタイミングを見て、ロコと話し合うようにするよ…。
だから、今は我慢してね…」
友梨花「…うん」
譲二「さあ、一緒にシャワーを浴びて来よう」
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譲二さんと一緒にシャワーを浴びる。
少し恥ずかしかったけど我慢した。
だって譲二さんとは少しでも一緒にいたい。
私たちは一緒にシャワーを浴びながら、唇が近づくたびにキスをした。
『金木犀』おわり