新・浪漫@kaido kanata

三浦春馬氏出演番組のレポ、感想。三浦春馬氏イメージの小説、SS、ポエムなど。
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三浦春馬氏主演 「Tourist 」 Paravi解説4と遠の感想

2018-11-22 11:41:03 | tourist
★遠(かなた)この素晴らしい、心に残る分析があまりにお見事なので
転載させていただきました。

しかし、これは文中にもあるように ひとつの見方です。

ただの癒しの存在であるように見える真は
しっかり、彼女らの心の痛いところを突く愛のムチの役目を果たしています。
だから、3人とも立ち直ることができたのだと感じます。





これは ゆったり変わっていく女性の人生の場合です。
突発的な事件によっては、
変わらざるを得ない女性だって存在するのです。

それは、もしかして 真の姉のAkiraに起こったことかもしれないし、
Akira自身、本当に存在してるのか!?
すべては真の妄想で、もし存在していても、
真は彼女に何を言いたいのか。

Akiraの顔を見たとたんに 責める心が変わるかもしれない。



女性が求める癒しの愛撫だけのストーリーではなく
もっと深いストーリーであることをこの分析から
知ることができました。

女も男も 必死であがいて生きているのです。



★前回の遠の感想では 登場人物の思いや行動より
 その国、バンコク、台北の風習の印象が強く
 書かせていただきました。

 バンコクのタンブン、
 台北の冥婚。(亡くなった少女のお婿さん捜し)

 これらの独特の文化にも、とても興味を抱かせていただきました。




三浦春馬氏主演 「Tourist」 Paravi解説3

2018-11-22 11:26:22 | tourist
変わり続ける女性たち。そして、変われないままの男性たち

だが、そんな「選択」の前で揺れている女性たちの物語は
、視点を変えることで、また別の文脈が浮かび上がってくる。
それが、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」にて独占配信の
『tourist ツーリスト』天久真バージョンだ。

3人のヒロインと、それぞれの地で出会い、共に過ごす
謎の男性・天久真(三浦春馬)。
本編だけを見ると、天久真は女性に救済を与える

"都合のいい存在"に映るかもしれない。
けれど、天久真バージョンを見ると、もしかして一番
救済を欲していたのは、天久真自身なのかもしれないと思った。





母子家庭で育ち、母親のためにいい子を演じ続けてきた真。
いい大学に入り、いい会社に就職し、いい子のレールを踏み外す
ことなく突き進んできたはずが、突然会社を解雇されたことによって、
人生観そのものが大否定されてしまう。


自分の軸となるべきものを失い、今までの人生の答え合わせをするために、
天久真もまた敢えていい子の殻を破り、旅を始めたわけだけれど、
結局真が自分の存在意義を認識できるのは、誰かのため、だけなのだ。




それは、第3話「ホーチミン篇」のモノローグでも
はっきりと語られている。

ナイトクラブで泥酔状態のカオルに声をかける真。
どう考えても面倒臭そうな相手だ。


それでも真が放っておけなかったのは「どこか寂しそうだった」から。
バンコクでさつきから「あなたに会えて良かった」と言われることで
救済を覚えた真は、旅先で出会う女性たちと関わることで、
自分の中にぽっかりとあいた空洞を埋めようとする。
それは、母親のためにいい子を演じていた自分と何ら変わらない。

けれど、結局、泣きじゃくるカオルを
「俺はただ彼女を抱きしめてあげることしかできなかった」と真は語る。

女性たちは、ひとりで勝手に立ち直り、ひとりで勝手にたくましくなっていく。
むしろ第2話「台北篇」では間違って赤い封筒を拾い、逃げ続ける真に対し、
ホノカが自分から頭を下げに行き、決着をつける。
弱くてズルいのは、真の方だ。




たった一日で鮮やかに変わっていく女性たちとは裏腹に、
真は何も自分を変えられないまま。

それは真に限ったことではない。変化に柔軟な女性とは対照的に、
男性は何だかんだと保守的で頑固だ。

どの視点で見るかで、きっと見え方も感じ方も違うだろう。
3局横断、メガホンも3話それぞれ別の監督がとるという
実験的な試みがなされた『tourist ツーリスト』は、
切り取り方によってまったく味わいが異なる
ドラマの楽しみ方を提示してくれている。


その4に続く

三浦春馬氏主演 「Tourist」 Paraviの解説 2

2018-11-22 10:41:34 | tourist
女性たちは、ひそやかな革命を繰り返すことで、美しくなる

異国での3人のヒロインたち。

水掛祭りでびしょ濡れになりながら笑っているさつきは、
眉間に皺を寄せてギャンブルをしている負けん気まる出しの
表情よりずっとイキイキしていたし、




ビルの屋上で台北の夜景をバックに笑うホノカは、
地球上にいる男性がみんな恋をしてしまいそうになるぐらい
儚くて蠱惑的だった。


そして、ずっと涙を流すことさえできなかったカオルが、
ホーチミンの雑踏でグシャグシャになりながら泣き声をあげる姿は、
痛々しくて、でも、とてもナチュラルだった。




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そしてその美しさの秘密は、きっと女性たちが「選択」を
し続けなければならない生き物だからだ、とふと思った。

選択をすれば、何かが変わる。
常に何かを選択し続けなければいけない女性の人生は、
つまり常に変わり続ける人生とも言える。
だから、一瞬一瞬が、とても眩しい。






みんな、旅を経て変身を遂げた。
それは、傍目には気づかないささやかな変身かもしれない。

女性って、大変だ。でもやっぱり、女性って、美しい。

★3に続く

三浦春馬氏主演 「Tourist 」 Paraviの解説1

2018-11-22 10:35:05 | tourist




第1話「バンコク篇」のヒロイン・野上さつき(水川あさみ)も、
第2話「台湾・台北篇」のヒロイン・津ノ森ホノカ(池田エライザ)も、
第3話「ホーチミン篇」のヒロイン・立花カオル(尾野真千子)も
みんなそれぞれ「選択」を突きつけられている。




さつきは、結婚・出産というタイミングをズルズルと
逃していることも知りつつ、不毛な不倫地獄から足が洗えないまま、
好きだった仕事も停滞気味。
何だかすっかり人生に疲れ果てて「死」を選択しようとバンコクを訪れた。






ホノカは、めでたく結婚が決まったものの、
相手はこれまでの恋愛遍歴では考えられないような平凡な男性。
これでようやく浮き沈みの多い毎日も終わりだと
晴れやかな顔をしながらも、どこか後ろ髪を引かれている。







そしてカオルは、夫と離婚調停中。
これからの長い人生を、子どもを抱えてシングルマザーとして
生きていかなければならない。
手に入れたはずの幸福で穏やかな日々を手放し、
自ら舵を切るその踏ん切りを求めているようにも見えた。

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きっと彼女たちと同じように、多くの女性たちが
それぞれの岐路を前に揺れ惑っていることだろう。


確かに、変わることは怖い。
だって、それは昨日までの自分を手放すことになるから。
今の自分に100%納得いっているわけではない。
だからと言って今あるものを失ってまで新しい何かがほしいのかと
言われたらわからない。何を選んだにしても、何を選ばなかったにしても、
それで本当に良かったのかどうか、
延々と答え合わせをさせられているような。
そういう閉塞感と、女性たちは戦っている。

2に続く