第1話「バンコク篇」のヒロイン・野上さつき(水川あさみ)も、
第2話「台湾・台北篇」のヒロイン・津ノ森ホノカ(池田エライザ)も、
第3話「ホーチミン篇」のヒロイン・立花カオル(尾野真千子)も
みんなそれぞれ「選択」を突きつけられている。
さつきは、結婚・出産というタイミングをズルズルと
逃していることも知りつつ、不毛な不倫地獄から足が洗えないまま、
好きだった仕事も停滞気味。
何だかすっかり人生に疲れ果てて「死」を選択しようとバンコクを訪れた。
ホノカは、めでたく結婚が決まったものの、
相手はこれまでの恋愛遍歴では考えられないような平凡な男性。
これでようやく浮き沈みの多い毎日も終わりだと
晴れやかな顔をしながらも、どこか後ろ髪を引かれている。
そしてカオルは、夫と離婚調停中。
これからの長い人生を、子どもを抱えてシングルマザーとして
生きていかなければならない。
手に入れたはずの幸福で穏やかな日々を手放し、
自ら舵を切るその踏ん切りを求めているようにも見えた。
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きっと彼女たちと同じように、多くの女性たちが
それぞれの岐路を前に揺れ惑っていることだろう。
確かに、変わることは怖い。
だって、それは昨日までの自分を手放すことになるから。
今の自分に100%納得いっているわけではない。
だからと言って今あるものを失ってまで新しい何かがほしいのかと
言われたらわからない。何を選んだにしても、何を選ばなかったにしても、
それで本当に良かったのかどうか、
延々と答え合わせをさせられているような。
そういう閉塞感と、女性たちは戦っている。
2に続く