いろいろ

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管・二階を敵に回した阿部総理の誤算と終焉

2020-07-02 06:26:31 | 日記

近畿財務局の問題は闇の中に消え
籠池氏は刑務所の中に消え
加計氏が今治市議に配った賄賂疑惑も揉み消され
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535

コピペの小保方氏も、レイプの山口氏も逮捕されず、
桜を見る会の書類はシュレッダーの中に消え
黒川・河井氏の任命責任は管の責任となり

残り続けるのが
安倍晋三氏
今も阿部太鼓持ちジャーナリストは

永遠に続く阿部氏の泥舟の上で
自殺し教授や職員の亡霊と共に
夏の夜の宴会が繰り広げられる

この夏の怪談と会談は
なかなか深いものになりそうです。







2020/02/20
安倍よ、ただで済むと思うな…菅官房長官「最後の逆襲」が始まった
欲望と裏切りの永田町ドキュメント 週刊現代 講談社

政権の終わりが見えてきたと思ったら、一枚岩だったはずの
政権幹部たちの関係が異様なまでに軋み始めている。

自分が死ぬか、相手が死ぬか。
五輪まで半年、永田町で本格抗争の号砲が鳴った。

総理に呼ばれなくなった
「もう、あの人も終わりだよな」
ある自民党のベテラン議員が言う。
官房長官・菅義偉のことである。

官邸の守護神と言われたのも今は昔。
定例の記者会見では、
記者の質問にもまるで上の空。
「すみません、もう一回言って?」を
繰り返すシーンは、毎度のこと。
回答に窮し事務方から
ペーパーを差し込まれることも増えた。

この4ヵ月、菅はさんざんだった。
菅原一秀や河井克行といった「側近」を
無理矢理入閣させたものの、
一気にスキャンダルに見舞われた。

重用してきた官僚が不倫騒動に追い込まれ、
自分が肩入れしてきたIR問題でも、
10年ぶりの国会議員逮捕
という騒動に巻き込まれた。

すべて菅の周りで醜聞が出たことから、
「菅潰し」の声が囁かれた。

総理候補など夢のまた夢、
スキャンダル処理にほとほと疲れた菅は、
「このままやけくそで辞任するんじゃないか?」
と噂を立てられる始末だ。

安倍総理との関係も決定的に軋みだした。
昨年末から、菅が安倍に呼ばれる機会が減った。
もちろん、朝、官邸で顔は合わせるものの、
安倍は視線を合わせない

要人との同席回数や接触時間は、
かねてから菅との不仲が囁かれる
今井尚哉秘書官のほうが格段に多くなった。

安倍に嫌われたのか。
自分を嵌めたのは、今井ではなくて、
安倍なのではないか。
疑心暗鬼が、菅の胸中を交錯している。

官邸に2つあった危機管理ラインのもと、
菅と今井は、修復不能な関係に陥った。

今井は
「菅さんは信用できないよ。総理の寝首をかく男だしね」
と公言し、
菅も
「総理にぶら下がり会見なんてやらせて、本当にあのバカ」と
今井を批判。

だが、安倍は今井を選んだ。

「今井が官僚だからですよ。
政治家とちがって、主君に取って代わろうとすることはありえない。
総理にとって菅さんは不気味だが、
今井は安心して使える。
その結果、
安倍総理と菅さんは『官邸内別居』状態になってしまった」(安倍側近)

このままでは、菅の政治家生命は終わる。
頻繁に行っていた夜の会合も鳴りを潜め、
菅の側近議員も「まったく誘われなくなったね。
何をしているんだろう」と言う。

表情も乏しくなり、抜け殻のようだ。
だが、これは演技だ。
『仮名手本忠臣蔵』に出てくる
大星由良之助の一力茶屋のシーンを覚えているだろうか。
連日酒を飲み、昼行灯そのものの大星は、
ここで敵を油断させ、討ち入りのタイミングを見計らう。

慎重に五感を働かせていれば、
どんなときにも運は巡ってくる――

後ろ盾もない横浜市議から出発した叩き上げの菅は、
それがわかっているのだ。

俺をバカにして、ただで済むと思うなよ。
「逆襲」への兆しはかすかに出てきている。

1月21日、
廃棄していたはずの「桜を見る会」の3年分の資料が、
突然見つかった。

会場設営の契約書などが、
内閣府総務課に残っていたというのだ。

これまでの説明とはまったく異なるが、
これは菅を後押しする官僚の「反乱」だった可能性が高い。

官邸職員の証言。
「桜の件は、けっきょく
安倍さん自身の問題なわけです。
安倍後援会が850人も招待され、
昭恵枠まで膨大にあった。

すべて『廃棄』でウヤムヤにするつもりが、
ここでわざわざ資料が出てくるというのは、
菅さんに世話になった官僚が、
菅復権のために、あえて出したとしか考えられない」

ぜんぶ、俺のせいか?

最近の「菅潰し」は、
人事権を握ってきた菅に恨みを持つ官僚が
荷担してきたという見方がある。

一方で、アメとムチを使い分ける菅に
「人事で世話になった」と感謝の感情を持っている官僚も多い。
前出の職員が言う。

「菅さんにとっては、
資料が突然出てきたのは大きな援軍でしょう。
総理が追及されるきっかけになるし、
『桜』対応を振り付けてきた今井氏にとっても失点となります」

菅が入閣させた前法相・河井克行と妻の案里についてはどうか。
すでに広島地検は家宅捜索だけでなく
秘書をはじめ30名以上の事情聴取まで行っている。
しかし、もともと、
河井夫妻は安倍総理との関係が深い。

「河井氏は『菅銘柄』と言われてきましたが、
実際には河井さんは『安倍派』といっていい。
案里氏の出馬も、
対立候補の溝手顕正元参院議員を、
安倍総理が大嫌いだったことからごり押ししたもの。
菅さんは後から従っただけ」(自民党代議士)

だが河井が法務大臣を辞任する段になると
安倍は
「菅さんが大丈夫といったから」
「菅さん自身が何度も選挙区に入ったでしょう。
だから問題ないと思っていた」
と菅に責任転嫁している。

そのような事情があるからこそ、
週刊文春が報じた「参院選前、
1億5000万円が自民党から河井陣営に振り込まれていた」という事実は、
菅にとっては有利に働く。

カネの主体は党なのだ。
官房長官である菅には関係ない。
むしろ安倍銘柄であることがクローズアップされていくだろう。

二階とのタッグ

「さらに、次期検事総長と目されてきた
東京高検検事長の黒川弘務氏が、
2月8日の誕生日をもって定年退官する可能性が高まってきたのが、
菅氏にとって追い風です。

『官邸の門番』としてさまざまな政治案件を握りつぶしてきた
黒川氏が消えれば、
菅氏も『黒川がいなければ、私も手を出せません』
と堂々と安倍総理に言える。

稲田(伸夫)検事総長は、
『黒川がやめれば、8月の任期までバンバン事件をやる』と語っているため、
河井夫妻の立件は確定的になるでしょう」(政治部デスク)

大臣経験者の逮捕となれば、政権への打撃は大きい。
菅と安倍のどちらがダメージを受けるか?
安倍のほうだろう。

IR問題についても、
実は安倍のなかでは危ない時限爆弾がある。
逮捕された秋元司が、細田派の有力議員の名前を具体的に挙げ、
カジノ企業との癒着を検察に話しているという。

「具体的に、安倍に近い現職大臣の名前と、
その人物が受け取った2000万円という金額も話している」
という噂で永田町は持ちきりだ。

これまで挙げてきた「追い風」は、
今のところ、静かなさざ波にすぎない。
どう活かすかは、菅次第。
しかも、先手を打たれるかもしれない。

「総理には、年内に内閣改造を行って、
菅さんを閣外に出すという思いもあるようだ。
後任には甘利明氏の名前が上がってきている」(安倍側近)

実際には、
「菅以外に、安倍さんの防波堤がつとまる政治家はいない。
安倍さんとしては、菅に内閣を守らせつつ、
力だけは着実に削いでいくという戦略だ」
(閣僚経験者)という見方が強い。

いずれにせよ、菅は座して死を待つことはできない。
チャンスがくれば、官房長官を辞任し、
派閥を立ち上げるだろう。

援軍は多い。なにせ、睡眠時間まで削って会合を行い、
飼い慣らしてきた「隠れ菅派」の議員は優に50人を超える。
いまの菅を支えるのは、幹事長の二階俊博である。

「二階さんは今年になっても、
何かにつけて菅さんの携帯に電話を入れて、
ねぎらったりアドバイスをしたりしています。

総理は、去年9月の人事で、
いったん本気で二階幹事長更迭を計画しましたから、
二階さんは安倍への警戒心を募らせているのです」(自民党幹部)

安倍に切られそうになった実力者2人が、
タッグを組み始めているのだ。

目下、安倍が4選を狙わないかぎり、
岸田文雄への総理禅譲はほぼ確定的だとされる。

岸田さんと犬猿の仲である菅さんは、
ついに『タダの人』になる。
そうなるくらいなら、自分が総裁選に出馬するか、

あるいは同じ神奈川選出の
河野太郎か小泉進次郎を担いで政権をつくり、
幹事長に就き『キングメーカー』として生きながらえるしかない」
(菅派議員)

隠れ菅派に加え、
二階派はもちろん、
岸田を見捨てた古賀誠率いる宏池会の古賀グループ、
さらに竹下派
石破派も戦列に加わる――。

人数的には、不可能ではない。
針に糸を通すような繊細なやり方で、最後の一手を下す。

裏切られたなら、裏切り返すだけ。
菅はいま、牙を研ぎ続けている。
(文中敬称略)』

『コロナが変えた権力構造 “菅外し”で現実味を帯びる「長官辞任」と「石破擁立」
文藝春秋digital
2020/04/15 08:00

「岸田次期首相で事実上の院政」を目論む安倍首相。
だが、岸田氏をこき下ろし続けてきた菅官房長官は、
絶対にそのシナリオを阻みたい。

それを察知した首相周辺は急速に“菅外し”を進める。
新型コロナウイルスは安倍・菅の間に亀裂を入れてしまった。
そして安倍首相の宿敵・石破氏と菅長官の距離は縮まり……
疎外者2人は安倍包囲網に動くのか? 
緊急事態宣言下で大きく変容する永田町の権力構造の変化をレポート。
/文・赤坂太郎

菅の面前で大坪を追い出した今井

東京五輪を延期に追い込んだ新型コロナウイルスは、
これまで安定していた安倍政権の権力構造を変容させ、
内奥からきしみが響く。

首相安倍晋三、官房長官菅義偉を取り巻く面々の熾烈な暗闘、
そして本人同士の不信とすれ違いが不可視の音源である。

図らずもそれを増幅させたのは、
厚生労働省大臣官房審議官の大坪寛子だった。

週刊文春で菅の右腕である首相補佐官の和泉洋人との
“不倫”が報じられた医系技官。
健康に関わる危険情報を収集して分析する
「健康危機管理・災害対策室」を担当し、
内閣官房の健康・医療戦略室次長も兼務する。

1月下旬、中国・武漢などに住む日本人を
チャーター機で帰国させる方針を政府が決め、
その段取りを安倍、菅らが
官邸の首相執務室で協議した場にも彼女は同席した。ところが……。

和泉首相補佐官
「無症状の感染者が多数いるのが問題になっているのに、
君は何を言ってるんだ!」。
安倍が珍しく声を荒げた。

羽田到着後、200人もの帰国者たちをどう取り扱うべきか、
検査のために医療機関にどう運び、
宿泊施設をどこに確保するかを議論している最中の出来事。

大坪は
「健康状態に問題のない方々は、そのまま自力で公共交通機関で帰ってもらえばいい」と平然と言い放ち、それに
安倍の怒りが爆発した。

政務秘書官兼首相補佐官の今井尚哉が間髪を入れず
「君はもういい。すぐに下がって」と退席させた。
安倍は、会議後も
「幹部があんな発言をするなんて、厚労省は一体どうなっているんだ」と憤りは収まらなかった。


大坪審議官
安倍は単に大坪の発言に怒ったのだが、今井にしてみれば、
自分の宿敵である菅の知恵袋こと和泉の“愛人”を、
菅の面前で追い出したことになる。

菅を警戒していた今井は昨夏頃から
「長官は政権取りに前のめり。
任期満了前に自らへの禅譲を迫りかねない」
と語るようになっていた。

これまで安倍政権が危機に対応できたのは、
菅を支える和泉の力が大きかった。
しかし、その和泉が不倫報道で安倍から「注意」を受けて
影響力を低下させた。
コロナ対策で菅の存在感が潰えたのも軌を一にする。

3月15日、読売新聞の記事が永田町に波紋を広げた。
「首相 危機管理に腹心」の見出しで、
一斉休校の決断を支えた今井の影響力が高まっていると指摘。
一方、菅の力が急降下したとも伝えた。

「菅の動向に気を付けた方がいい。
『菅外し』が行き過ぎると、
菅が時期を見て官房長官を辞任し、
石破茂陣営に合流しかねない」。

同じ頃、安倍は出身派閥の細田派関係者からこうアドバイスを受けている。
安倍は「そこは大丈夫だ。
厚労関係はそもそも私の得意分野だということは菅さんも分かっているからね」
と受け流したが、実は
自身の足元で起きかねない地殻変動の予兆に感づいている。

「菅さんはやっぱり岸田さんがダメ」

そもそも「ポスト安倍」を巡る思惑の落差は大きい。
安倍は自らの後継として早くから自民党政調会長の岸田文雄を想定していたが、
肝心の岸田待望論が思うように膨らまない。

3月18日、東京・飯田橋のホテルグランドパレスの日本料理店「千代田」。
安倍は岸田と2人きりで向き合った。
表向きは新型コロナ経済対策の協議となっているが、
次期総裁選に向けた情勢分析が主眼だった。

岸田政調会長
「岸田さんからは各派との会合の様子など
支持取り付けに向けた動きについて色々と説明はあったが、
相変わらず迫力が足りない。
もっと成長してもらわないと」。

会合の後、安倍は問わず語りで周囲にそう不満を口にした。
安倍はその基本戦略を変えていない。

細田派と麻生派が結束して岸田派と組む。
計算上はそれだけで「岸田首相」誕生は可能だ。
ところが無派閥議員のうち40〜50人を率いるとみられる菅が、
岸田に強く反対している。

安倍は周辺に
「菅さんはやっぱり岸田さんがダメなんだよなあ」と漏らし、
菅との大きな隔たりを認めてもいる。

菅は裏で岸田を
「発信力がないので選挙で勝てない」
「何がやりたいのか全くわからない」とこき下ろしてきた。

一昨年の自民党総裁選前には、
なかなか安倍支持を明言しない岸田の様子を見て、
安倍に「岸田さんにも立候補してもらえばいいじゃないですか」と進言している。

その時、菅は
「今さら岸田派に支持してもらっても閣僚ポストが足りない」ことを理由に挙げたが、
安倍と岸田を仲違いさせたい思惑から出た言葉であることは明白だ。

菅は一貫して「岸田政権阻止」に奔走してきた。
安倍が忌み嫌っている内実を承知の上で、
岸田の後見人である元自民党幹事長の古賀誠に接近。

その政治資金集めに協力するなど恩を売り、
古賀に「次は岸田でなくてもいい」と発言させたことはその典型だ。

昨年の参院選の広島選挙区では、
新人の河井案里を全面的に支援して
岸田派最高顧問の溝手顕正を追い落とした。

一連の菅の行動の理由は、単なる岸田嫌いにとどまらない。
次の政権でも自らが権力を握る立場に居続けるためにほかならない。

他方、消費税への軽減税率導入などで
何かと菅と対立してきた副総理の麻生太郎も、
元は共に旧宮沢派の一員だった岸田を「ポスト安倍」の有力候補と考え、
定期的に酒を酌み交わす。

麻生が明確に岸田に舵を切り、
「岸田首相」となれば菅の居場所はない。
...』



『コロナでわかった真実「やっぱり日本には菅義偉が必要だ」大黒柱を蔑ろにした安倍政権の大罪      プレジデント Digital
渡瀬 裕哉早稲田大学招聘研究員

安倍政権の危機管理能力について、疑問視する国民が急増

「幾多の政権の危機に対し、それらを乗り越えてきた安倍政権が
急速に支持を失いかけている理由」とは一体何だろうか。

表面上、安倍晋三首相を補佐する
主要な人事体制に変化は起きていない。
政権を支えてきた

麻生太郎副総理兼財務大臣、
菅義偉官房長官、
二階俊博幹事長らの布陣は、

過去の政局および選挙において難なく
敵対勢力を蹴散らす鉄壁の強さを発揮してきた。

今回の新型コロナウイルス問題への対処を通じ、安倍政権の政権運営において
菅官房長官の役割が極めて重要であったことを再確認するべきだろう。

新型コロナウイルス問題が深刻化している米国では、
ドナルド・トランプ大統領が同問題の対策のための責任者として
マイク・ペンス副大統領を任命している。...

安倍政権内で誰が責任者なのかもよくわからなかった

...安倍政権内で誰が責任を持ってこの問題に対処しているのかという
基本的な事柄ですら、
3月6日に西村康稔経済再生担当大臣が
新型コロナウイルス対策の担当大臣に任命されるまで
国民の目には明らかではなかった。
...加藤勝信厚生労働大臣が悪戦苦闘する中で、
小泉進次郎環境大臣らは同本部の会議をサボって地元会合に参加
している程度の極めてまとまりのない状況となっていた。
...
2月27日には、文部科学省との十分な調整が行われていないにもかかわらず、
安倍首相は突然の記者会見で
小中高校休校について地方自治体への要請を行った。

この唐突な要請によって、子どもの世話と仕事の都合との間に挟まれた
保護者が日常生活の段取りの急な見直しを迫られることになり、
少なくない国民の間に安倍政権の強引な対応への不平が生まれることになった。

安倍政権の危機管理力が問われた新型コロナウイルス問題の初動対応において、
菅官房長官の影は一貫して薄いものだった。
特に2月27日の小中高校の休校要請という重要局面において、
菅官房長官はその意思決定の場から外されていたとされている。

内政における調整役として重要な機能を担ってきた菅官房長官を
スポイルしたことで、調整不足の強引な政権運営が発生し、
上記のような混乱が生まれたと見ることもできるだろう。

3月24日には
安倍首相と国際オリンピック委員会の
トーマス・バッハ会長が東京オリンピック・パラリンピック延期で合意した後、
小池百合子都知事が東京都民に週末の外出自粛を呼びかけるとともに、
緊急事態宣言発令を可能とする
特措法に基づく政府対策本部が立ち上げられる状況となった。
...』




麻生、二階、菅、「安倍政権3本柱」にあつれき
「ポスト安倍」で3実力者の権力闘争に火ぶた
泉 宏 : 政治ジャーナリスト 
2019/03/01 16:00

米朝首脳会談や統計不正をめぐる国会の与野党攻防に注目が集まる中、
ここにきて安倍晋三政権を支える
麻生太郎副総理兼財務相、
二階俊博自民党幹事長、
菅義偉官房長官の
「3本柱」のあつれきが永田町の話題となっている。

3人のそれぞれの行動や発言ぶりが
党内外での批判や反発を招いていることに加え、
お互いの政治的対立にもつながっているからだ。

麻生、二階、菅の3氏は、首相が政権の骨格として、
多くの政治課題での対応を委ねている実力者だ。

ただ、首相と3氏の個人的な距離がそれぞれ異なっている上、
「ポスト安倍」での戦略や立場の違いが
水面下での権力闘争につながり、
安倍1強体制にすきま風が吹く原因とみられている。

岸田、二階両派の抗争が再燃

衆院予算委通過をめぐる与野党攻防が大詰めを迎えた27日、
女性問題で自民党を離党した田畑毅衆院議員(比例代表東海ブロック)が
衆院に議員辞職願を提出した

同氏の辞職により、同党比例名簿に従って元職の吉川赳氏が繰り上げ当選する。
二階派の田畑氏は2012年衆院選で初当選し、現在当選3回で、
いわゆる「魔の3回生」の1人だ。

同氏は知人女性から準強制性交容疑で愛知県警に刑事告訴され、
与党からも議員辞職要求が噴出したことから辞職に追い込まれた。

単なるスキャンダル辞職以上の騒動となったのは、
繰り上げ当選する吉川氏が
岸田文雄政調会長の率いる岸田派所属で、
衆院静岡5区での自民公認となる党支部長を務めているのが理由だ。

1月末に同区選出で旧民主党出身の細野豪志元環境相(無所属)が
二階派に「特別会員」として入会して自民入党を目指しているため、
次期衆院選での同区公認候補をめぐる岸田、二階両派の派閥抗争が激化するからだ。

細野氏の二階派入会以来、静岡5区の公認をめぐる
両派のさや当てはすでに始まっている。

岸田氏は25日の吉川氏の後援会会合で
「吉川氏を静岡5区でぜひ押し上げてほしい」と拳を振り上げた。
ただ、同区では細野氏が3回連続で吉川氏を圧倒した実績があり、
二階氏は翌26日の記者会見で「(静岡5区では)有権者の判断を尊重する」と語った。

二階氏は25日夜に都内で細野氏と会食して
選挙戦略などを話し合っており、
岸田氏をけん制した格好だ。
...
こうした3氏の言動やあつれきが永田町の耳目を集めるのは
「3人の実力者の主導権争い」(細田派幹部)との見方が多いからだ。

3氏の首相との距離は三者三様だ。
麻生氏は首相の長年の盟友で後見人も自認し、
「首相の精神安定剤」と呼ばれている。

二階氏は首相と主義主張が異なるが、
「首相を支持することで党内影響力を拡大している」(自民幹部)ことに加え、
「剛腕だけに首相も切るに切れない関係」(同)とみられている。

無派閥の菅氏は第1次政権以来、重要閣僚などで首相を支え続け、
「人事などで辣腕を振るい、霞が関を支配する官邸主導の張本人」
(財務省幹部)との評がもっぱらだ。

政界では
「敵の敵は味方」
「昨日の敵は今日の友」が常識で、
とくに派閥領袖など実力者の人間関係は「めまぐるしく変化するのが当たり前」
(自民長老)とされる。

...
二階氏80歳、
麻生氏78歳、
菅氏70歳と、
3氏とも首相(64歳)よりかなり年上だ。

ただ、麻生氏は副総理兼財務相に就任した際、
側近に「首相が突然退陣したら受け皿になる」と胸を張ったとされる。

また、二階氏も第2次政権発足の段階では
「機会があれば総裁選に挑戦も」と意欲も見せた。

一方菅氏は、岸田氏、石破茂元幹事長、加藤勝信総務会長と並んで
一部メディアで「岸(岸田)破(石破)義(菅)信(加藤)」などと紹介されるなど、
ポスト安倍の一角に名が挙がっている。ただ、

現状では「3氏の共通項はポスト安倍でのキングメーカー狙い」
(自民長老)との見方が支配的だ。

首相側近の加藤勝信総務会長は27日の講演で
「国民から『さらに』という声が出てくれば、
そうした状況が生まれるかもしれない」と首相の総裁4選論にも触れた。

これは2月10日の自民党大会後に二階氏が「4選」に言及したことを踏まえたものだ。
首相は「次はない」と笑って否定するが、
「これもポスト安倍での神経戦の一環」(首相経験者)とみる向きが多い。

ただ、麻生氏ら3氏のあつれきが深まれば、
現在の安倍1強体制も揺らぐだけに、
参院選後の党・内閣人事も含めて首相の頭痛の種ともなりそうだ。
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安倍VS菅「桜スキャンダル」暗闘の舞台裏
(3)内閣府筋から情報がボロボロ…

『 菅官房長官に近い自民党関係者によれば、
「菅原さんも河井(克行)さんも、
菅さんが総理に進言する形で閣僚就任が決まった。

問題はその際の身体検査。もちろん菅さんの責任もありますが、
最大の謎は安倍総理がなぜ、あえてスルーさせたか。
実は9月の内閣改造直後から、
『新閣僚の中には身体検査で問題のあった者が数名いる』
とささやかれていた。

つまり安倍総理は知っていたわけです。
それが2人の辞任劇として、現実のものとなった」

 推挙した新閣僚が相次いで辞任となれば、
ポスト安倍の有力候補の一人とされる菅官房長官の大きな失点となる。
しかも2人の辞任は「また安倍ドミノか」と言われながら、
政権支持率はそれほど低下することもなかった。

まさに「肉を切らせて骨を断つ」とでも言うべき、
安倍総理一流の高等戦術だったのではと、
菅氏周辺は勘ぐったのだ。

だが、菅官房長官も黙ってはいなかった。
菅原氏が経産相を辞任する前日の10月24日、
今度は安倍総理の側近中の側近、萩生田光一文科相(56)が
BSフジの報道番組に出演し、
大学入学共通テストに導入予定の英語の民間試験について
「そこは自分の身の丈に合わせて」と発言して
火ダルマに。

安倍総理の側近議員の一人は
「確かに萩生田さんの失言だが」と前置きしたうえで、こう言うのだ。

「問題は、失言後の菅さんの対応。
本来ならば安倍総理の女房役として防波堤になるべきところを、
定例会見でも『発言の趣旨は承知していない』と実に素っ気なかった。

結局、萩生田さんは国会で釈明と謝罪に追われ、
英語民間試験も見送りとなったが、
この間、菅さんは
『業者名なども含めて資料をしっかり出せ』などと
文科省にハッパをかけていたようです」

 こうした謀略が交差する中で飛び出したのが
「桜スキャンダル」だったのだ。

火をつけたのは共産党だが、
やはり菅官房長官の「その後の対応」に不審の目が向けられているという。

側近議員が続ける。
「『桜を見る会』の所管は内閣府。
その内閣府をはじめ、事実上、
各省庁の幹部人事権を掌握しているのが菅さんだ。
今回の一件では招待客の名簿こそ廃棄されたとして公になっていないが、
安倍総理や昭恵夫人の招待枠の存在など、
内閣府や官邸筋から情報がボロボロ出てきている。

政治の世界では、事態を傍観することが
ブラフと受け取られることもある。
安倍総理の胸中にも今、そんな疑心暗鬼が渦巻いている」

 ポスト安倍を巡っては、
安倍総理と袂を分かった石破茂氏(62)が意欲を示しているほか、
二階幹事長もキングメーカーとしての座を狙っているとされる。

自民党大物議員は、そんな永田町タヌキらが繰り広げる抗争劇を
次のように形容している。

「相撲に例えるならば、まずは
安倍さんと菅さんが土俵上で金玉を握り合っている。
横にいる岸田さんは両者の金玉を握ってはいるものの、
逆に2人からも握り返されている。

さらに土俵の下からは石破さんがマジックハンドで3人の金玉を握ろうと手を伸ばし、
行司役の二階さんが誰のモノが潰されずに残るかじっと眺めている、

という図だ。あの人は勝ち馬に乗るタイプだからね。
これがホントの玉の輿だよ」
潰すか潰されるか。権力闘争を繰り広げる策士たちの股間から目が離せない。


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/47488
『菅官房長官が語った「安倍総理との本当の関係」
"影の権力者"のホンネ       松田 賢弥

「敵がいないんだよ」
菅は、言葉が少ない分、容易に自分の肚の内を窺わせようとしない。
改造を乗り切れば、第二次安倍内閣はいよいよ長期政権になるのだろうか。
菅に尋ねた。

「長期になりそうだ。俺は安倍さんを支える側でいく、そういうことだ。
しかし、今の自民党で表立って安倍さんに異を唱えられる人はいないんだよなあ
敵がいないんだよ」

安倍内閣を支える菅義偉官房長官。
秋田から集団就職で上京した男は、
地盤、看板、鞄の「三バン」なしで、
どのようにして「影の総理」とまで呼ばれる地位にたどりついたのか?
...

本書の中から、インタビューを一部公開する。
* * *
私とのインタビューのなかで、安倍との関係を菅はこのように語っている。

──第一次政権以来、一貫して菅さんが推しているのが安倍総理です。
「私が安倍晋三という政治家を信頼するようになったのは、
拉致問題がきっかけです。
当時、私は当選二回。安倍総理は官房副長官でした。
...
──安倍総理は祖父が岸信介、父親が安倍晋太郎という
政界のいわばサラブレッド。...

第一、安倍と菅では育った境遇が違い過ぎる。
菅は安倍をも乗り越える権力を握ることを
じっと胸の奥で滾らせているのではないだろうか。
そうでなければ、豪雪の秋田から上京し紆余曲折の末、
政治の世界に飛び込んだ菅自身の這い上がってきた人生は
完結しないように思えるのである。
...
(続きは『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』をお読みください)』

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