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 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、

2015年2月に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会した、

と学園側から報告を受けたとする内容を、

愛媛県職員が文書に記録していたことがわかった。

 

加計氏が学部新設を目指すことを説明し、首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」

と応じたとの報告内容も記されている。

愛媛県は21日、この文書を含む関連の文書計27枚を参院予算委員会に提出した。

 これまで安倍首相は、加計氏について

「私の地位を利用して何かをなし遂げようとしたことは一度もなく、

獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」と答弁している。

また、学園の学部新設計画を知ったのは、国家戦略特区諮問会議で学園が学部設置の事業者に決まった

17年1月20日、とも説明していた。

15年2月の段階で加計氏が話をしたとする文書の内容と、安倍首相の説明は矛盾しており、

あらためて説明を求められそうだ。

 

 首相の発言が記録されている愛媛県の文書は

「報告 獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者との打合せ会等について」との題名で、

「27.3.」と書かれている。15年3月に作成されたとみられる。

 文書では、学園側の報告として「2/25に理事長が首相と面談(15分程度)」し、

加計氏が首相に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」と記載。

「首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記されていた。

 別の文書には、今治市からの報告として、加計氏が安倍首相と会う前の15年2月に、

学園側が加藤勝信・元内閣官房副長官(現・厚生労働相)と面会した、との記述もあった。

獣医師養成系大学の設置は「厳しい状況にある」とし、学園の動向として、

国家戦略特区で獣医学部新設を目指す新潟市への危機感から

「理事長が安倍総理と面談する動きもある」と書かれていた。

 

 当時の柳瀬唯夫・元首相秘書官(現・経済産業審議官)に関して記述された文書もあった。

今治市からの報告として、同年3月24日に柳瀬氏と学園側が面会した際、

柳瀬氏が「獣医師会の反対が強い」と述べ、

 

「この反対を乗り越えるため」として、「内閣府

藤原地方創生推進室次長に相談されたい」と述べた、と記載されていた。

 

 文書は参院予算委の要請に応じて再調査した結果、見つかったといい、

今治市加計学園の職員らと首相官邸などを訪れた15年4月2日の面会内容や、

この面会に至るまでの経緯が主に記されている。

愛媛県は公表していないが、朝日新聞は国会関係者から入手した。

     ◇

 加計学園は「理事長が2015年2月に総理とお会いしたことはございません。

既に多くの新入生が大学で勉学をスタートしており、新学期の学務運営、また在学生の対応で

とても取材等受けられる状態ではありません」などとするコメントを出した。

 

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玉木氏、安倍首相は「もう詰んだ」 愛媛県新文書に上がる野党のテンション

 
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   学校法人加計学園の獣医学部新設計画を2017年1月20日に「初めて知った」と繰り返してきた安倍晋三首相に、強い逆風が吹き始めた。

   愛媛県が18年5月21日に参院予算委員会に提出した文書で、安倍氏と学園の加計孝太郎理事長が15年2月に面会し、その際「首相からは『そういう新しい獣医学部の考えはいいね。』とのコメントあり」という記述があったからだ。この文書の内容が正しければ、安倍氏は国会答弁よりも2年も早く計画を知っていたことになり、野党は「これは決定的だ!」「もう詰んだ」などと攻勢を強めている。

  • 国民民主党の玉木雄一郎代表は、首相の発言部分にマーカーを引いて「詰んだ」と書き込んだ
国民民主党の玉木雄一郎代表は、首相の発言部分にマーカーを引いて「詰んだ」と書き込んだ

当日の首相動静には「加計学園」の記載なし

   愛媛県が提出した文書は「報告 獣医師養成系大学の設置に係る学園関係者との打合せ会等について」との題名で、「27.3.」とある。平成27年=2015年3月の資料だとみられ、3月3日に加計学園関係者と県の間で打ち合わせ会を行った内容が記されている。加計学園から県に対して、2月25日に学園理事長と安倍氏が15分間程度面談し、その内容を県に報告している。それによると、学園理事長は「獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」。直後に

「首相からは『そういう新しい獣医学部の考えはいいね。』とのコメントあり」

と続いた。

   野党議員は次々に愛媛県の文書をSNSに公開。安倍政権打倒に向けた決め手になるとの見方が相次いだ。

「これは決定的だ!首相の進退に関わる!」(共産党・宮本岳志衆院議員)
「もう詰んだ」(国民民主党・玉木雄一郎共同代表)
「安倍政権終了です」(共産党・辰巳孝太郎参院議員)

   ただ、報道各社が報じた15年2月25日の首相動静には加計学園関連の記載はない。「密会」の有無も焦点になりそうだ。