京都の闇に魅せられて(新館)

老ノ坂峠・子安地蔵 @ 京都妖怪探訪(490)





(記事中の写真はクリックで拡大します)


 どうも、こんにちは。
 前回から一週間ばかり間を空けてしまいましたが、シリーズ再開したいと思います。
 今回から3回ほどにわたって、酒呑童子伝説ゆかりの地を訪れたいと思います。
 まずは京都市と亀岡市とのほぼ境目の老ノ坂峠、国道9号線沿いにある「子安地蔵」を紹介します。
 この子安地蔵には、3つの不思議な話が遺されています。


 まずはいつもの通りアクセスから。
 国道9号線、京都市と亀岡市との境目にすぐ近く。






 京阪京都交通バス「老ノ坂峠」停留所









 国道9号線沿い、バス停のすぐ近くにひっそりと地蔵堂が立っています。





 残念ながら、地蔵堂は普段は非公開のようで、ご覧のように入り口が閉まっていて、中には入れませんでした。
 観光地の名所旧跡みたいに、それとわかる標識や案内板とかも無いので、あまり目立たないのですが。

 ここには3つの不思議な話が遺されています。

 ひとつ目は、ここの創建に関する話。
 平安時代、かつてこの付近に「市森長者(いちもりちょうじゃ)」という長者と、その娘・桜姫が住んでいましたが、ある時桜姫が難産の末に亡くなりました。
 その後、比叡山の高僧・“恵心僧都”源信が長者の家に泊まった時、亡くなった桜姫の霊が現れ、死後の世界で苦しんでいることを伝え、救済を願います。
 源信が仏法の力で救うと、桜姫の霊はその報恩として「地蔵尊を創り、祀れば、以後は産婦の難産死を救う」と約束しました。
 源信はそれに従い、桜姫の塚に生えていた柏の木で地蔵尊像を造り、この地に祀ったとされています。
 これが大福寺という寺の始まりで、以後は安産守護の地蔵として信仰を集めたそうです。昭和8年(1933年)から昭和11年(1936年)にかけての老ノ坂トンネル工事の際、大福寺は廃寺になりましたが、地蔵堂だけはこうして現在地に遺されています。

 ふたつ目の話。
 源頼光とその配下の四天王による大江山の酒呑童子討伐の伝説です。
 平安時代、大江山を拠点とし、平安京で悪事の限りを尽くした鬼たちの大ボスであった酒呑童子は、源頼光と四天王に倒されました。頼光と四天王は、その首を持ち帰り、のちにその首は宇治平等院に封印されたとも伝えられています(※シリーズ第185回参照)。
 しかし、ここ老ノ坂の子安地蔵に「このような穢れた、邪悪なものを都に持ち込んではいけない」と咎められた源頼光らは、この地に酒呑童子の首を埋めて返ったという話も伝えられています。
 その首塚を埋めた場所が、現在「首塚大明神」と呼ばれる神社です。子安地蔵も、昔は首塚大明神のそばにあったとも伝えられています。
 その首塚大明神については、シリーズ次々回で紹介します。

 そして3つ目は……なんと、平成時代に入ってからの話です。
 『怪談実話NEXT』という本に収録された話であり、またシリーズ第400回でもとりあげたことのある実話です。
 “京都の妖怪絵師・伝道師”葛城玄幽氏が、「魔所や心霊スポットにあるものを持ち帰ってはいけない」というタブーを犯して、首塚神社境内から呪われた魔石を持ち帰ったという話です。
 首塚大明神からその魔石を持ち帰る途中、何とこの子安地蔵の前を車で通過した時、大きな音が車内に響いて、車を停止させることになってしまったという。
 これは「それを持ち帰ってはいけない」という、子安地蔵からの警告ではないか。
 子安地蔵は、酒呑童子が倒されてから千年以上経った現在でもなお、監視を続けていたようです。
 しかし同行した葛城氏の友人が恐れ、止めるのも聴かずに、葛城氏は呪いの石を持ち帰り、そして散々な目に遭われたそうですが……。
 さらに驚くべきことですが、現在では葛城氏はその魔石の呪いすら制してしまったようで、現在もお元気に活躍されておられますが……。
 ちなみに、以前見せていただいた問題の魔石、シリーズ第400回でも紹介しましたが、その姿を以下に。







 まるで無念の表情を浮かべた人の顔のようにも見えますが。
 それでは、葛城氏がこの魔石を拾われたという、魔所・首塚大明神を目指します。
 が、次回はその前に。
 その途上にあるもうひとつの有名な魔所を訪れます。
 
 
 今回はここまで。
 また次回。





*老ノ坂峠・子安地蔵へのアクセス・周辺地図はこちら




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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