日々のメモ帳

日常生活での、ちょっと気になった事や、面白かった事などメモしていきます。

『尼崎脱線事故から18年』/『安全はだれのため・・』/『はじめの一歩』

2023-04-27 14:37:32 | 安全管理
ここ何週間か、またまた『MEMO』の更新が出来ないまま・・となっているが・・
一昨夜も、突如『鉄工場のオヤジ』から電話を受け、いつもの仲間へ『ワイガヤ招集』
雨模様で・・阪神-巨人戦も中止となり・・『On-Line 飲んべ~会』となってしまった・・
そして・・翌朝・・昨日の御礼と・・ 『MEMO』はよう残して』との、督促があった
メールには・・昨日の『違和感』が残った『映像』が、『ネット記事』に出ていた・・
との事で、『切抜画像』(下記)が、添付されていた ・・

(調べた結果、送信してくれた『画像』は『昨夕(2023-4-25)の『KTV』ニュース』からのようである)
+**
たしかに、この夜も・・この『報道』を見た、古株の『オッチャン』からは・・
『なんやあの『かぶり方』・・』『『メット』かぶったことないんか・・』
『『あご紐』シマっとらん』『逆に危険や』・・・との・・お叱りも出ていたが・・
今週末の『朝会』で・・このまま・・『若手社員』へ見せて・・『どう思う・・』
と聞いてみたい・・・との事が、書かれていた。
『昨日出ていた、『安全の『基本』の『キ』。『だれ』のため・・』を問いたい・・
『まずは『自分』が、でけなあかん・・』『痛い目をするのは、自分や・・・』
そして・・この『感性』が『醸成』すれば・・自ずと『安全・安心』という事は・・
『仲間のため』『社会のため』という事に繋がり、『バンソコ災害』も撲滅するはず
『昔、お前のおやじが言うとった『仏は南(皆な身)におわす』や・・』と・・
『なぞの言葉??』も、書き残してくれていた。
とりあえず、手元に残した『雑書』を、記憶の範囲で、書き起こしてみる事にした。
+*+**
乾杯するや否や、『仕掛人』から・・『今日の夕方のテレビ見たか~』
『JR福知山線(尼崎)脱線事故から18年』『JR西日本「安全な鉄道」への誓い』が
報じられ・・この中で『事故後の入社社員、6割超』『安全教育が課題』との・・
映像が流れたが・・ここで映し出された『若い社員』さんたちに・・『違和感』が
『教育内容』も一部流れていたが・・
『安全はだれのため・・』が見えていないような気がする・・マスコミも含め・・・
・・・との切り出しが
+*+**+
緊急だったが、長年『安全管理』も担当の『コンサル君』や、『統計君』『やぶ医』
『元運送屋』も参加してくれ・・久しぶりに『危険を危険として感じる』から・・
これまでの『WAIGAYA』で出ていた、『バーチャル』『非現物』での『安全教育』
『安全装置』さらには『AI判断』での『危険回避』は、どうなのだろうとの話題も・・
ただ・・・今や、我々『ロートル組』は・・今日の『仕掛人』『オヤジ』は別として・・
もう『Real-現場』から、長年離れ ・・『良悪』別として『現代流』を知らず・・・
『外野席』となってしまったが・・・今後、不幸な『事故』を起こさないため・・
次の『孫世代』等へ、『自分の身は自分で守る』という事を・・どこかの機会で・・
正しく働きかける事も必要なのでは・・・との、意見も
+*+**
この夜の『ニュース映像』は、別の作業をしながらで、じっくりは見ていないが・・
『被災者の父親のコメント』にも出ていた・・『本質が読み取れているか・・』との
疑問が沸いた中での『ワイガヤ』招集であり・・いろいろと考えさせられた
これまでの『MEMO』の中でも、何度か『安全管理』。特に『事故原因解析』では
その『発生要因』を探る中・・『ひとつ前』さらに『もう一つ前』と・・丁寧に
『検証』する事の『重要性』を残したが・・まだまだ『不十分』ではなかったのか・・
という、『モヤモヤ感』を抱えたままであった。
参加の仲間から、この『脱線事故』は・・・『国鉄民営化』から『20年』・・
『旧国鉄マン退職』『民営化・収益増強』など・・・社内『改革』を急ぐ中・・
どこか『空洞化』は、なかっただろうか・・との、コメントも出ていた ・・
『民営化』『営利』、さらには『私鉄』などとの『顧客争奪戦』の中で・・・
なにか『基本的』な事。『安全運行はだれのために』さらには『安全手法』など・・
抜け落ちたことが、無かったのか。今一度『検証』を進める必要があるのでは・・
・・と、あらためて、この夜の『WAIGAYA』で思い起こした
この『18年』・・・どこまで『事故原因』は、突き詰めが進められたのだろうか ・・
+**+
会話の中で、思い起こすと・・我々も、丁度この年は・・『55歳』近くだった
『60歳定年前』の『役職定年』。『最前線』から、外れ始めた時期で・・
少し先輩の『団塊世代』の方々は・・『早期退職』をされ始める時期であった
たぶん、新生『JR西日本』も・・『世代交代』の時期ではなかったのだろうか
『バブル崩壊』や『働き方改革』などの中で、これまでの『社内風土』も変わり
『小集団活動』『改善提案活動』『安全パトロール』『安全監査』『ヒヤリハット』
『組合活動』などを含め・・いろいろな事が、大きく『変化』した時期にも思える
こんな中で・・・『人材育成』ではどうだったのか
『国鉄』を知らない、『平成入社組』が『中堅・管理社員』に育ったはずだが ・・
『事故を起こさない』という、『人』としての『思い』は、引継がれたであろうか
思い起こすと『昭和最終章』から『平成入社組』の『若手』を鍛えたのは『我々世代』
『我々世代』は『戦中派』の方から、『戦後復興』『高度成長期構築世代』の方々に
『薫陶』を受けたが、次の世代へ、この『思い』が伝えられたか、どうか・・・
一方で、この世代に入ると、『本質安全対策』が、『KY活動』の成果で取り入れられ、
『安全装置』などの設置もあり、『重大事故』は、大きく減少する傾向にあった
こんな事もあり、これも、この『MEMO』のどこかで書いたが・・
『無事故』が『長期継続』すると、『血を見たことがない管理職』が出てしまい・・
『危険感知力低下』となり、『不安全放置』『積極安全策取組み遅れ』が起こる
さらに、ここへ、この時代に導入され始めた『成果主義』『TPM管理』など・・・
『加点評価』となると、『点数評価』が難しい『無事故無災害』『安全継続』など
『会社存続のための必須事項』と、頭では判っていても・・・
『本来業務』として『注力』出来ない事になっていた『時代』のようにも感じている
これが、この『脱線事故』の『遅れた反省』で出ていた・・
『ATC強化』などの『積極安全対策』が遅れた要因でなければいいのだが・・
この時の『社会背景』なのかもしれないが・・根本は、この夜の『課題』であった
『安全はだれのため・・』と共に・・・『安全最優先』という・・
『個々人の思い』が無ければ、『KY』も出来ず、『対策』『予防策』は生まれない
*+**
そして、今日のニュースでは、『事故を知らない社員が半数以上』との報道も・・
JALも『御巣鷹尾根墜落事故』を『風化』させないため、『現存保存』を『研修』に
取り入れているが・・『組織』と共に、『個々人』の『意識』が上がらないと・・・
『安全はだれのため・・』という事が・・『想起』出来ないように思える
入社時『安全会議』で・・・ 『安全はだれのため・・』という事で・・・
『家族のため』『仲間のため』『職場のため』『会社のため』『社会のため』
さらには、少し古臭いが、『愛する人のため』『親御さん』という説明を受け・・
そして最後に、『傷つくのは自分』『だれかに怪我をさせると、自分も傷つく』
こんな事から『安全は自分のため』『自分で意識を上げるしかない』と・・・
繰返し教え込まれた・・・・ 今はどうなのだろうか
この『原点』が失われると、今後、もっと大きな『事故』が起こるかもしれない
*+***
とりあえず、仲間たちから、この夜出された『安全』に係る事をまとめてみた
<順不同>
・『新人研修』のありかた
  ・『安全はだれのため・・』・・ この『MEMO』で残した所
      『自分で意識を上げるしかない』 ⇒ 『どう教えるか』
  ・『安全の歴史を知る』 ⇒ 『なぜ・どうして』発生したのか
          『ハード』と共に、係った『人』『意識』
          『ソフト』の部分 ⇒ 『危機意識醸成』
  ・『危険意識醸成』⇒ 『何が危ないか』⇒ 『見る目』を教える
      ・『知らんかった』 ⇒  自ら学ぶ
             → 『考察力』『判断力』
  ・『安全確保力』 ⇒ 自らの『身』を置く場所を考えだす
      ⇒ 『Safety 』 ⇒ 『今何をすべきか』『どう対応すべきか』
     ★とっさの『判断』 ⇒ 『訓練』と『繰り返し』+ 『知識』
   『危険を危険と感じる力』 ⇒ 『他人の観察力』との比較
  ・『危険知識』 ⇒ 『学習』しかない (『危ないと感じる事』)
     ★昨今、親や教育現場 ⇒ 『危ない事』を『先詰』
        (昔は『赤チン災害は、子供の勲章』⇒ 今はご法度)
  ・『AI』に先を越されない (知らあない間に越されている)
     ★『フルブレーキ』を、自らの『意思』で踏めることの重要性 
  ・『安全サイド』へ、自らを導く
     ★『省略行為』『近道行為』という事がある事の理解
  ・『保護具』は『何のためか』を正しく伝える
      『身を守るもの』 ⇒ 『正しく装着』⇒ 『安全意識の高揚』
       『作業服』⇒ 『安全就業への切替点』(JAL⇒『Show Up 』)
  ・『相互注意』の重要性
       『指摘』する ⇒ 『安全感受性向上』
  ・『現代人意識』 ⇒ 『安全』では通用しない
    ★『誰かが(人)が、守ってくれなかった』
     『~~が無かったから』
     『教えてもらっていない』
     『聞いていない』
   ⇒ 『安全』の『基本』の『キ』 ⇒ 『自分で守るしかない』
・『訓練』の重要性
     『安全確保』←⇒ 『訓練』←⇒ 『危険予知』
         ・繰り返し
         ・事態想定 ⇒ 『現実』~ 『究極』
          『バーチャル』⇒ 『安易想定』 
          『究極想定』 ⇒  『安全感受性向上』
・『危険予知』→ 『現場主義』でないと生まれないのでは
  ・『バーチャル体験』『運転台シミュレーション』
     ⇒ 誰かが作り出した『危険』を体験するだけ
  ・『実走行映像』 ⇒ 『危険』を探り出す『訓練』
     (指導教官教授)&(危険を探り、議論し、共有する)
・『原理原則』を見抜く力 『Why・What 力』
  ・『判断ミス』 ⇒ 『原理原則』の『理解』 ⇒ 『危機回避』
     (『鉄道・車』⇒『速度』=『重力(重さ)』⇒ 『減速』)
・『自動化』の盲点 ⇒ 『新人』への意識づけ 
   『たら・れば』⇒ 『機械』以上に知る(『機械』から学ぶ事も重要)
  ・『AIの悪業』 ⇒ 『認知』⇒『判断』⇒『自動修正』  
             (先に越されることがない様に、『監視』)
・『身近な事故』の紹介 ⇒ 『危険を危険と感じる』
  ・『家庭内』 ⇒ 『まな板から包丁落下』『カッターナイフ折損』
  ・『街中』  ⇒ 『雨天時・スリップ』『グレーチング・ヒール破損』
  ・『キャンプ』⇒ 『カセットボンベ火災』『防水スプレー・引火事故』
・『バーチャル事故』⇒ 『KYポイント』を知る
  ・『YouTube 大工』⇒ 『電ノコ巻き込まれ』『板振り回され事故』
     『危険個所』 ⇒ (配信側)『未紹介』『省略』⇒ 『自明の真理』 
              (受信者) 『未熟』『非認識』 ⇒『重大事故』
・『KYポイント』⇒ 『危険を危険と感じた方しか説明不可』
  ・『図式』『写真』の重要性 ⇒ 『バーチャル3D』では表現できない
      ⇒ 『KYポイントが見えなくなる』 

最後に、いまさらという感もあるが・・『ここまで教えなあかんのか・・』
『『保護具』は『安全確保』の『基本』の『キ』』
『まず、『現場』へ出るときは『身支度確認』』『自分を守るためや・・』
『安全は『心』の問題』『繰り返しの訓練』『積み上げしかない』
ただ『余裕』が無くなると・・・『負のスパイラル』が回り出す
これを止めるには・・・『一旦停止』『再思考』
どう自分を『安全サイド』へ持ち込むか・・
これが、すべての『安全・安心』へつながるはず・・・と『統計君』が
+*+*+*
この他、『運送屋』から、先の『富士山バス事故』を受けて・・
『ミッション・ニュートラル化』の話が出たが、これも『新装置』となった時
いくら『安全サイド』になるとはいえ、『習熟訓練』の重要性を感じた
『パジェロ君』が参加してくれた時に、話題としてみたい。

<参考記事>
110km/hで暴走する列車、機能が無効だったATS
(日経) JR福知山線横転事故で事故調が異例の建議提出

・・ まだすべて未確認 (明日に間に合うように)

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『防災の日』/ 『危機意識が薄れるマスコミ報道』/『トップの危機感』

2020-09-02 15:17:20 | 安全管理
昨日、9月1日は『防災の日』であった。
今年は、『首都直下型』『南海トラフ巨大地震』を想定した総合防災訓練として『命を守る対応』を検証する事を目的に、新型コロナウイルスの拡大を受け、感染を防ぐ避難所の運営方法を確認する訓練が各地で行われたようであるが、テレビ報道では『総裁後任選挙』の話題一色となり『防災の日』の意義が・・どこか薄れてしまった感がある。

たしかに、『ポスト安倍』での政治運営がどうなるのかは気になる所であるが、『派閥間抗争』での総裁選の議論は、こんな時間かけての報道が必要なのであろうか・・・・

先々週、首相が再検査を受けたあたりから、『コロナ』報道が『総理退陣に向けた報道』へすり替わり、お盆明けに議論が進んでいた『感染者数の数から重症者、亡くなられた方の重要性』や『PCR検査数増での真の検査対象』さらには『感染症での指定変更』などの話題が、一気に塗り替えられてしまった。

『コロナ禍』の『危機意識』がマスコミでゆがめられた感がしている。
報道として、今、一番に国民が考え行動をすべき事な何なのかを正しく報道するのが、マスコミの役目ではなかろうか。
このメモでも何度か『コロナ禍』をマスコミが煽っていると書いたが、今回は『正しく恐れる』事にブレーキをかけた責任は重いと感じている。

昨日の『防災の日』は、『自民党の内輪事』より、もっと国民へ『備える事』を伝えるべきではなかったのではなかろうか。

こんな事を思っていた所・・・
今朝も富山県で少し強い地震が起こった。
台風や集中豪雨による大規模水害は、ある程度の予測が出来、『命を守る行動』へは備える事が出来るが、『地震』や『火山噴火』は突然に発生する。
これに向けた備えを考える日が『防災の日』であったはずである。

日本列島は、世界の中では『地震の巣』の中に存在している。
いつ大きな地震が発生したり、プレート界面がこすれる事でのマグマ発生で火山が噴火し、日本中『降灰』で生活が成り立たなくなる可能性がある。
このメモでも何度か『地震』についても気になる事項を書き加えたが、小松左京の小説『日本沈没』も、現実として考えておく必要があり、『いざ』への備えを常にしておく必要がある。

8月に入り、『地震』については少し動きが気になっている所がある。
発生した地震は、アメリカのUSGSという機関で、すぐにプロットされるが、
ここ2カ月、M2.5以上の震源を見ると『日本列島』は・・点で覆いつくされる。
世界一の『地震密集地』であることが判る。


もう少し『日本列島』だけを見ても、関東中心の発生は頻発傾向にある。
このプロットは地震の強さを示す『マグニチュード』であり、時々ゆらゆらと感じた時に報道される『震度』ではないが、プレートが潜り込んだ地下での、歪を戻すためにエネルギー放出の度合いであり、この数値の方が『危険性』を考えるためには重要と感じている。


最近の動きでの中で、特に地下深くで発生する『深発地震』が多いような気もしており、8月初めの紀州沖や中越で発生した地震は、東北へ伝播し、『震度』こそ小さく大きな被害を及ぼさなかったが『異常震域』という珍しい地震も発生(ウエザーニュース記事)している。
日本の周辺で『プレート』が複雑にもぐり込んでおり、この動きが気になる所である。
最近の地震から幾つかの発生個所と震源の深さを記してみたが、『太平洋プレート』が『フィリピンプレート』の下へ。関東以北の地震は『オホーツクプレート』の下へ『フィリピンプレート』との気象庁報告もあり??、さらには『ユーラシアプレート』の下で3枚重ね??の可能性も出て来る複雑な所が震源となっている。


2011年の『東北地震』では『太平洋プレート』側での『アウタライズ地震』も要因との事が残されていたが、上記発生メモの中でも見受けられ、最近の『千葉内陸部、沿岸部』との関係も気になる所である。

話しが少し横へそれてしまったが、『地震予知』はまだ不可能である。
そして『火山噴火』もある程度は『予見』は出来るが『発生は止められない』。

『地震』での甚大な被災や、これに伴う『津波』。さらにはイタリアや中南米などでの大噴火との複合被災となると『日本の機能』はすべて止まってしまう。
今年4月末に公表された『富士山噴火での被害予想』や『NHKスペシャル』などで『降灰被害』は『警鐘』されているが、なぜ『防災の日』は軽視されたのか・・・
今朝の新聞の記事にも出てこない・・・・


+**
一部の地方ニュースでは、3密(密閉、密集、密接)回避のため、訓練規模を縮小したり、中止したりする自治体もあったとの事であったが、自宅で出来る『防災の日』への取り組みも出来たのではなかろうか。
これを担うのは『マスコミ』の力が大きい。
例えば・・
今までの『防災グッズ』に加え、『感染症』などの『複合被災時』に付け加えるべきものを、もっと広く知見を集め、この日に報道する事で・・・
『防災の日』・・『命を守る行動』
そして『感染症への危機感』も、もう一段レベルアップ出来たのではなかろうか。

*+**
ここまで書いてくる中で、またまた最近の『マスコミ』や『自民党政権』『野党』の『危機感』という事について、本当に大丈夫なのかと思いが出て来た。

今、置かれている『新型コロナ感染の収束』への危機対応と言う点では、国民が一体化し、この対応にあたる関係機関は、方策の議論はすれども、決められた事項については同じ方向を向いていく必要が重要と思われる。
そして、この方向を『マスコミ』は正しく伝える義務があるものと感じている。

例えば『野党』の動きにおいても・・
この『未曾有の国難』と言える時期に、次の政権奪取のために『合体』の動きがあったり、予算委員会で、本来の審議を止めるような『厚労副大臣のプライベート問題』を取り上げたりしているが、もっと建設的な議論が出来ないものであろうか。
GoTo キャンペーンでも宿泊先ホテルの不備だけを問うような議事も出ている様であるが、もっと具体策を示しての審議を行わないと、先の『モリカケ』での不毛の議論の様に、時間だけを費やしてしまう。
この『コロナ対応』は、正しい判断で『スピード』が要求される。
国会議員は『保守』『野党』の枠を超えた超党派で動いてほしいが、6カ月もたっても、足の引っ張り合いである。

大阪でも、維新と自民党の分裂で『大阪都構想』をがむしゃらに進めているが、この議論や、これに向けた準備室を、なぜすべて『コロナ対応』へ振り向けられないのか・・・
今だかって、府知事や大阪市長のリーダーシップには疑問が残ったままである。
『コロナ収束後まで一旦検討中断』・・と言えないものか。

マスコミは、『コロナ感染者』でのマンネリ報道が続いたためか・・
感染症学会での理事長の『第二波の真っただ中』発言と、専門家の方々の『収束方向』発言でのニュアンスの違いに、『組織内分裂』的な報道や、政府の『何をもって第二波』との公式コメントから『学会無視』を思わせるような発言のワイドショーも見られた。

そして、先週あたりからは、政府が『保健所業務の負担軽減』を目的のためか、今般の『新型コロナ』の『指定感染症』の位置づけを『二類相当』から引き下げる事への専門家を交えた議論もなされているが、5類に入っている『新型インフル』のようなワクチン、治療薬が無い中での『リスク』が十分に伝わってこない事も気になる所である。

(政府資料より)

確かに、もう少し簡単に検査が受けれて、軽症の場合は『自宅隔離』でもいいが、重症化の場合の『病院手配』。さらには『感染ルートのトレース』など、『想定』すべきことが多い感染症であり、このあたりもっと安易な方向へ煽る報道だけは避けてほしいものである。

PCR検査数についても、ある番組で地方の知事さんが、『当県の検査数は1日1000件は難しく』と発言され、『そんなにも少ないのですか』とキャスターが切り返していたが、各報道機関ももっと現実をしっかり把握した上での、報道をお願いしたものである。
たぶん、報道制作者が、最新の厚労省のアドバイザリー会議で示された、都道府県別の検体採取、分析能力(通常、最大)などを見ていないからであろう。

今日も京都府が検査能力を機器導入で増強すると新聞報道されているが、高々、1日800件程度の増であり、コメンテーターが闇雲に叫ぶ『検査能力増強』の実情も正確に伝えないと、報道を見た方は、『いつでも』『だれでも』『何回でも』という海外の実情報道を間違って捉えてしまうかもしれない。

東京世田谷方式でも、あくまでも保険適用外の『学術検査』からスタートするようであり、テレビでよく出てこられるクリニックが『PCR検査は当院で』と話されているが、実際は『検体採取』のみで、『測定』は『民間へ委託』されており、このような事なども、もっと何がどうなっているのか、あおるだけの報道でなく、そろそろ実情を正確に伝える必要があるのではなかろうか。

そして、昨日朝『防災の日』の訓練の最中、次期『総裁候補』の方がテレビへLIVE出演されていた。
何をこの時期。もう現総理大臣は引退されることは決まっている。
『あなたが次期総理を受けるのであれば・・』
あまりにもトップとしての『危機感』のなさに驚かされた。

この『訓練』が形式的で、形骸化されたものであることを物語っている。
この点では『マスコミ』も共犯である。

政府対策会議と同じ時間帯に、なぜ『次期総裁候補者』を呼び出して出演させたのか。
冒頭に書いた・・『防災の日』の意義はどこへ の思いである。

このメモの中のどこかで書いたが、昨年の『新型インフルエンザ等対策訓練』も、
今回の様な『危機感』のない形式的な会議であったのか。
このためであれば・・・
『新型コロナ感染症』の対策へ活かされなかったのが残念である。

こんな『ゴタゴタ』がニュースとなって報道されれば、国民も『何を信じて』という事になり、『気のゆるみ』を助長させることが危惧される。
政府コメントでよく使われる『緊張感をもって』ではなく、『危機意識』を常に持った行動が出てこない限り、国民はついてこないと感じている。

そして、この『防災の日』の動きをもう一度内閣府のHPから見返してみると・・
『新型コロナ』の初動で、『もやもや』していたものが少し見えて来た。
それは・・・・
『組織』が見えない事である。
昨日の総理が国民に向けての報道でも、
冒頭担当者から・・・
今回の『緊急対策』では
 『**対策会議を招集』『**を本部長』
『以下この組織に従う・・・』 との簡単でもいいから
説明があってもいいはずである。
これがないままで、いきなり国民へ向けたメッセージでは・・・
この後の事態が読めない。

『誰がどのような組織で動くかが』簡単に説明が無いと・・・
との感がした。


今回の『新型コロナ』では、報道での『リスクコミュニケーション』の進め方が、三菱総研が取り纏め、レポートとして残されているが、何も活かされていない。
もう少し資料を詳しく見てみたい。  (政府資料のURL**)
(参考)
新型コロナ対策に不可欠なリスクコミュニケーション

長々となったが
 来年2月には、感染症を新たに認識する『コロナの日』が制定されることを祈りたい。

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中国、化学工場で爆発/日本の精密化学産業への影響は

2019-03-22 12:54:23 | 安全管理
昨夜ニュースを見ていると、中国で化学工場が大爆発する衝撃的な映像が映し出されていた。
日本の化学産業も、大手化学会社で2011年頃から連続して大規模な爆発火災事故を起こした事を思い起こした。
当時、まだ化学会社に在籍しており、事故原因の解析結果を基に、再度のリスクアセスメントを行い色々な対策をとるサポートをしたが、別の課題として、団塊世代の退職に伴う『技術伝承、安全伝承』という新たな課題も見えてきた。
最近でこそ大きな事故は起こっていないが『安全はすべてに優先する』の精神で仕事に取り組んでほしいものである。

そしてもう一つ気になる事がある。この化学会社を含め中国で生産している製品である。
このブログでも何度か書いた事があるが『風や桶や』の関係である。

過去日本では色々な化学品を生産するための基幹原料は、古くは化学の先進国であるドイツから輸入し、その後、技術の蓄積で殆どの化学品を生産してきたが、公害問題や安全性の問題、さらにはコスト面などからだんだん日本から出て行き、今は輸入に頼るようになっている。

今回の事故も『ベンゼン』を出発する化学品の様であるが、ベンゼン → ニトロベンゼン(ニトベン) →アニリン・・といった化学製品の原料の原料であれば大変な事になる。
化学品の出発する所の事故であれば、今最先端での機能色素や、昨年も問題となった特殊な色の顔料が国際的に不足するなど、大変な問題となるであろう。(後記)

これが『風や桶や』の関係である。
たぶん、今、化学製品を作られている方、大学で研究されている方でも、ここまでさかのぼって有機化学を解ける方は少ないかと思われる。
ベンゼン(亀の甲)は化学製品の中に色々と組み込まれているが、手を付けていかないと反応が進まず、この手、反応基を付けていく工程は複雑であり、上記のアニリンにスルフォン基を付けて、そこから染料の母体となる中間体を作るなど、化学の教科書にも出てこない反応工程があったかと思う。

これで思い出した事がある。8年前の東北の地震の時に引っ張り出された大先輩である。
資材部門に長年おられた方であるが、売り込みに来る化学品商社の方からは、別名『化学品の生き字引』というあだ名が付けられていた。これは、化学工業日報社が発行している『何千何百の化学商品』の内容を、商社の方よりも詳しく理解しておられたからである。

小生も、初めてお会いしたのが阪神大震災の時であり、当時別会社に在籍されていたが、自社が購入している化学品を含め、どうゆう化学会社が、どういう方法(プラント)で生産しており、どこの工場でどの位作られているかをよく覚えておられ、非常事態でもあわてることなく調達を進められた神様の様な方であった。
さらに裏の情報も色々と掴んでおられ、平時でもここが危なそうだ。何かあれば足りなくなる可能性があると、常々危険予知をされていた。
化学業界の先にある末端製品市場で使われそうな原料問題にも造詣があり、自動車産業は10年もすればかなりの台数が電気自動車になる事や、テレビもプラズマではなく機能色素、有機ELの時代となり、違う原料が取り合いになると・・退職前に話されていた。懐かしい限りである。

この方から、危険予知、究極のBCP、そして、いざという時にどうするかという事と、確か『風や桶屋』の話も教えて頂いたと思う。
東北の地震の時、千葉のコンビナートでの火災を受けて、各社の生産品目の流れがすぐに引き出せたのもこの方の教えの賜物であった。
何か異常事態、事故が発生すると、自分たちに係わる納入原料を中心に調べるが、その前、そしてもっと源流まで遡らないと、危機回避は出来なくなる。
『風や』と『桶屋』を結びつけることは相当勉強しないと難しいかもしれないが、製造業に携わる者にとっては重要であり、アンテナを高く張り巡らせる必要がある。

トヨタなどは、本社の資材担当部門が海外の化学会社が事故を起こすたびに即答で影響調査を求めてきていたが、事業継続の中での意識の高さに驚かされた所でもある。
今回も今朝、すぐに発信されているのではなかろうか。

話しを少し昨日の事故へ戻して、ニュース記事をネットから調べると
昨夜のTBSなどでは 『≫中国、化学工場で爆発 6人死亡
中国東部にある江蘇省・塩城市の化学工場で爆発があり、これまでに6人が死亡、30人が重傷です。
日本時間午後4時前、江蘇省の農薬を生産する工場で爆発がありました。工場近くで撮影された映像からは建物や停車中の車が爆風で壊れている様子が確認できます。地元当局によりますと、この爆発で少なくとも6人が死亡、30人が重傷ということです。
また、中国国営テレビは工場近くの住宅や小学校の窓ガラスが吹き飛ぶなどの被害が出て、小学校の児童らがけがをしたと報じています。』
と報道されている。

このニュース記事を検索している中で、ネット動画に『江苏盐城化工厂』という会社の記載があった。
どうもこの江蘇天嘉宜化工(Jiangsu TianJiaYi Chemical)という会社のようである。

<Livedoor Newsより>
【新華社南京3月21日】
21日午後2時48分(日本時間同3時48分)ごろ、中国江蘇省塩城市響水(きょうすい)県の生態化学工業パークにある天嘉宜化工有限公司で爆発があった。事故発生後、江蘇省、塩城市、響水県が直ちに緊急態勢を取り、いち早く事故の救援作業などを行った。午後7時(日本時間同8時)までに6人が死亡、30人が重傷となっており、この他、複数の負傷者が出ている。現場では現在も救援活動が続いており、医療衛生部門は負傷者の救助に全力で取り組み、環境保全部門は環境モニタリングを行っている。(記者/邱氷清、朱国亮、呉新生)

爆発火災の報道の中で「農薬の原料のベンゼンが爆発した」との記載があり、この会社の生産品目をカタログで見てみると、
间苯二胺(CAS 108-45-2) C6H8N2
 (1,3-フェニレンジアミン m-Phenylenediamine)
邻苯二胺(CAS 95-54-5) C6H8N2
 (1,2-フェニレンジアミン o-Phenylenediamine)
2,3-二氨基甲苯(CAS 2687-25-4)C7H10N2
 (2,3-ジアミノトルエン)  
などが載せられており
用途は:医药原料和染料中间体 と記載されている。
生産品 生産量も间苯二胺(1,3-フェニレンジアミン)は年間17000吨であり、对苯二胺、间羟基苯甲酸、三羟甲基氨基甲烷、均三甲基苯胺、2,5-二甲基苯胺、3,4-二氨基甲苯、间二甲胺基苯甲酸、对甲苯胺などの生産品目の記載がある。
(中国文字が消えているので、和名、英名はCASから追記)

やはり精密化学品やエンプラの出発点となる原料の様である。
ここから、染料や農医薬品、製造工程まで、どこでどう生産が引き継がれているか、どの程度のポジションの会社かどうかは、今では知りえない所であるが、日本の会社への影響が気になる所である。

特に日本の化学会社の中で、染料は殆どが中国で最終製品の染顔料となっていると聞いているが、医薬品や農薬、除草剤など、特殊な機能を有し、許認可が必要なため国内でまだ製造されている。
この場合、日本国内での調達が難しくなった原料は海外へ求める必要があり、中国で中間段階まで反応させた化学品や特殊変性した原料を日本へ輸入し、さらに精製し純度を上げたり、不純物の除去、さらに最終の反応工程を経るなどで高度に機能化された化学品が作られている。
医薬品などの場合は認証が厳しく、出発する工程から明確化されたものである必要があり、今回のような事故が発生すると、サプライチェーン自体が成り立たなくなる可能性も出て来る。

一方で今朝の毎日デジタルなどでは、事故の記事と共に
『爆発した工場を運営する企業は2007年に設立され、汚水処理をしたり、危険な化学品を取り扱ったりしていた。廃棄物管理を巡り、たびたび当局から行政処罰を受けていた。
中国では15年8月にも、天津市浜海新区で化学物質などを貯蔵したコンテナが爆発し、170人以上が死亡・行方不明になった。』
との報道もされており、環境規制や工場立地のあり方で、さらなる規制が厳しくなり、昨年の夏以降に発生している、青や赤の色素が足りなくなる問題もさらに深刻化してくる可能性がある。

『風や桶屋』で考えれば、染料以上に影響が出て来る可能性がありそうである。
例えば、半導体封止で用いるアミン類や、さらには回路を描いていくレジスト、写真薬などへも遡及する可能性もあり、化学品の流れを今一度見直す必要があるのではないかと愚考している。

中国からの原料は、過去、コストを押さ得るために反応途中で出て来る有機物を含んだ塩や、純度を揚げるためにの洗浄で用いた溶媒を未処理で工場外へ放出していたが、住民からの訴えや、先進国への仲間入りの中で環境問題へも取り組み、かなり良くはなったと聞いている。
しかし、まだまだ日本の企業が過去同じような化学品を生産していた時の様な、安全管理や環境対策などの取り組みが出来ていないかとも思われる。

そうなれば、日本への復活も‥とも考えられるが、日本での原料サプライや反応装置そのものもなくなっており、かなり厳しいが、精密な原料だけでも復活の道が出るのではとも邪推してしまう。
機能色素などはミクロン単位での異物管理が必要であり、中国原料であればPM2.5などからの混入も避けられないとの事で、日本国内で精密合成をされている所もあると聞いたが、なかなか出発原料までとなると難しく、日本でのクリンルーム内での再精留などが必要になるとも昨年お聞きした。

もう一つ今回の事故を受け、若い方の化学会社への就職希望がどうなのか、心配となった。
日本の精密化学品産業は、大手の化学会社より、和歌山での特殊原料生産や富山地区の医薬品原体、さらには、溶媒を使用する事での爆発事故を懸念してか、都市部を離れた場所での生産など、中堅企業が支えている所も大きい。
在職中、研究職や工場オペレーターの人材確保が難しくなっていると知ったが、今回の事故で、化学産業は3K職場のイメージがさらに悪くならない様に若い方へも伝わればいいのであるが。

しばらく事故の内容は注視していきたい。

***** [参考情報]*****
<染料不足問題>
繊研ニュース ネット記事から 2019年01月19日 08:59 JST
■ 繊研plus ファッションビジネス専門紙「繊研新聞」公式サイト
中国の環境規制が、国内の染色加工業に深刻な影響を与えている。
今年半ばには、染料払底で加工ができない商品もあり、アパレルメーカーを含めた繊維業界全体での対応が急務になっている。
16日開かれた日本繊維産業連盟(繊産連)の総会で、染色加工業界から染料入手難に関する意見表明が行なわれた。
具体的には、ポリエステル綿混織物の染色加工に使われる青のスレン染料が、中国で一手に生産を行なっていたメーカーの生産中止によって入手できなくなっているというもの。
スレン染料は、耐光堅牢度などに優れており、ユニフォーム用のポリエステル綿混織物の染色加工などに使われることが多い。このスレン染料の中で耐塩素性に優れる青の供給が途絶え、国内染色加工場では在庫をやりくりして生産を続けているが、5月末あたりで在庫が底を突く見通しとなり、この染料での染色加工はできなくなると訴えた。
染料不足は染料生産の大半を担う中国での環境規制強化によって、染料メーカーの生産中止などが続いていることによるもの。染色加工各社は他のスレン染料などでの代替策を練っているが、性能や色の再現性などで、従来品とまったく同じ物を作るのは困難だとしている。またコスト面でも、染色加工場の経営をさらに圧迫する要因にもつながる。
このため、繊産連での意見表明となった。染色加工場での対応には限界があるため、アパレルやユーザーにも染料を巡る現状を知らせ、理解を求めた。  

<昨年の記事から> (Livedoor News より
中国で環境規制強化 世界で車用テールランプの「赤色」が不足 
2018年10月9日 6時1分
ざっくり言うと
•全世界で自動車用テールランプなどに使われる「赤色」が不足している
•中国の環境規制強化で操業停止の染料原料メーカーが増え、供給不足が長期化
•生産の中国一極集中が問題で、サプライチェーンの構造的欠陥が浮き彫りに

世界規模で「赤色」不足のなぜ? 2018年10月9日 6時1分
全世界で“赤色”が不足している。代表例は自動車用テールランプの赤だ。
中国の環境規制強化により2018年春から現地の染料原料メーカーが相次ぎ操業停止となり、特に赤色の供給不足が長期化している。染料を使う化学メーカー間では代替調達の動きも出始めた。問題の根本は生産の中国一極集中にあり、サプライチェーンの構造的欠陥が図らずもあぶり出された。

自動車テールランプの赤
染料世界大手の独ランクセスは6月から赤色など一部製品のフォースマジュール(不可抗力による供給制限)を継続している。法令違反を調べる中国政府の環境査察により、染料産業が集積する江蘇省や山東省で原料・中間体メーカーを含む工業団地の操業停止や閉鎖、移転命令が続出。その結果、ドイツでの染料製造に大きな支障を来している。

独ランクセスが得意とする染料はポリカーボネートやアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂に着色する。車用テールランプのほか、飲料用ペットボトルや玩具など最終用途は幅広い。樹脂を手がける日系化学メーカーなどは現状在庫で対応しているものの、代替調達の検討に入った。ただ、新たに顧客の認証取得が必要で時間がかかる。

16―17年から目に見えて強化された中国の環境査察は工業団地に入居する1社の違反で、団地全体が“連帯責任”で操業停止となるほどの厳しさだ。今回に関しても「その原料メーカーは悪いことをしていないが、工業団地内で他社が違反して全部駄目になった」(日系化学メーカー幹部)といわれる。

問題をより深刻化しているのはサプライチェーンの隠れた脆弱(ぜいじゃく)性だ。「原料は世界でもほとんど中国でつくっている」(業界関係者)とみられ、欧州や日本で採算の合わない材料生産が中国へ次々移転した末の惨事だ。

混在する楽観論と悲観論
「中国の自動車メーカーも騒ぎ出すから、早晩解決するはずだ」(化学大手幹部)との楽観論も少なくない。確かに複数の原料メーカーが操業を再開したことで、独ランクセスも9月に黄色と緑色、青紫色3製品の供給制限を解除した。状況は好転しつつある。

一方で、悲観論もある。11月上旬に上海で「中国国際輸入博覧会」が開催される。習近平国家主席の肝いりとされる一大行事だ。会期の前後は上海周辺に工場の操業規制をかけるとみられ、隣の江蘇省なども影響は避けられない。

テールランプメーカーなど川下業界では今のところ大きな問題にはなっていない模様。ただ、今後さらに染料の供給不足が長期化するようなら、世界の自動車産業は深刻な被害を受けるかもしれない。
(文=鈴木岳志)


\\\最後に\\\
今日書いたMEMOの中に化学工業日報社が発行の『何千何百の化学商品』を書いたので、現状を見てみた。
なんと「17019の化学商品 2019年度版」となっているではないか。
たしか1万を超すのに時間がかかっていたが・・そして本の価格も、35,640円に。
入社後原料を探すのに用いた本であるが、化学品毎に汎用の名前や規制、簡単な製法、そして製造メーカーと生産量。概略の価格が出ていた。
高い本なので研究室に1冊あればいい方で、資材部門などは毎年買い替えるので、このお下がりを頂いて活用していた記憶がある。

いまはCDで販売され、検索も簡単になっているようであるが、必要な原料を探すついでに、パラパラとめくって、ああこんな原料が増えている・・なんて学んだことも思い起こした。

今の研究者たちはこのような余裕もないのでは。
『我々の時代は』・・こんなことを言うと昔は良き時代だったですねと言われかねないが
図書室へ行くと、ケミアブ(Chemical Abstracts)を反応の手待ち時間に、隅から隅まで読んでおられた方がおられたり、回覧されてくる特許公報を丹念に読み、空いた時間で追実験するなど、
情報を得るために努力をしてきた。
今はネット検索や、さらにはAIで要らない情報は機械的に排除するなど、ムダを省くことが進んでいるが、書物に書かれた情報から得られるものはまだまだ多いと思われる。

ケミアブも年間300万円近くかかり、保管場所もどんどん手狭となり、大手企業の図書館からも消えつつあるが、CDではなく、バイブルとしてすぐに見れる場所にいてほしいものである。

多分、こういう『多くの情報から必要な物を探す事』の訓練をしていかないと、どこかで書いてきた「思考回路形成力」が芽生えないような気がしている。
コンピューター検索だけでは、あまりにも短絡である。人間はロボットではない。
今回の事故でも爆発の映像だけが鮮明で、その裏に潜むものまでは見えてこない。
報道の責任かもしれないが・・・・
この記事を昨夜から書いているが、少しピントがずれて来た。

[化学工業日報社「17019の化学品」]


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JR新幹線 台車亀裂問題/JR内での安全共有/水平展開

2018-03-09 12:11:24 | 安全管理
先のブログで今回の新幹線の台車亀裂問題の原因につき川崎重工やJR西日本が公表した内容に対し、
<日本の製造業の問題点>
・品質保証はだれのためか。 (次工程、最終顧客のため)
 安全安心の確保は誰がするのか (責任転嫁と人任せ)
・根本原因の究明は
 今回の亀裂が、単に削った事だけか。
と言う視点でメモを残したが、もう一点大きな疑問が残っていた。

今回の『重大インシデント』という事を受けて、JR全体での安全確保のための情報共有、水平展開がなされたかという事である。
『新幹線は安全』という神話だけで、どんな問題があったのか。さらにJR内部でこの事故と同じような事例があったのかも報告されていない。

新聞各社などの報道では、川崎重工、JR西日本からだけの開示報告を基にしているが、新幹線はJR東海へも繋がっており、今回の事故も名古屋駅での発覚であり、これらを受けてJR全体としてこの事実をどう捉えたかと言う点は、取材がなされなかったのか、コメントすら報道がなされていない。
事故発生直後の報道で、JR東海側から『N700』は西日本が主体で・・なんて言う無責任な発言も出ていたが、今や全国を走る新幹線全体の技術が大丈夫なのかと言う点が疑問として残っていた。

JR東のさらに高速で走る車両などは本当に大丈夫なのだろうか。製造メーカーはどこなのか。いまだ十分には公表がなされていない。
この原因として、鉄道車両、特に新幹線は、秘密の部分が多く、海外へも売り込みがかけれる貴重な技術であることは間違いないが、安全と言う点では最先端を突き詰める必要があり、技術の共有が不可欠なのではと考える。

先の亀裂の写真や、川崎重工側からの説明でも、まだ事故原因がオブラートに包まれた感があり、原因究明のためには、もっと正確な技術情報を開示すべきではないかと思われる。
JR東海が黙っているのも、N700Aへ飛び火しないようにしているのかとも疑りたくなる。
今の国会ではないが、『大丈夫』なら大丈夫と点検結果を講評してほしい。

話はもとへ戻すが、JR社内、特にJR西日本での安全での社内展開について不審な所がある。
JR西日本のホームページを開けるとトップページに下記の様な画面が現れ、『安心・安全』への取り組みと『信頼』の回復が謳われている。


このページから安全の取り組み、事故発生状況を見ていくと、
『インシデント』の項で、2016年に今回と同じように台車で亀裂が発生するインシデントが報告されている。(JRの説明⇒インシデントとは、鉄道運転事故が発生するおそれがあると認められる事態のこと)
このインシデントに対し、『再発防止策を徹底することにより、事故防止に努めています。』との今後の取り組みが記載されている。


<インシデント内容>
 発生日   2016年4月11日
発生箇所   東海道線吹田総合車両所構内
 種別    車両障害
 状況詳細
  検修係員は、定期検査の磁粉探傷検査を実施中、
  台車枠の主電動機受けと横バリの溶接部に
  約120mmの亀裂を認めた。
 再発防止策
  ・同一構造の台車枠を使用する車両の一斉点検
  ・溶接補修実施後、表面き裂がないことおよび
   十分な溶け込みの確保を確認

この事故を受けて全社へ情報が水平展開され、再点検の指示がなされたと思うが、この結果が明確に記載されていない。
もしこの時、このインシデントでの着目ポイントとして、新幹線の台車枠へも展開し、徹底的に点検し、少しでも亀裂が見つかっていれば、今回の問題も起こらなかったかもしれない。

これが冒頭に記載した安全の共有、水平展開であり、問題点を見つける『ネタ』になったかと思う。頭の隅にこの事故事例が残っていれば、点検者は適切な判断で、すぐに車両を止めたであろう。
さらには、この新幹線で無い車両の台車が、なぜ亀裂を起こしたかの原因究明がどうなったかも疑問である。

ここ数日の経済誌のオンライン版には今回の事故を受けて色々と指摘がなされている。
過去製造に係わった立場から見ると、過去の事例を学び、知見をたくさん持ち、寸時に思い起こせる事が重要であり、このためには『安全マインド』を高める必要があるかと思われるが、これが欠けてきている気もしている。
この懐をたくさん有していれば、『危険は危険』と見抜く目が養われるが、今回の川崎重工や、当事者であるJRもこの意識改革には程遠いような気がする。
昔の鉄道マンが言っていた『列車は転覆させてはならない』。このための線路の保守点検や車両点検。さらには運行での指示の徹底など、今一度鉄道マンとして考えてほしい。

このためにも、今一度、情報の水平展開、共有を行い『安全運行』を担保してほしい。
あわせて、先のブログで報道についても少し触れたが、今PRESIDENTの記事でも、報道がもっと『安全確保』をアピールすべきと書かれており、国やJRへ忖度する事が無い様にしてほしい。

1000人もの犠牲者を出さないため、真の安全を考えるのであれば、新幹線『一斉点検で
3日間運転休止』なども必要なのかもしれない。

インシデントは重大事故の予兆であり、軽微なものを無視すると、いずれ大きな事故へつながる。この時『想定外でした』との言い訳にはならないと思う。


<<記事のメモ>>
東洋経済オンライン(2018/3/5)
『「のぞみ」台車亀裂、2つの原因は"人災"だった 製造、運行管理、得意の「現場力」でミス続発』
★事故原因の究明と共に意思疎通の不十分さについて言及している
『コミュニケーションギャップは至る所に生じる。川重の台車製造ミスにしても、班長の独断が直接の原因かもしれないが、それをチェックする仕組みがまったくなかったのは問題だ。意思疎通をおろそかにするとどんな事態が起きるか。家庭や職場でも同様のことは起こりうる。決してひとごとでは済まされない。』

PRESIDENT Online 新聞各紙を読み比べる
『新幹線台車亀裂と日航機事故にある共通点「現場判断」で設計が無視された』
政治・社会 (2018.3.7)
★記事抜粋
『事故は想定外のところで起きる。
運行しながら台車を交換していくやり方で本当に大丈夫なのか。』
 鋼材の厚さが基準未満の川崎重工業製の台車
  ⇒、JR西、東海で合わせて約150台
 運行中、何かの拍子で亀裂が生じ、それが一気に大きな亀裂になる
 危険性はないのだろうか。
乗車率100%だと、車両の型にもよるが、乗客数は軽く1000人を超える。
1000人以上の死者が出る大惨事が起きる危険性がある。

新聞各紙の社説も台車の削りすぎの問題を一斉に取り上げた。
しかしどの社説も追及が甘い。
問題の台車を装備したままの車両を運行している

『日航機事故にある共通点「現場判断」で設計が無視』
日航ジャンボ機事故の原因は、修理ミスだった。
なぜ指示通りに作業が行われなかったのか
修理を担当した米ボーイング社の修理チームは、損傷した圧力隔壁の下半分を交換した際、指示書通りの修理をしないで2枚に切った継ぎ板を使った。
ボ社は修理ミスを認めている。しかしなぜ強度が弱まるような修理を行ったのか。これについてボ社は一切、説明していない。
1987年に公表された運輸省(当時)事故調査委員会の報告書は、事故原因を「ボ社の不適切な修理ミスに起因する」としているものの、その修理ミスがなぜ、起きたかには触れていない。

今回の新幹線の台車枠は、前述したように設計を無視して現場の判断で勝手に削られた。現場がマニュアル通りに作業しなかった。ここが日航ジャンボ機墜落事故と共通している。

この共通点にも全国紙の社説は一行も触れていない。
かつて10年以上にわたって社説を書いてきた1人の新聞記者としてとても残念だ。

だが、新幹線の台車枠の削り過ぎの問題については、どうしてあそこまで現場が勝手に判断したかを徹底的に追及することはできる。
現在、国の運輸安全委員会が新幹線初の重大インシデントとし、調査を進めている。その調査の先には、川崎重工業という大会社の組織的問題が見えてくるはずだ。

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JR新幹線 台車亀裂問題/原点に返った調査が必要

2018-03-01 14:44:20 | 安全管理
昨年新幹線で発生した『台車の亀裂』問題については、このブログでも『JR新幹線 台車亀裂問題 / 日常点検の難しさ』として記したが、昨日夕刻、この台車を製造し、列車として納入した川崎重工から、原因究明結果と今後の対応として報告されたと、夜のニュースや今朝の新聞各紙で報道されている。

この報道を見て、一昨日にも書いた『日本の製造業の問題点』が如実として表れているが、報道各社も、メーカーやJRなどの公的に近い機関をかばったためか、表面だけの報告でしかなされていないのが残念である。

<日本の製造業の問題点>
・品質保証はだれのためか。 (次工程、最終顧客のため)
 安全安心の確保は誰がするのか (責任転嫁と人任せ)
 川重 ⇒ トップや品質を担保する部門の責務でなく、現場へ押し付け
 JR ⇒ 運行の立場から機器としての安全安心な設計に関与る気概不足
         (スピード感が足りない)
・根本原因の究明は
 今回の亀裂が、単に削った事だけか。
   ⇒ JR総研見解の溶接後の『なまし不足』でのひずみ問題は。
   ⇒ 疲労亀裂の再現検討は
     再発防止のための真の原因追及 ⇒ 想定では許されない 

一つ目の問題は、日経新聞の記事では一面トップと総合、社会面で概略載せられているが、トップ面では『川重、台車製造に不備 のぞみ亀裂、140台超を薄く削る』のタイトルで、記事では『川重によると、現場の作業員が削ることが許される範囲を誤り、作業班の班長も適切な指示や終了後の確認をしていなかった。小河原常務は「作業員に間違ったことをしているとの認識はなく、管理すべき立場の人も関与していなかった」と説明。同社は出荷前に自主検査を行っているが、亀裂が生じた部位は対象ではなかったという。』との弁明が主体。
総合面でも『川重、事故招きかねず悪質 のぞみ亀裂 新幹線の信頼揺らぐ』『川重は製造現場で規定以上に鋼材を削ることを禁じていたが、班長が現物を確認しておらず、安全に関する教育が欠如していたという。金花芳則社長らは28日開いた記者会見で「納期が迫っていたから(削った)、というわけではない」と語り、「現場と経営陣の距離を縮める努力をしていたが、このような事態を招いてしまった」と述べた。』と管理不十分が主原因とも聞こえる記事である。
さらに社会面では、三面記事的に『「作業方法間違った」 川重社長ら、製造不備を謝罪 』の見出しで、『作業マニュアルに反した現場の判断について、小河原誠常務は「重要な母材を削るのは間違った作業方法だった。安全に対する意識、強度に対する意識がなかった」と述べた。』と全社一丸での責任でないような発言も記載されており、追記でJR西日本が『「今後は川重側に安全に関する注文をよりしっかり申し上げていく」』とのコメントを出したが、安全運行の根幹に関わる部分であるにも係わらず、川重を強く批判することはなく「引き続き重要なパートナー」とかばったとの記事が書かれている。
(他社記事ではJR側から、川重と共同で原因究明を進めるとの報道もなされているが)

川崎重工からの釈明だけを記事として載せているが、産業界をリードする新聞社の記事として、『安全担保の責務』についても追記コメントがあってもよかったのではないかと思っている。

二点目の真の原因はと言う点である。
昨日、川崎重工より原因究明で報告のあった内容を、新聞各社は図解を入れて説明しているが、削った事と亀裂部位との関係が明確でなく、どんな説明がなされたのかが判らない所である。

先のブログで記載時載せた亀裂時の写真は下記の通りであり、今回報道の原因究明結果を突き合わせてみたが、どこから亀裂が発生し、どこまで影響が出たのか。削ったのはどこなのかも判らない。
又、新聞各社での図も少しずつ異なっており、会見で川崎重工側から提示の資料がきっちり説明されたのかも疑問となった。

記事写真拡大
 引きちぎられた部分が不思議な段構造となっている。


今朝の日経記事から



このため、川崎重工のHPから昨日の記者会見資料を見つけたが、これも亀裂部位が明確に記載がなく、どのような破断が起こったのかが不明である。
多分説明を受けた報道各社も、よほどの知識のある方でないと理解が出来なかったのではなかろうか。



説明の中で、台車の基本構造である側バリ(梁?)は両面から二枚合わせ、この接合部を溶接し一体化し、さらにこの下面へフランジの様な部品を溶接で接合する際、溶接点があり平面でないため、側バリの出っ張り部を削りすぎた事が亀裂発生の原因で、これを勝手に作業した事が問題とされている。
この固いものを数ミリも本当に指示なしで削ったのであろうか。
作業記録もないとの事であるが、削ったとすればサンダーみたいなものかとも思われるが、これで平面が取れたのであろうか。
もし逆に突起が出たままで溶接し、空いた隙間を溶接で肉盛りする事で済ませていれば、どうなっていたのであろうか。
このあたりもっと真剣に調査をお願いしたい所である。

一方で、これは報道でも殆ど書かれていないが、調査報告にあった鉄道総研の以下の原因究明がどうなったかである。


門外ではあるが、破断面の段々を見ると、溶接時の熱逃げの不一致、溶接後の『なまし』に問題があり、このようなひずみが出るのではとも勝手に思ってしまいたくなる。
多分台車の骨格の側バリは、薄くて高強度を得るような特殊な鉄素材を使用されているかと考えられ、この特性に応じた溶接方法や、冷却まで検討されての結果であることを祈りたい。

今回の報告で側バリそのものの問題であれば、この強度解析も行う必要があるかと思うが、この点の報告は記載がなされていない。
例えば、無理やりにこの部分を折ってみて破談させ、内部がどのようになっているか。検査機器ではわからない応力ひずみなどを解析しないと、根本的な原因究明にはならないかと思う。

新幹線は昭和39年、国鉄の夢であった『弾丸列車構想』を具現化し、東京オリンピックの年に開通させた。
あれから55年近く過ったがが、設計当初はJR自らが試行錯誤の中で、色々な検査機器を酷使し、あらゆる危険予知の中で精度向上に勤め、今の安心安全な運送を担保して来たかと思うが、昨日のJR記者会見の日経記事での『他人任せ』と思わせる報道となった事は嘆かわしいものである。
今回の川重側の不祥事を、JR自体も設計にかかわっている以上、原因究明を共同で早急に進め、さらなる性能向上につながる努力をしないと、安全神話は崩れ、世界への進出も危うくなるのではと愚考する。

前回のブログでは、認識不足で台車は昔の鋳物で作られていたのが、軽量化のためハニカム構図やアルミ素材になってしまったのではと勝手に想像し、このものであれば点検は難しくなるとのコメントもしたが、今回あらたに中空構造物で、この側面に亀裂が走ったようであり、やはり打音での検査はできないのかとも改めて感じた。

いずれにしても、早く、省エネで列車を走らせる裏には、素材構成や構造も究極を望むようになり、今回の側バリも7mmしかないとの驚きの所もあるが、これをハイブリッド化するのも技術の進歩であり、この設計はさらに高度となるかもしれない。

又、加工する側も今までの削り出しや溶接、曲げと言った要素をさらに高度に組み合わせる必要があり、技術の錬磨も急ぐ所であるが、未熟な技術が重なると危険極まりない。さらに、指示をする方も原理原則に基づいての的確な処方箋を提示しないと、間違った判断で作業を進める必要があり、設計者はもっと現場へ出るべきかとも思われる。
CADや3D図面だけで物を見ていると、今回の様な溶接こぶの出現や、これは報告書では議論されていないが、側バリのひずみ、ふくらみも気になる所であり、設計から試作、量産化の中で『ナゼナゼ問答』や『不具合箇所の見える化』などでの異常撲滅も並行して進める必要があるかと思う。

この前のブログで『TPM活動が品質保証をダメにする』と書いたが、『ロスゼロ』やスケジュール管理で、納期遅れだけを気にしているようであれば論外である。
それと、品質保証の最高責任者は会社のトップである。今回のように『班長の勝手な判断で』と言う言葉はありえないと考える。

このブログを書いた後、JR西日本から昨日の会見の詳細内容が報告されているのを確認出来た。

<報告内容>
新幹線台車の安全確保について(2018-2-28)
『2017年12月11日、東海道新幹線名古屋駅にて運転を取りやめた「のぞみ34号」(弊社所有車両)の台車にき裂などが発見された重大インシデントにつきまして、あらためまして深くお詫び申し上げます。
現在、運輸安全委員会による調査が行われており、全面的に協力しているところでございます。また、弊社といたしましても、東海旅客鉄道株式会社、公益財団法人鉄道総合技術研究所のご協力をいただきながら、台車き裂の原因究明を進めております。
運行中の車両につきましては、日々の入念点検に加え、運用間合いでの点検を強化しております。
今回、これまでの調査や検証で確認できました事柄と、安全確保の取り組みにつきましてご報告いたします。』


この記事の中にいくつか川重の報告より詳細な内容で記載されている図面等があった。
川重さんと同時の記者会見とはならなかったのは何か見解の違いがあるのであろうか。

台車枠亀裂発生状況
亀裂起点から外枠と内部補強晩まで亀裂が発生

この他溶接部との関係も明示されている。



溶接されている個所の正常時



台車の異常
亀裂発生で車輪間隔が広くなっている。


全破断していたらどうなっていたであろうか。

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