見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

公募委員に手を上げる勇気

2006-08-10 23:59:59 | 仕事・職業
知人から、「公募委員に応募しました」というメールがきました。

行政は、毎年かなりの数の審議会や協議会を設置し、開催しています。
それらの多くが形骸化され、「行政が作った案にお墨付きを与えるだけの『シャンシャン会議』でしょ」と揶揄されることも少なくないため、最近では、「公募委員」「女性委員」を何割か入れることで「物言わぬ人で作った行政のための会議」というレッテルを剥がそうとする職員も増えています。

が、実際には、毎回の委員の募集の仕方に工夫がなされないために、アンテナの高い市民は、何度も公募委員に手を上げ、「同じ人が趣味で委員をやっている」との批判を許すネガティブなイメージができたり、応募者ゼロだったために、知人を拝み倒して応募してもらうケースも少なからずあります。

課題は、「公募」委員だけではありません。
行政側が選定する委員も、同じ顔ぶればかりという実態も否めません。行政内部には手持ちの駒が尽きているのです。
日常の情報収集能力、人脈づくりが問われるところですが、いつもお付き合いしている団体の長が当て職で就任することに違和感を感じない鈍った感性を甦らせるには、しばらく外の世界で新しい空気を吸って、細胞を活性化するといいと思うのですが。

今日、メールをくださった人は、大学助教授で、長く地球環境系の市民活動を展開している方でした。
そうした肩書きをもつ人が、一般の市民に混じって手を上げるという事例は稀です。

多くの学識経験者は、行政から「委員にお願いできませんでしょうか」と乞われてしぶしぶ受けるという構図が身についているからでしょう。選ぶ側、評価する側に慣れてしまうと、選ばれる側、評価される側にはなかなか立てないようです。

助教授は、こちらから投げかけた情報に応え、自ら手をあげました。
しばらく忘れていた「一市民としての勇気」を思い出しました。


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