M・リベラ(ヤンキース)が通算600セーブを挙げ、歴代1位のT・ホフマン(元パドレスなど)に残り1と迫っている。今テレビを見ていたら、野球評論家の武田一浩氏が「15年で毎シーズン40セーブ、20年なら30セーブ」と言っていた。それほど大変な記録ということで異論はない。
日本では11年9月3日の広島戦で岩瀬仁紀(中日)が通算300セーブを挙げ、これが日本記録である(高津臣吾[独立リーグ・新潟アルビレックス]は日本286、アメリカ27、台湾26、韓国8セーブを挙げ、日米合算なら1位)。
この通算セーブ記録、どこまで伸びるのだろうか。武田氏は当分出てこないと言っていたが、不滅の大記録ではないと思う。日本記録で見ていくと、不滅の大記録とは次のようなものである。
◇通算本塁打数……王 貞治(元巨人)868(2位→野村克也657)
◇通算盗塁数………福本 豊(元阪急)1065(2位→広瀬叔功596)
◇通算勝利数………金田正一(元国鉄など)400(2位→米田哲也350)
◇通算奪三振数……金田正一4490(2位→米田3388)
“不滅”になるための基本は<20年×1シーズンの数字>という考え方である。
王………20年×1シーズン40本塁打=800本塁打
福本……20年×1シーズン50盗塁=1000盗塁
金田……20年×1シーズン20勝=400勝
20年×1シーズン200奪三振=4000奪三振
タイトルを獲るくらいの成績を20年続けられて初めて“不滅の大記録”は作られるのである。セーブの毎シーズンの1位成績はセ・リーグが40ちょっと、パ・リーグが30台前半だから<20年×35セーブ>つまり、700セーブがアンタッチャブルレコード(更新不可能)になると思われる。リベラのメジャー記録でも将来は超えられる可能性が非常に高い、というより超えられることは確実である。
現役日本人プレーヤーでアンタッチャブルの道をひた走っているのがイチロー(マリナーズ)である。
日本(オリックス)1278安打
アメリカ(マリナーズ)2413安打(9/13現在)
現在、日米合算3691安打で4000安打まで残り309本。ペースダウンしても2年後には達成できる数字である。20年プレーして毎年200安打。王、福本に次いで、打撃部門のアンタッチャブルレコードに名をつらねることは間違いない。