◇7月7日(日曜日)練習試合
東海大甲府8-2狭山ヶ丘(狭山ヶ丘高校グラウンド)
東海大甲府の超高校級スラッガー・渡辺諒(遊撃手・右投右打・178/80)が見たくて、友人が運転する車に乗って狭山ヶ丘高校グラウンド(近藤潮記念グラウンド)まで行った。ダブルヘッダーの第1試合、4番・遊撃手としてスタメン出場した渡辺は第1打席、一塁ファーストフライに倒れるが、それ以降、中越え二塁打、左中間本塁打、三塁安打と安打をつらねた(第5打席はセンターライナー)。
驚いたのは第2打席である。外角ストレートを縦スイングで捉えた打球は逆スピンがかかり、120メートルあるセンター金網の下を直撃する二塁打になった。狭山ヶ丘は昨年の埼玉大会、敗れたが準々決勝で聖望学園に2対3まで迫っているように強豪校の1つに数えられている。そのチームの主力投手陣から三塁打が出ればサイクル安打達成という猛打ショーを演じたのである。
第3打席のホームランはカメラを構えていたので球種はわからないが、強烈に押し込んで左中間の金網の向うに放り込んでいる。レンズ越しでは平凡なフライに見えたが、打球を見失った私を嘲笑うように渡辺は軽やかにダイヤモンドを1周した。
私は打者を見るとき、どういうタイミングの取り方をしているかまず見る。普通の高校生は差し込まれたくないので早くも遅くもない始動、具体的には投手が足を下ろすタイミングで始動するが、渡辺はそれよりひと呼吸遅く始動する。ヘッドスピードに自信がないとこのタイミングで動くことはできない。
第2試合も4番・遊撃手でスタメン出場し、結果は四球(二盗)→三塁ゴロ→遊撃ゴロ→二塁ゴロ→2点タイムリー→左直。凡退しても最後のライナーは超高校級の名に恥じないものだった。