韓国人権委員会が製作した6つの短編オムニバス映画です。来年1月公開・・・お先に失礼。
人権とか差別とかいう固い映画ではなく、「あなたの目から見てどう思う?」という問いかけの短編映画集でした。
1 『彼女の重さ』 The Weight of Her 監督イム・スルレ(ワイキキ・ブラザース)
女子商業高校にて、就職のため容姿に磨きをかけるようにと叱咤激励する教師たち。美容整形やダイエットで成功した者もいれば、全く自然のままの者もいた。「容姿」によって教師側から差別される問題を訴えた映画だが、説得力にも欠け、インパクトも弱い。しかし、ラストで監督が登場することによって笑いが起こる(笑)。
★★★・・
2 『その男、事情あり』 The Man with an Affair 監督チョン・ジェウン(子猫をお願い)
近未来のマンション。同じ階に住む住人たちは中庭を取り囲みお互いに監視しあっている。おねしょの癖が治らない少年が周りから無視されるものの、犯罪歴のある青年には心を開く事ができそうだと感じる。インターネット等により犯罪歴のあるものは徹底的に監視されることへの痛烈な批判が込められているが、それよりも無関心の大人たちが気持ち悪かった。
★★★★・
3 『大陸横断』 Crossing 監督ヨ・ギュンドン(寵愛)
脳性麻痺の青年の日常生活を11のエピソードにまとめた作品。彼にとっては道路を横断することが大陸を横断するくらい大変なことなのだ。本当の障害者を使ったドキュメンタリーなので、大胆だが痛々しい映像には胸が痛んだ。
★★★・・
4 『神秘的な英語の国』 Tougue Tie 監督パク・ジンピョ(死んでもいい)
9歳の少年ジョンウはRとLの発音が上手くなるように手術を受ける。痛々しい映像。英語コンプレックスを生む子どもの人権を訴えた作品。そこまでやるか・・・ホラーより怖い。
★★・・・
5 『顔の価値』 Face Value 監督パク・クァンス(チルスとマンス)
葬儀場の駐車場の料金計算所。綺麗な女性係員と男性ドライバーが「美人なのに態度が悪い」といちゃもんをつける。美形だからどうこうといった偏見・・・テーマは些細な問題。短編なのに爽やかなホラー(?)だ。
★★・・・
6 『N.E.P.A.L.平和と愛は終らない』 Never Ending Peace And Love 監督パク・チャヌク(JSA、オールド・ボーイ)
1990年代、ソウル。ネパール人女性チャンドラが働いている工場そばの食堂でラーメンを食べたが財布を落としたことに気付く。警察がやってきて尋問するが、彼女のしゃべるネパール訛りの韓国語は精神病患者がしゃべる言葉に似ていて、病院に収監されてしまう。6年4ヶ月もの間精神病院をたらい回しにされていた末ネパールへ帰ることができたのだが、ネパール語を話す者が他にいなく疎外感を味わっていたチャンドラ。実話という重みとともに、エピソードは彼女を写さず、観客がチャンドラの目になって意思の疎通を欠くいらだちを体感させられる。見た目も韓国人そっくりのネパール人部族であったことも災いして、外国人であるということさえも理解してもらえないもどかしさがよく伝わった。短編で終らせるのが惜しい。。。
★★★★★
人権とか差別とかいう固い映画ではなく、「あなたの目から見てどう思う?」という問いかけの短編映画集でした。
1 『彼女の重さ』 The Weight of Her 監督イム・スルレ(ワイキキ・ブラザース)
女子商業高校にて、就職のため容姿に磨きをかけるようにと叱咤激励する教師たち。美容整形やダイエットで成功した者もいれば、全く自然のままの者もいた。「容姿」によって教師側から差別される問題を訴えた映画だが、説得力にも欠け、インパクトも弱い。しかし、ラストで監督が登場することによって笑いが起こる(笑)。
★★★・・
2 『その男、事情あり』 The Man with an Affair 監督チョン・ジェウン(子猫をお願い)
近未来のマンション。同じ階に住む住人たちは中庭を取り囲みお互いに監視しあっている。おねしょの癖が治らない少年が周りから無視されるものの、犯罪歴のある青年には心を開く事ができそうだと感じる。インターネット等により犯罪歴のあるものは徹底的に監視されることへの痛烈な批判が込められているが、それよりも無関心の大人たちが気持ち悪かった。
★★★★・
3 『大陸横断』 Crossing 監督ヨ・ギュンドン(寵愛)
脳性麻痺の青年の日常生活を11のエピソードにまとめた作品。彼にとっては道路を横断することが大陸を横断するくらい大変なことなのだ。本当の障害者を使ったドキュメンタリーなので、大胆だが痛々しい映像には胸が痛んだ。
★★★・・
4 『神秘的な英語の国』 Tougue Tie 監督パク・ジンピョ(死んでもいい)
9歳の少年ジョンウはRとLの発音が上手くなるように手術を受ける。痛々しい映像。英語コンプレックスを生む子どもの人権を訴えた作品。そこまでやるか・・・ホラーより怖い。
★★・・・
5 『顔の価値』 Face Value 監督パク・クァンス(チルスとマンス)
葬儀場の駐車場の料金計算所。綺麗な女性係員と男性ドライバーが「美人なのに態度が悪い」といちゃもんをつける。美形だからどうこうといった偏見・・・テーマは些細な問題。短編なのに爽やかなホラー(?)だ。
★★・・・
6 『N.E.P.A.L.平和と愛は終らない』 Never Ending Peace And Love 監督パク・チャヌク(JSA、オールド・ボーイ)
1990年代、ソウル。ネパール人女性チャンドラが働いている工場そばの食堂でラーメンを食べたが財布を落としたことに気付く。警察がやってきて尋問するが、彼女のしゃべるネパール訛りの韓国語は精神病患者がしゃべる言葉に似ていて、病院に収監されてしまう。6年4ヶ月もの間精神病院をたらい回しにされていた末ネパールへ帰ることができたのだが、ネパール語を話す者が他にいなく疎外感を味わっていたチャンドラ。実話という重みとともに、エピソードは彼女を写さず、観客がチャンドラの目になって意思の疎通を欠くいらだちを体感させられる。見た目も韓国人そっくりのネパール人部族であったことも災いして、外国人であるということさえも理解してもらえないもどかしさがよく伝わった。短編で終らせるのが惜しい。。。
★★★★★
全く同意。
恐るべしパク・チャヌク。
今後も期待しましょう~
「その男、事情あり」が一番印象ありました。
といっても、韓国では、おねしょをしたら、ばけつを持って 近所に塩を貰ってくる風習があるのかということでした。マンションではそんな風習もなくなっていくんでしょうね。 監視社会 これから日常になっていくのかも。。
短編すぎるのでそこまで詳細には描ききれていませんでしたが、長編にリメイクしてもいい映画になるような気がしましたね。
kossyさんからだと、周回遅れの気もしますが(笑)。
最後のチャヌク作品が、一番長かったせいか、秀逸だったと思います。主人公の視線によるアングルや、モノクロからカラーへの切り替えも素晴らしいです。
今秋公開の「親切なクムジャさん」も待ち遠しいですね。
チャヌク監督・・・おそるべし!です
『JSA』『オールドボーイ』ではそれほど凄い監督だと思わなかったのですが、この短編と『復讐者に憐れみを』を観てからは畏怖の念で監督を見てしまいます。
『親切なクムジャさん』・・・タイトルに騙される人も出てくるのではないでしょうか。暖かい人間ドラマだと思って観たら、うわぁーーっていう感じの・・・
韓国を代表する6名の監督が、それぞれのテイストで問題提起。
笑いアリ・近未来の仮想空間アリ・ホラーアリ・生々しい実写アリ・実話アリ。
全作秀逸でした。
近年、邦画でも、直球作品より、変化球作品が増えています。
まるで、大人向けイソップ物語。
儒教の国・韓国でさえ、いかん!とストレートに言わず、反面教師的な変化球作品にしないと、興業的に成立しないのかと感じました。
経済大国・先進国・物質的に豊かな国にマンエンする社会問題・価値観の変化。
100年後の歴史の教科書に、今を何期と記されるのかと・・考えたりします。。
社会派作品なんだろうけど、長編にすると娯楽作にもなりうる映画ばかりでしたよね。
オムニバスとしてはバランスが悪いかな~などと感じたのですが、韓国の事情や人間の根本的良心にも鋭く突き刺さってくる作品群に満足です。
もともとオムニバス映画というのはヒットしないものなんです。まぁ、個々の作品の監督を注目するにはいい機会なので、今後も参考になるかな・・・
日本でもこうしたワンテーマで社会派オムニバスを作ってもらいたいですよね。