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2007-06-10 01:25:23 | 映画2007
 スパルタと聞くと、戸塚ヨットスクールを思い出す。

 石原慎太郎氏が支援者の会会長を務める戸塚ヨットスクール。体罰や虐待によって生徒を死に至らしめた事件は20年の時を経ても未だに鮮明な記憶として残っている。軍人を育て上げるわけでもなく、ヨットの訓練を通して「健全な精神と肉体を作ること」を目的としていたという、考えると戸塚宏の頭の構造が異常だとしか思えない。その戸塚ヨットスクールといえばスパルタ教育。映画に登場するギリシアのスパルタはスパルタ教育の語源である。

 映像も原作者であるフランク・ミラー独特のアニメにも似た色彩感覚。CGやスローモーションを多用した迫力ある戦闘シーンなど、注目すべきところは多い。腕やら足やら首やらが遠慮なく斬られ飛んでいったしまうし、全体的に血飛沫が凄いのです。観客は完全にスパルタ重装歩兵の目線になっているし、どうせ相手は侵略者だからと、ハラハラしながらも感情移入しながら観ていられる安心設計。存分に古代ギリシアの歴史体験をできるようになっていました。

 100万の軍勢とも言われるペルシア軍を向かえ討つべく、道幅の狭いホット・ゲートで陣を構えるレオニダス王(ジェラルド・バトラー)率いるスパルタ軍。最初は先陣部隊を蹴散らし、死体の山を築きあげ、やがて恐怖の不死部隊と戦うことになる・・・とにかく次から次へと無尽蔵に兵士を補充してくるうえに、人間じゃないものまで襲い掛かってくるのです。サイやら巨大象やら巨人まで。『LOTR』でファラミア役だったデヴィッド・ウェンハムもいるんだから、矢でも鉄砲でもオークでもドラゴンでも出しやがれ!てな気持ちにもさせられます。

 いくら史実だからとはいえ、戦争とは悲惨なものです。「自由と民主主義を守るため」などという言葉も聞かれますが、スパルタなんて軍国主義そのものの国(ポリス)だし、元々は征服民族のドーリア人。一生国家に尽くす選ばれた軍人といっても、労働をしない『猿の惑星』におけるゴリラみたいなものなのです。「美しく死ぬことが本望」だなんて言葉が出てくるのは自爆テロや特攻精神と一緒。玉砕しても、国に残された兵士たちの家族や国民がペルシア軍に何をされるか心配じゃないんでしょうか?と、映画では感じてしまいます・・・実際には、戦った場所のテルモピュライとスパルタは遠く離れていて、途中にはアテネもあるのですが、映画を観る限りではそこまでわかりません。

 歴史スペクタクル映画は好きなので、ある程度は楽しめました。間道を敵に教える醜い男の存在もよかった。しかし、せっかく長老会や王妃を騙すセロンも賄賂をもらっていたという裏を描くのなら、もっとわかりやすくしてほしかったです。それに石原氏が好きそうな題材ばかりを詰め込んであることも気になってしょうがない・・・・

★★★・・

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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
CMにそそられてました (ちょび)
2007-06-10 02:32:12
歴史スペクタクル映画は良いですね。しかも古代ローマ時代とかがいいです。CMで宣伝されるたび、激しく「見たい」って思いましたが、明日はジョニデの魅力に負けパイレーツを見てきます。
でも、ファラミア役の人が出ているんですね。かなり観たくなりました。
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戸塚 (たいむ)
2007-06-10 15:53:21
kossyさん、こんにちは。
>戸塚
そんな事件あましたねー、そういえば。
スパルタ教育の語源がここから来ていると思うと、納得できない部分はあるのですが、完全なるファンタジーと思えば、上っ面を充分楽しめた作品でした。
しかし、この時代にもかかわらず「女」を大切にする民族だとは意外でした。本当なのかな?
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こんにちは。 (ジョー)
2007-06-10 16:24:19
TBありがとうございます。
なんといってもビジュアルは素晴らしかったですね。内容の進化を期待したいと思います。
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現実と照らし合わせちゃうと (rukkia)
2007-06-10 22:42:12
kossyさんはあまりお気に召さなかったようですね。
やはり現実世界が頭をかすめると楽しめない映画なのでしょう。
スパルタ戦士は農業で国をささえる奴隷の上になりたってるわけですから…。

私自身はファンタジーとして多いに楽しんじゃいました(^^;
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ファラミア (GAKU)
2007-06-10 23:39:56
kossyさん、こんばんは。
TBありがとうございました。
熱い映画でしたね。戸塚ヨットスクールや男塾も
このスパルタンに影響されたかどうかは不明ですが、
「漢と書いておとこと読む!漢はかくありき!」
みたいな考え方は、今もなお生きづいているように
思います。清原とか、哀川翔とかが好きそうですね。

そうそう、ファラミアことデビッド・ウィナム、
出てましたね。“戦士モノではこの人”みたいな
ポジションを獲得したのかな。でも、戦士役は
やはり似合ってました。
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賄賂とペルシャ軍について (しん)
2007-06-10 23:41:35
賄賂をもらう裏切り者は、何だってあんなにわかりやすい証拠の金貨(敵の国家元首の肖像つき)を、わざわざ懐に入れて議会に入ったのでしょうか。家に隠していればいいのに・・・
考えるに、あれはレオニダスの妻が刺すと同時にさっと、彼の懐につっこんで・・・
ということは、亭主にして王を無謀な戦いに送り出して殺し、政敵まで殺し、自らは侵略軍支配後ものうのうと生き延びようとした、恐るべき策士ではないのか!!

戦闘軍事国家で兵として無能なものは殺すか、生きていても要職につけないスパルタと違い、ペルシャはせむし男でも将にとりたてる
ひょっとしてペルシャこそ恐怖の独裁国家を蹴散らす解放軍にして世界の警察ではないのか!?
黒人も要職につけるみたいだし、あれれ、ひょっとしてモデルはアメリカ・・・

などとどうでもいいことを考えたくなる、かなりどうでもいい映画でしたね
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すぱるたー (シャーロット)
2007-06-11 00:38:32
こんばんは。
私的にはかなり笑える映画でして;
なんか面白い伸び方のヒゲ面も、強いようで王妃にはタジタジのところも、変な仮面の軍団とか、クスルクセス王のメイクとか笑えて仕方がなくって。
血がドバッとか首ちょんぱとか、大画面でマンガ見てる気分になれたのか、あまり気になりませんでしたです。ホラーも劇場デビューそろそろできるかも?笑
ひたすら筋肉堪能いたしましたww
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確かにいいイメージありませんね・・・ (PGM21)
2007-06-12 00:54:53
何時もお世話になっております。

確かにスパルタという言葉でいいイメージはありませんね。私もスパルタ教育を否定的に考えているのでどちらかというと自由主義で管理に縛らない方針ですから・・・
国として考えると確かにとは思いますが、戦い方としては戦略に長けていたという事は確り証明されたと思って観ていました。
ただのいのしし猛者では強くても勝てないですからね。あれだけ血祭りに挙げられたら海は血に染まっただろうと思います。
戦略という点では観る価値はありましたけれどね。
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Unknown (メビウス)
2007-06-12 01:56:47
kossyさんこんばんわ♪TB有難うございました♪

昔の人達はやっぱり死も美徳の一部だと思っていたんでしょうねぇ。それでなくてもスパルタは死よりも、掟や誇りを重要視していた感じが見受けられましたし、先人達が築き上げてきた歴史を壊す事はしたくなかったんでしょうと深く考えてみたり。

でも圧倒的不利な立場にも関わらず降伏もせず、あの勇ましい戦いをしたからこそ、後に3万のスパルタ軍を決起させペルシア軍に勝利したと考えると、無駄死にじゃなかったように思えます。
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Unknown (Nakaji)
2007-06-15 00:11:23
kossyさんこんばんわ♪
戸塚ヨットスクールって懐かしすぎる・・・
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