予想がつかない展開に思わず唸ってしまうほどだったが、実はドンちゃん（エディソン・チャン）は山下清だったというサプライズがあれば満点にしてもよかった・・・
裸の大将、ドンちゃんはランニング一丁なのである。そのランニングシャツも絵の具で汚れ、浮浪児のように扱われイヂメの対象になってしまうような風貌なのだ。それは小学生当時も大人になってからも一緒。常にシャツを汚していたいのだ。対する鉄ちゃん（窪塚）はお坊ちゃま風。研修医となった今でもお洒落なのだ。
念力も使えるドンちゃんは放火犯として刑務所に入れられたけど、もうすぐ刑期も終わるというのに脱走します。もしかして意地の悪そうな刑事モロ師岡に復讐するために？いえいえ、そんな復讐劇ではございません。じゃぁ、なぜなんだ？鉄ちゃんはエミ（黒木メイサ）のことを愛し、自分が彼女の心臓病を治すんだ！という自惚れと、ドンちゃんの友情を忘れていたために彼がなぜ脱走したのか理解できなかったのです。そしてストーリーは急展開！ヤクザの山本太郎とドンちゃんが心を通わせるのです・・・
窪塚復帰作として注目を浴びているこの映画ですけど、深作欣司のご子息である健太監督の再スタートとなった作品でもあります。ストーリーそのものや役者の演技よりは、欣司DNAを受け継いだ健太のこだわり映像が楽しめるのです。冒頭から心臓を生々しく描いた手術映像を映し出したり、徹底した暴力描写によって、純愛青春ドラマを深作映画に変えてしまってるのです。純愛テイストの上にこれらを描くため、放火、いじめ、暴力などをあきらかに観る者に毛嫌いさせる手法なのだと思います。そして、妙なこだわり・・・例えば、雨雫が窪塚の肩にしたたり落ちるところでドシーン、ドシーンと効果音を入れたり、ヤクザのボスが牛乳をチューチュー吸っていたり、松尾スズキだけはギャグに徹していたり・・・そんな愛すべき箇所も多い。さらに深作らしさはツッコミどころが多いことでも証明される（あまりにも多いので敢えて省略）。
さて、復帰した窪塚くんはどうだったでしょうか。『ピンポン』や『GO』での個性的キャラじゃないため、静の部分ではまだまだ弱く、ドンちゃんと再会してケンカする場面では素晴らしかったけど、普通のキャラはもっと頑張らねば！と感じた。『GTO』の雰囲気に戻った感じでしょうか。一方、エディソン・チャンはうまい！日本語もちゃんとしゃべってるし、人をあわれむような奥の深い瞳がよかった。責任を全て自分が背負ってしまうという慈愛の精神に満ちた神のような存在なのです。山本太郎もとても存在感のある重要な役であり、演技力ありますよね～もっと存在感があるのはやはり岸田今日子でしたが・・・
★★★・・
【ネタバレ】
ドンちゃんが刑務所を脱走したのは、エミが彼に結婚するかもしれないという手紙を書いたので、「おめでとう」という言葉と結婚式を予想した絵を贈るためだった。鉄ちゃんと二人でイジメに遭ったときも自ら川に落ちたし、放火にしたって鉄矢の責任を自分が被ってしまった。会ってまもない金子の盾となって銃弾を受けたり、とにかく自己犠牲の精神が強すぎた。周囲の人間が幸せになれば、自分はどうなってもかまわない・・・自分がそういう道を選ぶことも予言に現れていたのかもしれない・・・
裸の大将、ドンちゃんはランニング一丁なのである。そのランニングシャツも絵の具で汚れ、浮浪児のように扱われイヂメの対象になってしまうような風貌なのだ。それは小学生当時も大人になってからも一緒。常にシャツを汚していたいのだ。対する鉄ちゃん（窪塚）はお坊ちゃま風。研修医となった今でもお洒落なのだ。
念力も使えるドンちゃんは放火犯として刑務所に入れられたけど、もうすぐ刑期も終わるというのに脱走します。もしかして意地の悪そうな刑事モロ師岡に復讐するために？いえいえ、そんな復讐劇ではございません。じゃぁ、なぜなんだ？鉄ちゃんはエミ（黒木メイサ）のことを愛し、自分が彼女の心臓病を治すんだ！という自惚れと、ドンちゃんの友情を忘れていたために彼がなぜ脱走したのか理解できなかったのです。そしてストーリーは急展開！ヤクザの山本太郎とドンちゃんが心を通わせるのです・・・
窪塚復帰作として注目を浴びているこの映画ですけど、深作欣司のご子息である健太監督の再スタートとなった作品でもあります。ストーリーそのものや役者の演技よりは、欣司DNAを受け継いだ健太のこだわり映像が楽しめるのです。冒頭から心臓を生々しく描いた手術映像を映し出したり、徹底した暴力描写によって、純愛青春ドラマを深作映画に変えてしまってるのです。純愛テイストの上にこれらを描くため、放火、いじめ、暴力などをあきらかに観る者に毛嫌いさせる手法なのだと思います。そして、妙なこだわり・・・例えば、雨雫が窪塚の肩にしたたり落ちるところでドシーン、ドシーンと効果音を入れたり、ヤクザのボスが牛乳をチューチュー吸っていたり、松尾スズキだけはギャグに徹していたり・・・そんな愛すべき箇所も多い。さらに深作らしさはツッコミどころが多いことでも証明される（あまりにも多いので敢えて省略）。
さて、復帰した窪塚くんはどうだったでしょうか。『ピンポン』や『GO』での個性的キャラじゃないため、静の部分ではまだまだ弱く、ドンちゃんと再会してケンカする場面では素晴らしかったけど、普通のキャラはもっと頑張らねば！と感じた。『GTO』の雰囲気に戻った感じでしょうか。一方、エディソン・チャンはうまい！日本語もちゃんとしゃべってるし、人をあわれむような奥の深い瞳がよかった。責任を全て自分が背負ってしまうという慈愛の精神に満ちた神のような存在なのです。山本太郎もとても存在感のある重要な役であり、演技力ありますよね～もっと存在感があるのはやはり岸田今日子でしたが・・・
★★★・・
【ネタバレ】
ドンちゃんが刑務所を脱走したのは、エミが彼に結婚するかもしれないという手紙を書いたので、「おめでとう」という言葉と結婚式を予想した絵を贈るためだった。鉄ちゃんと二人でイジメに遭ったときも自ら川に落ちたし、放火にしたって鉄矢の責任を自分が被ってしまった。会ってまもない金子の盾となって銃弾を受けたり、とにかく自己犠牲の精神が強すぎた。周囲の人間が幸せになれば、自分はどうなってもかまわない・・・自分がそういう道を選ぶことも予言に現れていたのかもしれない・・・
脇役の定番といったところでしょうか。
ここは彼女しかいないでしょ～なんて、あっさりキャスティングされてしまった感じ。
まぁ、あれだけの時間だったら許せるかなぁ。
竹中直人は許せないときがあるけど・・・（笑）
あの、岸田今日子に関しては、絶対、悪く言う人いないんだけどさ。端役でもね。
でも、ちょっと、お顔が崩壊しすぎていません？
僕は、もうそろそろ、彼女はいいな。
あと、うるさい竹中直人も、もういいな（笑）
知らないです・・・元気がでるテレビはたまーに見てたから、見ればわかるかなぁ・・・
メロリンキューのポーズで死んでいくというサプライズがあれば
満点にしても良かったです
俺も好きなんです、この映画。
ただ、ツッコミどころが多いことによって、評価を下げざるを得ないような、そんな映画でした。
あの絵の中の目もすごいインパクトですよね。
原作を読まれた方のコメントで
ラストの子供の「念力」は付けたしだと
知って、納得です。ドンちゃんは二人の
幸せを願っていたのだから、絵のなかで
見守れば十分感動的でした。
でも、よかったな、この物語。
そうなんですよね。
前宣伝で「ラストは号泣」などと植え付けられましたから、ちょっと身構えてしまうんですよね。
ラストに身構えてしまえばいいと思ってたもんだから、川に飛びこむドンちゃんで泣いてしまった・・・
ラストの小屋の火事ではさすがに涙が出ませんでした。
やっと観ることができました。どうしようもない「映画」とも思うのに、なぜか、泣けて泣けて…。
メイサが、もう少し魅力的な演技だったら、もっと良かったのにな、などと思いながら、目を冷やしています。（爆）
あの絵を描きあげるあたりで、未来を全て見通していたのでしょうけど、悲しいですよね。
全ては二人が幸せになればいいと考えていたんでしょうし、それも描いてしまったのでしょうか。
俺は、黒木メイサが手紙を書かなかったら、すべて幸せになってたんじゃないかと想像すると・・・もっと悲しかったりする・・・
人間のどういう部分までを見抜いていたのかと
とても悲しくなったです。
『ただいま念力中～』っていう効果音が無くても、何かを感じてそして見つめるエディの瞳が印象的だったです！
はじめまして～
そうなんですかぁ～ラストが違うとな・・・たしかにあの場面はちょっとツッコミたくなるシーンでもありますよね。展開も読めちゃうし。要らないところでしょう。
オリジナルが違うとなると、読んで見たくなりますね。情報ありがとうございました。
原作知ってる僕が言うのは反則かもしれませんが、放火、脱走、いじめ、やくざ等の暗いシナリオは原作そのままですよ。原作は本当に素晴らしかったです。映画の何十倍も。僕が納得いかないのは、ラストで子供を助けて心臓移植しましたよね。あれ原作は違うんですよ。がっかりですよー。
やはりお父様は偉大だった。
しっかり受け継いでますよね～
今後も期待します♪
そっか・・・普通に考えたらそうですよね（笑）
パク・チャヌク映画の闇の腎臓移植が自然と受け入れられてるので、気にもしませんでした。しかし、あの心臓は何の心臓なんでしょ？豚？それとも作り物？
黒木メイサはイマイチでした。
中でも私は「心臓移植」にツッコミたいです。
あれはちょっといただけないです。
あぁ～、キャスティングが良かっただけに（黒木メイサには不安ありですが）、もっとがんばって欲しかったと思います。
完璧な山下清でした！（笑）
同じところが汚れているランニングシャツはエディソンくんと子役が同じものを着ていたから？それはちょっと無理か。
言葉が上手くならないのは、寡黙なため（と思うようにしています）。たまにそういうのありますよね。『未完の対局』とか・・・あれは全然上手くならなかった。
『未完の対局』といえば、佐藤純弥監督。そろそろ『男たちの大和』も近づいてきました。楽しみな12月です。
狙ってたのかな？
子供の時も大人になっても同じ所汚れてるし・・。
ずーっと日本に住んでても言葉は上手にならない設定なのね？
大好きな山本太郎が好演してくれて嬉しいです！
私もドンちゃんを見て「山下清だぁ～」と思ってしまいました。
そうですね、一番存在感があったのは確かに岸田今日子でした。
あの諦めの瞳。
目だけで演技できるってのはこういうことなのでしょうか。
川に落ちた子役も目の演技が上手でしたね。
＞Ageha様
俺も胸がキュン！っと・・・歳かな。
監督はどこに視線を集中するように指示を出したんでしょうね。クボヅカじゃあの目は無理か。
山本太郎って、結構どの映画でもいい演技してるんですよ。ま、ヤクザみたいなのが多いけど。
そして心臓病ね。
放火のシーンで胸がドキドキしたら、やばい症状ですよね。
目がいっぱいあったのは『妖怪大戦争』の百目に対するオマージュだったのかとも思いましたけど、今までクボヅカを見てきた目なんでしょうね～
＞RIN様
黒木メイサちゃん。
存在感なかったですね～
走ったらヤバイのに、走っているときにどうすればいいのかという困った顔を見たかった。
エミへの愛情。
ドンちゃんはエミに自分の心臓を提供するなんてことを考えていなかったのか・・・ちょっと気になってます。
もちろん彼の「犠牲的精神」もあると思うんですけど、
やっぱりその根底には、「エミに、一点の曇りない心でいて欲しい（心置きなく結婚して欲しい）」
という、彼女への深い愛情が一番強いんだと思うんですよね。
窪塚くんへも「エミにだけは優しくしてやって」
って言ってましたしね。
その愛を受ける黒木メイサちゃんをもうちょっと生かして欲しかったなあ・・・
と残念な気がしますねえ。（まあ、若いから仕方ないかなあ・・・）
もうあの瞳に胸キュンでした。
韓流なんて・・と常々言うくせに。
確かに黙して語らなかった分もっと
演技に深みが出たような気がします。
・・・って高倉健ですか、あーた。（笑）
松尾スズキとそれからなんといっても山本太郎さんに拍手～～。
心臓のリアルさよりもラストのほうではじめて
出てくる目だらけの絵が怖かったです。
絵の中でしか感情を表に出さない彼の内面。
さて何を語りたかったのでしょう・・・。
エディソン・チャンの存在感はあの瞳が全て
いやー。彼の瞳に「諦め」も見えて泣けてしかたなかったっす。
エディソンくんは良かったです。
1箇所だけ吹替えがあったような気がしましたけど、ほぼ完璧な日本語。言葉少ないという設定も功を奏したのでしょうか。
目がいいんですよね・・・やはり。
反転ネタバレにしたのは、「出所間近なのに何故脱走したのかわからない」と疑問に感じている人が結構いたためです。あまりにも純粋だったためにあの行動に出たと、終盤に注目していればわかりますもんね。
メイキングの深作監督、すごかったですよ。
ものすごいテンション高くて・・・。
エディソンくんは、撮影前に何度も何度もセリフを
口に出して確認してました。
当初の脚本よりだいぶんセリフは減らしていると思います。
まあ、それが、彼の演技力をさらに引き出す結果に
なったので、良かったと思います。
窪塚くんが、ドンをやっていたら、もうちょっと
陰気臭い感じになったような気がします・・・
（いえ、何の根拠もありませんが・・・・
たしかにあのラストは・・・
でも、いっぱい伏線がはってありましたから。誰かが誰かに心臓を提供するといった・・・最初の予想と違っていたので、それなりに面白い展開だと思いました。
窪塚のドン・・・ちょっと考えられませんよね（笑）
できればあのラストにはしないでほしかったです。
あまりに悲しすぎました。違う意味でもですけど(笑)
窪塚くんが鉄也役を希望してくれたのは結果オーライだったと思いました。
ドン役だったらどうなってたんでしょうね？