オスカル(oscar)が見えた?
せっかくデュ・バリー夫人を前半のメインに持ってきているのにマリー・アントワネットとの確執がほとんど見えない。フランスとオーストリアの同盟が崩れ去ってしまうかもしれない!という危機的状況にもまったく緊張感がない出演者たちの演技。これじゃ何故メルシー大使がオロオロするのかわからないでしょう。もしかすると、アントワネットはデュ・バリーが娼婦だから毛嫌いしてたのではなく、ただ声をかけ忘れただけだったのかもしれない・・・と知らない人は感じるのかもしれません。長男の死亡を肖像画だけで表現していたのは面白かったのですが、知らない人はどう感じたのでしょうか・・・子供もいきなり増えてたし。
マリー・アントワネットの存在はフランス革命が起こった一因でありますが、ソフィア・コッポラはこの時代設定やベルサイユ宮殿を舞台とした絢爛豪華な貴族社会にロック・ポップスを用いるという斬新さで臨みました。これこそまさに映画革命とでも言うべき手法だったとも言えるのでしょう。しかも、スイーツ好きの女性たちからも圧倒的な支持を得られると予測して、衣装の豪華さと涎腺を刺激する美味しい映像を盛り込んで攻めてきます。公開時期がもう少し早ければ不二家の事件も起こらなかったんじゃないかと思うほど・・・
デュ・バリーもそうですが、ポリニャック公爵夫人の描写も弱いし、悪名高き首飾り事件も描かれてません。物語は、周りから世継ぎを急かされたアントワネットがその鬱憤を晴らすかのようにオペラ通いや賭博や夜遊びに興ずる様子が中心となります。世界史で最も贅沢で浪費家という彼女の姿だってそんなに感じられない、ただ普通の女の子が女王になっちゃったというディズニーのラブコメのような雰囲気なのです。ひょっとすると、最大の無駄遣い・浪費家はソフィア・コッポラ監督自身だったんじゃないかと思われるほど(映画製作費がどれだけなのかは知りません)。
そうなってくると、ルイ15世はフランシス・フォード・コッポラを表していて、崩壊していくフランス・ブルボン王朝はコッポラファミリーそのものであり、ルイ16世にジェイソン・シュワルツマンを起用したのもその意図があったのかもしれない。こうなってくると、ニコラス・ケイジにも出演してもらいたくもなるし、スウェーデンのフェルゼン伯爵にはクエンティン・タランティーノを起用してもらいたかったところだ(無理か・・・)。平民の姿は最後のシーンまで全く出てこないほど王室視点を貫いていましたけど、さすがに最後には登場する。この民衆は映画の観客そのものであり、キルステン・ダンストの生まれながらにして女王であるような会釈によって評価を委ねられるのです。
終わってみると、何を言いたい映画なのかさっぱりわからなかった。ポップな感覚の女王。無邪気な女王。外の世界など全くしらない純粋すぎる女王。バスティーユ牢獄がなぜ襲撃されたのかもわからない女王。単に新しい視点を強調したかっただけなのか。浪費家ぶりが靴やケーキやオペラだけだと弱すぎるし、他国の独立戦争に援助することの愚かしさを訴えたかったわけでもあるまい。それに、ソフィア・コッポラが日本に留学したこともあるのなら、「ベルサイユのバラ」が人気コミックであることくらい知っていてもよさそうなのに・・・残念だった。ロザリーだけでも・・・
★★・・・
せっかくデュ・バリー夫人を前半のメインに持ってきているのにマリー・アントワネットとの確執がほとんど見えない。フランスとオーストリアの同盟が崩れ去ってしまうかもしれない!という危機的状況にもまったく緊張感がない出演者たちの演技。これじゃ何故メルシー大使がオロオロするのかわからないでしょう。もしかすると、アントワネットはデュ・バリーが娼婦だから毛嫌いしてたのではなく、ただ声をかけ忘れただけだったのかもしれない・・・と知らない人は感じるのかもしれません。長男の死亡を肖像画だけで表現していたのは面白かったのですが、知らない人はどう感じたのでしょうか・・・子供もいきなり増えてたし。
マリー・アントワネットの存在はフランス革命が起こった一因でありますが、ソフィア・コッポラはこの時代設定やベルサイユ宮殿を舞台とした絢爛豪華な貴族社会にロック・ポップスを用いるという斬新さで臨みました。これこそまさに映画革命とでも言うべき手法だったとも言えるのでしょう。しかも、スイーツ好きの女性たちからも圧倒的な支持を得られると予測して、衣装の豪華さと涎腺を刺激する美味しい映像を盛り込んで攻めてきます。公開時期がもう少し早ければ不二家の事件も起こらなかったんじゃないかと思うほど・・・
デュ・バリーもそうですが、ポリニャック公爵夫人の描写も弱いし、悪名高き首飾り事件も描かれてません。物語は、周りから世継ぎを急かされたアントワネットがその鬱憤を晴らすかのようにオペラ通いや賭博や夜遊びに興ずる様子が中心となります。世界史で最も贅沢で浪費家という彼女の姿だってそんなに感じられない、ただ普通の女の子が女王になっちゃったというディズニーのラブコメのような雰囲気なのです。ひょっとすると、最大の無駄遣い・浪費家はソフィア・コッポラ監督自身だったんじゃないかと思われるほど(映画製作費がどれだけなのかは知りません)。
そうなってくると、ルイ15世はフランシス・フォード・コッポラを表していて、崩壊していくフランス・ブルボン王朝はコッポラファミリーそのものであり、ルイ16世にジェイソン・シュワルツマンを起用したのもその意図があったのかもしれない。こうなってくると、ニコラス・ケイジにも出演してもらいたくもなるし、スウェーデンのフェルゼン伯爵にはクエンティン・タランティーノを起用してもらいたかったところだ(無理か・・・)。平民の姿は最後のシーンまで全く出てこないほど王室視点を貫いていましたけど、さすがに最後には登場する。この民衆は映画の観客そのものであり、キルステン・ダンストの生まれながらにして女王であるような会釈によって評価を委ねられるのです。
終わってみると、何を言いたい映画なのかさっぱりわからなかった。ポップな感覚の女王。無邪気な女王。外の世界など全くしらない純粋すぎる女王。バスティーユ牢獄がなぜ襲撃されたのかもわからない女王。単に新しい視点を強調したかっただけなのか。浪費家ぶりが靴やケーキやオペラだけだと弱すぎるし、他国の独立戦争に援助することの愚かしさを訴えたかったわけでもあるまい。それに、ソフィア・コッポラが日本に留学したこともあるのなら、「ベルサイユのバラ」が人気コミックであることくらい知っていてもよさそうなのに・・・残念だった。ロザリーだけでも・・・
★★・・・
>長男の死亡を肖像画だけで表現していたのは面白かったのですが、知らない人はどう感じたのでしょうか・・・子供もいきなり増えてたし。
肖像画だけでの表現、とても印象的でした。その事実が歴史に与えた影響はわかりませんが、その描き方は良かったと思います。
ニコラス・ケイジとクエンティン・タランティーノ、出て欲しかったですね~!!
ソフィア・コッポラは次は何を見せてくれるのか、楽しみです☆
誰も知らないマリー・アントワネット・・・みんな知ってるって。映画が勉強になるものばかりであるとはいいませんが、あまりの薄さと豪華な周りの様子に「大奥」もビックリでした。
こう考えると、「ベルサイユのばら」ってつくづく凄い漫画でしたわ。
しかし、ブルボン王朝とコッポラ家!!なるほど。金をつかい過ぎて、つけが回ってきてしまった次世代。でもそのことを本人はトンと把握できずにまたまた無駄遣いしちゃってるのかもしれませんな。
ネタバレさんと同じような事を感じました。
最初は圧倒的な絢爛豪華さと、美しい色彩に目を奪われ、乙女チックな気分に浸っておりました。キルスティンも可愛らしく見えたほどです。いや実際綺麗でした。。。(汗)
映画の前半は、アントワネットの一人の女性としての心情が感じとれましたが、後半で失速したように思います。何だか中途半端な結末で、残念に思いました。
全体的な雰囲気に、監督のセンスの良さを感じましたので。。。ああっ残念!!
でも、ベルバラに傾倒していた元ガールとしては立体で動くマリーを見るだけでもワクワクしてしまうんですよね~。
あえて歴史的なものを外してしまった勇気(?)を買いたいです(爆)
すんごい制作費がかかっていると思うのですが、ソフィアったらどうしちゃったんでしょうか。
たがが外れた?
それにしても思うことは、池田理代子はすごいな~ってことです。
漫画家はみんなそうかもしれませんが、リサーチが素晴らしいですよね。
あのフランス革命前夜の事を含めてブルボン王朝のことなどすべて少女たちにインプットしたのですから。
歴史ものじゃなくて青春ものという感じでしたが、カラフルなグッズ小物やお菓子の洪水に腹減ったーとおなかをぐーぐーならしながらみてました。
やはり男性には、まったく受けない映画ですよね~。
私には、ソフィア・コッポラ流アイドル!マリー・アントワネットという感じの
これは一種のアイドル映画に思えました!!
だから、あえて面倒な歴史も革命が起きてからも
すっとばしてみました!!って感じでしょうか(笑)
たしかにガーリーッシュムービーでした!
俺の場合は世界史が好きになったのも「ベルサイユのバラ」のおかげでして、このあたりの歴史だけは真面目に勉強しましたです(汗)
肖像画だけで描いた長男の死は感情移入する暇がないほどスピーディでしたけど、マリー・アントワネットの悲しみは相当なものだったんでしょうね。かなり印象に残ります。
ニコラス・ケイジは映画に出まくってるし、タランティーノも忙しそう。でも彼らが出演することになったら、もっとアドバイスを与えていたかもしれない・・・
>sakurai様
さすがに歴史を教える方の意見は参考になります。
30代以上の方はみんな知ってるアントワネットですが、知らない世代の観客はどのように受け止めたのでしょうかね、気になるところです。
たしか池田理代子さんのコミックでも参考資料をずらっと挙げていたと思うのですが、リサーチに関してはこのソフィア・コッポラはその足元にも及ばない。表面上だけを調べたのか、軽すぎましたよね~
映画史上最大の浪費家とまではいかないでしょうけど、あとでツケがまわってくるのかなぁ・・・またインディペンデント映画に戻ったりして(笑)
>由香さま
キスルティン・ダンストには罪はないですからね~
彼女のキュートさ、ポップさはソフィア・コッポラが描きたかったアントワネット像にピッタリだったんでしょうね。
後半はあきらかに失速気味でした。重要な事件や心情もさらっと描いてしまって、ストーリーの軸となるようなものが無くなってしまいました。
せめて宝石を買い漁ったことを描いていれば浪費家だったこともわかるのに・・・
>ミチ様
俺もベルバラにはまっていた元ボーイです・・・
コミックファンでもアントワネット派が多かったのでしょうけど、俺は元々庶民派ですのでアンドレとロザリーに夢中だったのです(汗)
ソフィア・コッポラはほんとにどうしちゃったんでしょ・・・
多分『ロスト・イン・トランスレーション』のヒットに金銭的にも精神的にも余裕ができたのでしょうけどね。
俺もベルバラがなかったら、世界史に興味を持たなかった人です。少女漫画はそれ以前にも読んでましたが・・・(汗)
>mako様
ジャック・ドゥミの実写化映画!
俺もテレビでやってたのをチラッと見た記憶があるのですが、すぐに消しちゃいました。今となってはもう一度観たい!!
でもやっぱり宝塚バージョンがいいかなぁ・・・
ちなみに連続アニメが地元で放映されていたとき、なぜだか途中で打ち切りになってしまいました。どしてなんだ、石川県(泣)
>ルナ様
アイドル映画としてみれば男でも楽しめるんです。
ただ、キルスティンをアイドルとして見れるかどうかで・・・
歴史の重要な部分を切り取ってしまうのも斬新で潔いとも思ったのですが、俺としてはデュ・バリー夫人とのエピソードが一番残念だったんです・・・
「世継ぎ」のエピソードなんて、まんま今の日本
の皇室にも近い状態じゃないかと思いながら観賞し
てました。先を越された彼女の悲痛の涙が一番哀し
かったかも。
史実を描くとゆーよりは、王妃アントワネットは
フツーの女性でした!とゆーことを強調していたよ
ーに感じました。
と言うS・コッポラのたくらみ通りでしたね。
私は…、ベルサイユ宮殿内が活き活きしていて、それだけでも楽しめました。
お菓子も食べたくなったしね!
普通の女の子とかいった評も見受けられますが、それなら愛子様はどうなるんだ~とか思ってしまいます。
ベルバラでは高位の者からしか声をかけられないということを解説していたので、すんなり状況も飲み込めたのですけど、王位継承順位とかかなり複雑なはずなんですよね。
普通であったというか、王族に生まれたことさえ忘れているオバカさんであったと言うほうが・・・
>pretty_kitten様
そ、そんな企みがあったのですかぁ~
さすがコッポラ、観客を煙に巻いてしまう腕は確かなようですね・・・
お菓子は食べたくなりますよね。俺は早速チョコレートを食べてしまいました・・・あぁ。