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ゆきゆきて、神軍

2005-03-26 23:25:36 | 映画2005
 「靖国」という言葉を聞いただけで相手に飛びかかる男、奥崎謙三。本人の思想や性格には賛同することはできないが、戦争の閉ざされた真実・戦争の狂気と残虐性を暴いていった手腕に拍手を送りたい。

 頑なに口を閉ざした元上官。敵前逃亡の罪で銃殺した事実を、奥崎の脅しともとれる迫力に負けて重い口を開いていく。「人肉を・・・」という台詞がポンポンでてくる様子。普通の戦争映画全てが生ぬるく思えてしまうほど説得力がある内容だった(『生きてこそ』よりもすごいかも)。ボカシも修正もなく顔を出す復員兵たちの「生きるために仕方がなかった」と何度も語る凄惨な現場が、映像も伴わないというのにリアルに訴えてくる。これは森村誠一著「悪魔の飽食」と同じく、非人間的な戦争の醜さを表現した反戦ドキュメンタリーだと思う。

 正直に自分の罪を認めて贖罪すれば、彼は納得する。「悪いのはヒロヒトだ!」と彼は叫ぶ。ニューギニア戦で生き残った数少ない彼は、「天皇にパチンコ玉を撃った」「人を殺してしまった」「上官を殴った回数は日本一」と豪語し、「いい暴力なら許される」と自説を曲げない。好きにはなれないが、我々に「筋を通すこと」や「真実を知ること」の大切さを教えてくれた。

 普通の戦争体験談は戦争を知る上でもちろん有意義なことなのですが、その常識の裏にある人間の悪を暴き出したかのような事実も知らなければならない。戦争体験者が少なくなっていく現在の日本において、今後、どうすれば戦争の悲惨さを訴えることができるのかなぁ。

★★★★★
ゆきゆきて、神軍@映画生活

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奥崎謙三 (邦画ブラボー)
2005-03-27 08:51:33
こんにちは。

TBありがとうございます。



奥崎という怪物に迫り、

戦争の恐怖や人間の本質をえぐった

すごいドキュメンタリーだったと思います。
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衝撃 (ウォーク・ドント・ラン)
2005-03-27 17:55:44
この作品は今まで観た映画の中で最も衝撃を受けた作品の一つです。こんな映画がかつてあったというだけでも映画の自由さ、偉大さが実感される気がします。

TBありがとうございました。

また見に来ますね^^
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奥崎さん (kossy)
2005-03-28 00:50:02
>邦画ブラボー様

「戦争の恐怖と人間の本質」・・・感じましたよ!

もう、すごかった。

淡々と語るところが不気味でしたね。。。



>ウォーク・ドント・ランさま

衝撃・・・かなり残りそうです。

もっと多くの人に見てもらいたい映画ですよね。

企画:今村昌平というのも衝撃でした。。。
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Unknown (ウォーク・ドント・ラン)
2005-03-29 02:13:17
そうですね。

僕は劇場で限定二日間公開されたときに見に行ったのですが、ほんとに人少なかったです。

観たら絶対に面白い作品だと思うのでなんだか残念でした。

たくさんの人に観てもらいたいですね^^
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レンタルでぜひ (kossy)
2005-03-29 19:44:59
>ウォーク・ドント・ラン様

近所のビデオ屋さんには置いてありませんでした。

TVじゃ絶対にやらないだろうし、

買うと高いし・・・

難しいものですね。
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Unknown (phD_nino)
2006-01-05 21:22:56
こんばんは。

TBさせていただきました。

よろしくお願い致します。
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敵前逃亡 (kossy)
2006-01-05 21:43:57
>phD_nino様

戦争の裏側に詳しい人だったら、まったく面白くない映画かもしれませんよね。

俺は知らなかった・・・
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見ればよかった! (とらねこ)
2006-11-03 08:00:47
この作品、どうしようかなあ、と思っていたのですが、ここに来ていたら見ていたと思います。
kossyさんはどこで観たのだろう?
ところで新しいシネコン、出来てよかったですね♪
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映画館 (kossy)
2006-11-03 08:10:37
>とらねこ様
この映画は映画館で!
金沢唯一のミニシアター、シネモンドでの鑑賞でした。
テレビでは絶対にやらないような内容でしたし、レンタルするしかないかもしれませんね。

新しいシネコンは座席がゆったりです。オープン初日だというのにいきなり独占状態になってしまったし・・・
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