ネタバレ映画館

映画ドットコムに記事を移行してます!

ぼくは怖くない

2004-07-15 22:27:43 | 映画2004
 たった5軒の家しかない小さな村に黄金色に輝く広大な麦畑。この視覚効果だけでも充分目の保養になった。子供たちが遊ぶ中でも、ミケーレは正義感が強く、小さな村であってもボス的存在の男の子がいて、彼にも立ち向かうほど勇気がある少年。しかし、決して大人になるための前段階としての少年ではなく、あくまでも純粋な心を持った少年なのだ。ずっと少年のままであり続けるような・・・

 穴の中の少年フィリッポ(マッティーア・ディ・ピエッロ)のミステリアスな存在と、心を通わせるために何も怖くないと自分に言い聞かせるミケーロ。彼との間には「守護天使」というキーワードが存在し、最初はミケーロを「守護天使」だと信じていたフィリッポだったが、結局はフィリッポのための守護天使ではなく、荒んだ心を持った大人たちの守護天使であったと思えてしかたがない。

 実は大人たちが金目当てで誘拐したのがフィリッポだったわけだが、ミステリアスでもありながら、子どもからの視線を貫き通したこの作品。大人を非難することも出来ず、フィリッポを助けたいという一途な想いに変化する様子が素晴らしい出来だと思う。

 父親の台詞で「決死隊に選ぶ」という伏線もあり、ラストではミケーロがそれを予感していたかのように「パパ!」と声をあげるのも印象的であった。そしてその瞬間に銃声とともに真っ白になる画面が強烈・・・かなり後を引きそうだ。
 
「だるまさんがころんだ」「蚊取線香」というのはイタリアにもあるのですね。

 2度目を鑑賞
 最初に観た時、ラストの衝撃がすごかったため、小動物の効果とかミケーレが書く妄想小説については忘れていました。2度目を観ると、淡々としていそうな映画なのに、中身がいっぱい詰まっている映画だということにあらためて驚きました。DVDが出たら、買ってしまうかもしれない・・・私にとって、それくらいハマる映画だ・・・
コメント (13)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ウォルター少年と、夏の休日 | トップ | 69 sixty nine »
最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ルーナ)
2004-09-14 01:01:26
TBありがとうございます

私もすっかりはまってます♪
返信する
単純なストーリー (kossy)
2004-09-14 14:52:34
不思議な映画ですもんね。

単純な割に、伏線らしきものがぎっしり詰まっていたり、映像的にかなり工夫してあったりと・・・

多分、アカデミー外国語映画賞候補になりますよ。
返信する
Unknown (R)
2004-09-14 23:13:40
TBありがとうございます。

本当に不思議で奥の深い映画ですよね。

映像の美しさと相まって、その深さが一層強調されてる気がしてなりません。はまるのも当然ですよね。
返信する
Unknown (hollyk)
2004-09-15 00:41:46
TBありがとうございます。

不思議な味の映画です。
返信する
不思議 (kossy)
2004-09-15 01:17:31
>Rさま

一番不思議なのは、

ストーリーは単純なのに、

奥深いと感じさせるところ。

『スタンド・バイ・ミー』も深いかもしれないけど、

違った角度の深さなんでしょうね・・・



>hollykさま

映画館で観たという人が少ないのも不思議なのです。

上映館少なかったのかなぁ。。
返信する
これは唸りました。 (ルー)
2004-10-14 19:12:06
お久しぶりですw

少年の成長映画は山ほど観たように思うのだけど、

秀逸ですね、これは。

息子が主人公と同じ年なんで、なんかもう・・・。

テメーら人の子の親かぁぁ!! と血圧上がっちゃって(^_^;
返信する
おひさしぶりです。 (kossy)
2004-10-15 12:47:10
息子さんと同じ年頃でしたか・・・

とにかくすごい映画でした。

自宅で観るときには音響環境を整えて鑑賞しないと、効果が出ないような感じですね。

あの音を聞きたいがために近所迷惑を省みず大音量で・・・借りてこようかなぁ~
返信する
美しい映像と少年の心 (くるっぱー)
2004-10-20 08:21:11
TBありがとうございました。

この映画、主人公のミケーレが大人をただ

責めるような単純な正義感の持ち主でないところが

私には切なかったです。

最後お父さんをじっと抱きしめているところ、

涙がでてしまいました。

そしてあの美しい風景、思い出に残る作品になりました。
返信する
舞台の村は・・・ (kossy)
2004-10-20 12:55:43
>くるっぱー様

あの南イタリアの風景は・・・5組の家族しかいない村。

ちょっと変わった設定なのに、物語に引きづりこまれました。

フィリッポを助けたいと願う気持ちが、大人たちを責める心に勝ったのでしょうね。。。

麦畑って、やっぱりいいですよね~
返信する
いつも拝見しています (ももちき)
2004-11-25 09:29:19
なかなかトラバするきかいがなかったのですが、お邪魔させてください。



ラストはフィリッポがまるで天使のようでしたね。
返信する

コメントを投稿

映画2004」カテゴリの最新記事