「スーパーマンだ！」「いや、Gガールだ！」「きゃー、葉月里緒菜よっ！」
黒沢ファンだったら評価を辛くするのではないかと思えるのですが、さすがTBSがついてるだけあって、とてもわかりやすい黒沢映画に仕上がってた。「連続事件発生！犯人は、俺？」というコミカルな役所広司にも期待が高まるうえに、サイコ・サスペンスのような怪談のような絶妙にミスリードさせる手法によって万人に受けるホラー・プロット。役所広司がドッペルゲンガーして、とんでもないことをやるような気がしてヒヤヒヤしながらのめり込んでしまいました。
一般受けする作りになっているとは言え、それでも黒沢清らしいのは舞台設定ではないでしょうか。埋め立てによる乱開発によって湾岸の寂れた雰囲気が重くのしかかり、警察署の中も暗さが際立っているほどです。主人公吉岡刑事（役所）の住むアパートにしたっていかにも取り壊し直前といった古さだし、旧フェリー航路にある謎の黒い建物も異様な妖気を漂わせている。急速な都市開発によって忘れ去られてしまう残骸そのものが幽霊の源になっていると思わせるのです。
連続殺人を解明するうちに、それぞれの犯人が何者かに怯えていることがわかり、その正体は自分が悩まされている同じ赤い服の女（葉月里緒菜）ではないかと疑う吉岡。カウンセラー役のオダギリジョーもお手上げ状態となるほど霊的な話となってくる。そして、吉岡は次第に赤い服の女はかつて利用していたフェリー航路から見える建物の女ではなかったか、と疑念が膨れ上がるのだ。やがて、個々の事件は心の闇の部分で繋がっていく・・・
ムンクの叫びを彷彿させる葉月里緒菜の表情や彼女の飛行シーン。中村育二の飛び降りシーン。そしてラストの伊原剛志のショッキングなシーン。映像としての見所はいっぱいですが、それよりも「全部なしにしよう」というメッセージが心に残ります。都合の悪いものは全て闇の中に押し込んで、表面的な平和を装おうとしている世の中そのものへの痛烈なメッセージ。許しを得られるのはそれを暴いた者のみ。折りしも従軍慰安婦問題が米国議会でも論議されてる中、確たる証拠がないと言い張って闇に葬り去ろうとしている政府の動きまでも思い出してしまうのは飛躍しすぎかもしれないが・・・
★★★・・
黒沢ファンだったら評価を辛くするのではないかと思えるのですが、さすがTBSがついてるだけあって、とてもわかりやすい黒沢映画に仕上がってた。「連続事件発生！犯人は、俺？」というコミカルな役所広司にも期待が高まるうえに、サイコ・サスペンスのような怪談のような絶妙にミスリードさせる手法によって万人に受けるホラー・プロット。役所広司がドッペルゲンガーして、とんでもないことをやるような気がしてヒヤヒヤしながらのめり込んでしまいました。
一般受けする作りになっているとは言え、それでも黒沢清らしいのは舞台設定ではないでしょうか。埋め立てによる乱開発によって湾岸の寂れた雰囲気が重くのしかかり、警察署の中も暗さが際立っているほどです。主人公吉岡刑事（役所）の住むアパートにしたっていかにも取り壊し直前といった古さだし、旧フェリー航路にある謎の黒い建物も異様な妖気を漂わせている。急速な都市開発によって忘れ去られてしまう残骸そのものが幽霊の源になっていると思わせるのです。
連続殺人を解明するうちに、それぞれの犯人が何者かに怯えていることがわかり、その正体は自分が悩まされている同じ赤い服の女（葉月里緒菜）ではないかと疑う吉岡。カウンセラー役のオダギリジョーもお手上げ状態となるほど霊的な話となってくる。そして、吉岡は次第に赤い服の女はかつて利用していたフェリー航路から見える建物の女ではなかったか、と疑念が膨れ上がるのだ。やがて、個々の事件は心の闇の部分で繋がっていく・・・
ムンクの叫びを彷彿させる葉月里緒菜の表情や彼女の飛行シーン。中村育二の飛び降りシーン。そしてラストの伊原剛志のショッキングなシーン。映像としての見所はいっぱいですが、それよりも「全部なしにしよう」というメッセージが心に残ります。都合の悪いものは全て闇の中に押し込んで、表面的な平和を装おうとしている世の中そのものへの痛烈なメッセージ。許しを得られるのはそれを暴いた者のみ。折りしも従軍慰安婦問題が米国議会でも論議されてる中、確たる証拠がないと言い張って闇に葬り去ろうとしている政府の動きまでも思い出してしまうのは飛躍しすぎかもしれないが・・・
★★★・・
またまた1番乗り(笑)。
ホラー映画というのは辻褄が合わないものなのですが、今ひとつ理解し難い所がありました。
小西は殺されたんですよね?なぜなのか描写ありましか?その辺りがよくわかりませんでした。
ムンクの叫び は私も思いました。
苦悩の原因は、「無作為の悪」。
赤い服の女は、貞子より原始的で、ビデオや携帯ではなく、洗面器と海水。そして、死んだ人は、幽霊となって成仏できない。でも、最後は骨を拾われ、皆成仏しましたとさ。ということで、貞子よりさわやか？な結末でした。
小西真奈美を殺す動機は、間接的ですがちゃんと説明が有りました。
でも、吉岡(役所広志)は人を殺したのですから、その後はどうしたのでしょうかね。警察を続けたのでしょうか。
この映画で一番ミステリィーだったのは、加瀬亮の役が船乗りだったかということ。わかんねぇー。。
この映画、テンポが良くて、物語に引き込まれます。楽しい映画でした。
思い出せないです。。 何が有りました?
小西真奈美は役所広司が殺したんでしたね。
まぁ、このあたりが「シックスセンス」的なところでした。殺した理由は他の殺人事件と同じく葉月里緒菜の差し金でしょう。フェリーに乗ってた人をそのまま殺せばいいのに、回りくどいことをするものです・・・プンプン。
＞祐。様
最後は爽やか・・・しかし、事件を解明した本人がそれを隠し通してしまったら・・・と考えると、成仏したはいいけど世間には公表されないまま。
あの後役所広司はどうなったのか。それも謎のまま。もしかすると巡礼の旅に出るのかもしれません。伊原剛志も役所が職場に来ないからアパートを捜索してたんだろうし、もう警察には戻らないんでしょうね。
ラストは、伊原が洗面器を覗いていたときに天井から葉月里緒菜が落ちてきて、二人とも洗面器の中に入っちゃいました。どこへ消えたんでしょうね～
あまりに理解不能な一瞬のシーンだったので、記憶に残っていませんでした。(汗)
葉月が成仏するときに、何故道連れにしたのかは定かでは有りませんね。もしかして、彼もすでに死んでいたのかしら。。。。
謎は他にもあると思うのですが、これが最大の謎ですよね。これが伊原でなくて加瀬亮だったら何となく説明もつくのですが・・・
彼もすでに死んでいた！う～む、それだったらわざわざ落とさなくてもいいかな・・・やっぱりココの解説を聞いてみたくなりますよね。
このショッキングなシーンでは笑い声も聞えました。B級ホラーとは一味違うんだから、そんなところで笑うな～と言いたかった・・・笑うとすれば飛行シーンですよね。
うわあ。これには気づきませんでした。（汗）
伊原の死に方はショッキングで、
あまり辻褄があわず、
なるほど最初から死んでいたと言う考え方もありですね。
後から思えば小西真奈美さんの服がいつも同じような感じがしてたんですけど、その時は他の事に気を取られていて考えつきませんでした。けっこう巧い演出だったような気がします。伊原さんの最後はビックリでした。
あらゆる関連本の中で一番良い。
この問題の全容も把握できる。